気象庁は、富士山の初冠雪を2026年10月30日と発表しました。昨年の10月23日より7日遅い日付です。ただし今季から判定の方法が目視から解析積雪深に変わっているため、「平年より遅い」「記録的」といった比べ方には注意が必要です。
(2026年10月30日 公開)
・2026年の富士山の初冠雪は10月30日。昨年(10月23日)より7日遅い
・平年(1991〜2020年平均)は10月2日。今年の日付は約4週間後にあたるが、方式が違うため単純比較はできないと気象庁が説明
・過去の目視記録で最も遅いのは2024年の11月7日(132年間で最も遅い)
・今季からは山頂の解析積雪深1cm以上で判定し、夜間や曇りの日も対象になる
目次
- 2026年の初冠雪はいつ・どう判定された?
- 過去10年あまりの初冠雪日を比べる
- 遅かった年・早かった年のランキング
- 平年はいつ?平均日の移り変わり
- 新方式(解析積雪深)で何が変わったか
- 「平年より遅い」と言えない理由
- この記事で分からないこと
- よくある質問
- まとめ
画像出典: 気象庁・各報道をもとに当サイトが作成
2026年の初冠雪はいつ・どう判定された?
気象庁のサイトでは、富士山の初冠雪日が「2026年10月30日」と表示されています(30日午前8時時点の掲載)。NHKは、30日朝に気象データから富士山の山頂付近に1センチ以上の雪が積もっていると解析されたと伝えています。
テレビ朝日系(ANN)は、この日の初冠雪を「去年より1週間遅い」と報道しています。ウェザーニュースによると、昨年の初冠雪は10月23日でした。30日朝は山頂の最低気温がマイナス9.4度まで下がったとも伝えられています。
ウェザーニュースは、低気圧や気圧の谷が通過した影響で山頂付近が雪化粧した様子の写真も紹介しています。一方で、写真で雪が確認できても、すぐに初冠雪として発表されるとは限らないことも指摘しています。
過去10年あまりの初冠雪日を比べる
気象庁の「過去の初冠雪日の記録」から、2014年以降の日付を並べました。9月に初冠雪した年が4回(2018・2020・2021・2022年)ある一方、2024年は11月7日と大きく遅れています。
画像出典: 気象庁「過去の初冠雪日の記録」をもとに当サイトが作成
| 年 | 初冠雪日 |
|---|---|
| 2014年 | 10月16日 |
| 2015年 | 10月11日 |
| 2016年 | 10月26日 |
| 2017年 | 10月23日 |
| 2018年 | 9月26日 |
| 2019年 | 10月22日 |
| 2020年 | 9月28日 |
| 2021年 | 9月26日 |
| 2022年 | 9月30日 |
| 2023年 | 10月5日 |
| 2024年 | 11月7日(最も遅い) |
| 2025年 | 10月23日 |
| 2026年 | 10月30日(新方式) |
2025年までは目視による記録、2026年は解析積雪深を使った日付です。表の最後の行だけ性質が違う点に気をつけてください。
遅かった年・早かった年のランキング
気象庁の記録は1894年から2025年までの132年分あります。10月26日以降に初冠雪したのは、2024年(11月7日)、2016年(10月26日)、1955年(10月26日)の3回だけです。
画像出典: 気象庁「過去の初冠雪日の記録(2026寒候年まで)」をもとに当サイトが作成
最も早いのは2008年の8月9日で、1914年(8月12日)、1935年(8月17日)、1994年(8月21日)、2000年(9月4日)と続きます。夏のうちに初冠雪が記録された年もあり、日付の幅は3か月近くあります。
今回の10月30日は、日付だけ見れば目視の記録のどの年よりも遅く、2024年の11月7日に次ぐ位置になります。ただし後述のとおり、方式が違うため順位として扱うのは適切ではありません。
平年はいつ?平均日の移り変わり
気象庁が使う平年値(1991〜2020年の平均)は10月2日です。当サイトで記録を集計すると、1961〜1990年の平均は10月4日、直近10年(2016〜2025年)の平均は10月13日でした。
画像出典: 気象庁の記録から当サイトが集計(2026年は新方式の参考値)
直近10年の平均は平年より約11日遅くなっています。2024年の11月7日と2025年の10月23日が平均を押し上げています。
新方式(解析積雪深)で何が変わったか
これまでの初冠雪は、甲府地方気象台の職員が富士山の山頂付近を目で見て確認していました。2027寒候年(2026年8月〜2027年7月)からは、気象レーダーなどから解析した「解析積雪深」が1cm以上かどうかで判定します。
画像出典: 気象庁・ウェザーニュースなどの説明をもとに当サイトが作成
ウェザーニュースは、初冠雪を「夏を過ぎて初めて山頂が雪で覆われること」と説明しています。富士山には特別なルールがあり、その夏の日平均気温が最も高かった日より後に降った雪だけが対象になります。
画像出典: 気象庁・ウェザーニュースの解説をもとに当サイトが作成
「平年より遅い」と言えない理由
気象庁の担当部署は、福井新聞の取材に「○日早い」「○日遅い」といった単純な比較を避けるよう呼びかけています。理由は主に次の3つです。
こうした事情から、2026年の10月30日は「平年より28日遅い」と書くより、「昨年より7日遅い(昨年は目視、今年は解析)」と注記つきで読むのが安全です。今季の日付は、来年以降に新方式同士で比べる最初の基準点になります。
この記事で分からないこと
- 山頂の積雪が実際に何センチあるのか(気象庁は初冠雪の判定のみ公表)
- 新方式で来年以降、初冠雪が早まるのか遅れるのか(データの蓄積が必要)
- 登山道や周辺道路の閉鎖・開通状況(山梨県・静岡県などの公式発表で確認が必要)
- 新方式の解析の細かい仕組み(気象庁の観測方法の資料を参照)
過去の日付の集計(平均日など)は気象庁の記録表をもとに当サイトが算出したもので、気象庁が公表した数値ではありません。
よくある質問
Q. 今年の初冠雪は「記録的に遅い」のですか?
日付だけ見ると、目視の記録では2024年の11月7日に次いで遅い位置です。ただし方式が違うため、気象庁は単純比較を勧めていません。「記録的」と断定する根拠にはなりません。
Q. 平年の10月2日とは何ですか?
1991〜2020年の30年間の初冠雪日の平均です。気象庁が示す平年値にあたります。
Q. 麓から雪が見えるのはいつ頃ですか?
気象庁の発表と、麓から実際に白く見えるタイミングは一致しないことがあります。ウェザーニュースも、写真で雪が確認できてもすぐに発表されるとは限らないと説明しています。
Q. 同じ時期の他の気象ニュースは?
関東・近畿の木枯らしや、北海道の初雪など、同じ時期の気象は次の記事にまとめています。
- 【木枯らし1号】10/28に吹く?東京・近畿の条件と寒さ
- 【明日の気温】29日朝は今季一番の冷え込み
- 【北海道の初雪】札幌は28日頃|平野部の積雪見込みとタイヤ交換
- 【今季一番の寒気】28日の北海道・東北は暴風と雪
まとめ
・過去の目視記録の最遅は2024年11月7日。10月26日以降は132年で3回だけ
・平年は10月2日、直近10年の平均は10月13日(当サイト集計)
・今季から解析積雪深1cm以上で判定。気象庁は過去の目視記録との単純比較はできないと説明
・今年の日付は、新方式で比べる最初の基準点として見るのが妥当
参考・出典
- 気象庁「初冠雪・初雪・初霜(富士山)」(2026年10月30日掲載分)
- 気象庁「過去の初冠雪日の記録(2026寒候年まで) 富士山」
- NHKニュース「富士山で初冠雪を観測」(2026年10月30日)
- ANN(Yahoo!ニュース)富士山の初冠雪を観測(2026年10月30日)
- tenki.jp(Yahoo!ニュース)富士山の初冠雪(2026年10月30日)
- ウェザーニュース「富士山で初冠雪」(2026年10月30日)
- ウェザーニュース「日本一早い初冠雪」の解説(2026年10月2日)
- 福井新聞「富士山の初冠雪、観測方法が変わります」(2026年10月24日)
※本記事は2026年10月30日時点の情報です。気象庁の発表内容は変更される場合があります。最新情報は気象庁の公式サイトでご確認ください。
コメントを残す