住宅ローン控除2026年度|子育て世帯は上限いくらまで

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は令和8年度税制改正で適用期限が5年延長され、2026年(令和8年)〜2030年(令和12年)に入居する住宅が対象になります。あわせて、質の高い既存住宅の借入限度額・控除期間の拡充や床面積要件の緩和も行われました。この記事では、国土交通省・財務省が公表している一次情報をもとに、住宅の種類別・子育て世帯かどうかで借入限度額がいくらになるのか、年度ごとにどう変わっていくのかを整理します。




目次

  • 住宅ローン控除2026年度改正の全体像
  • 対象者・条件の詳細
  • 住宅の種類・子育て世帯別の借入限度額
  • 申請の流れ
  • 注意点・落とし穴
  • よくある質問(FAQ)

国土交通省が公表した令和8年度国土交通省税制改正概要の主要項目一覧、住宅ローン減税等の住宅取得等促進策を含む

出典:国土交通省「令和8年度国土交通省税制改正概要(主要項目)」




住宅ローン控除2026年度改正の全体像

国土交通省の公表資料によると、今回の措置は「2050年カーボンニュートラルの実現に貢献するとともに、世帯構成の変化等を踏まえ、幅広い住まいの選択肢を提供するため」に行われるもので、主なポイントは次の3つです。

①適用期限の5年延長
住宅ローン控除の対象となる入居時期が、2026年(令和8年)〜2030年(令和12年)まで延長されます。
②質の高い既存住宅の借入限度額・控除期間の拡充
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅など、質の高い既存(中古)住宅について、借入限度額と控除期間が新築住宅と同水準まで拡充されます。
③床面積要件の緩和
床面積要件は40平方メートル以上が基本ですが、所得1,000万円超の人および子育て世帯等への上乗せ措置の利用者は50平方メートル以上が要件になります。

控除率は0.7%、控除期間は新築住宅で13年(省エネ基準適合住宅の一部区分・既存住宅は10年)です。所得要件は合計所得金額2,000万円以下となっています。

対象者・条件の詳細

マイホームを新築・購入する人

2026年〜2030年に住宅ローンを利用して新築住宅を取得し入居する人が対象です。認定長期優良住宅・認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅のいずれかの区分に該当するかで、借入限度額が変わります。省エネ基準を満たさない「その他住宅」は、新築の場合は原則として支援対象外です。

既存(中古)住宅を購入する人

既存住宅についても、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅、その他住宅のいずれかで借入限度額・控除期間が定められています。今回の改正では、質の高い既存住宅の借入限度額・控除期間が新築と同水準まで引き上げられた点が大きなポイントです。

子育て世帯・若者夫婦世帯

「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」は、借入限度額に上乗せ措置が適用されます。国土交通省の資料では、この上乗せ後の限度額がカッコ書きで併記されています。

住宅の種類・子育て世帯別の借入限度額

国土交通省が公表した年度別の借入限度額を、住宅の種類ごとに整理します(控除率0.7%共通)。

国土交通省が公表した住宅ローン減税等の住宅取得等促進策に係る所要の措置、2026年度から2030年度までの借入限度額の年度別一覧表

出典:国土交通省「令和8年度国土交通省税制改正概要」

認定長期優良住宅・認定低炭素住宅
新築:4,500万円(子育て世帯等5,000万円)×13年
既存:3,500万円(子育て世帯等4,500万円)×13年
2026〜2030年度まで変わらず適用
ZEH水準省エネ住宅
新築:3,500万円(子育て世帯等4,500万円)×13年
既存:3,500万円(子育て世帯等4,500万円)×13年
2026〜2030年度まで変わらず適用
省エネ基準適合住宅(新築)
2026・2027年度:2,000万円(子育て世帯等3,000万円)×13年
2028年度以降:原則支援対象外(ただし2027年末までに建築確認を受けたもの等は2,000万円×10年の経過措置あり)
省エネ基準適合住宅(既存)
2,000万円(子育て世帯等3,000万円)×13年
2026〜2030年度まで変わらず適用
その他住宅(省エネ基準を満たさない住宅)
新築:支援対象外
既存:2,000万円×10年(子育て世帯等の上乗せなし)

財務省が公表した令和8年度税制改正リーフレットの住宅ローン控除の拡充ページ、新築・既存住宅の借入限度額表

出典:財務省「令和8年度税制改正」リーフレット

ポイント
・最も上限が高いのは認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の新築で、子育て世帯等なら借入限度額5,000万円
・省エネ基準適合住宅の新築は2028年度以降、原則として住宅ローン控除の対象外になる予定(駆け込み検討が必要)
・床面積要件は原則40平方メートル以上だが、子育て世帯等の上乗せ措置を利用する場合は50平方メートル以上が必要

申請の流れ

ステップ1.住宅の区分を確認する
新築・既存のどちらか、認定長期優良住宅/認定低炭素住宅/ZEH水準省エネ住宅/省エネ基準適合住宅/その他住宅のどの区分に該当するかを、住宅事業者や認定書類で確認します。
ステップ2.子育て世帯等の上乗せ対象か確認する
「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」に該当するかで、借入限度額が変わります。該当する場合は上乗せ後の限度額が適用されます。
ステップ3.入居した年の確定申告で初回手続きを行う
住宅ローン控除を初めて受ける年は、入居した翌年に確定申告が必要です。住宅ローンの残高証明書、登記事項証明書、請負契約書・売買契約書の写しなどを準備します。
ステップ4.2年目以降は年末調整または確定申告で継続
給与所得者の場合、2年目以降は勤務先の年末調整で手続きできます(税務署から送付される「住宅借入金等特別控除申告書」が必要)。自営業・フリーランスは毎年確定申告で控除を受けます。




注意点・落とし穴

省エネ基準適合住宅の新築は2028年度以降の扱いに注意
省エネ基準適合住宅(新築)は2026・2027年度は2,000万円(子育て世帯等3,000万円)×13年ですが、2028年度以降は原則支援対象外になる予定です。ただし2027年末までに建築確認を受けたもの等は2,000万円×10年の経過措置が用意されているため、入居時期だけでなく建築確認のタイミングも重要になります。
省エネ基準を満たさない「その他住宅」の新築は対象外
省エネ性能の低い新築住宅は、原則として住宅ローン控除の対象になりません。既存住宅であれば2,000万円×10年(子育て世帯等の上乗せなし)で適用可能です。
床面積要件は所得・世帯によって異なる
床面積要件は原則40平方メートル以上ですが、合計所得金額が1,000万円を超える人、または子育て世帯等への上乗せ措置を利用する人は50平方メートル以上が必要です。物件選びの段階で床面積を確認しておく必要があります。
令和10年以降は災害レッドゾーンの新築が対象外に
令和10年(2028年)以降に入居する分から、土砂災害警戒区域等の「災害レッドゾーン」に立地する新築住宅は住宅ローン控除の対象外になります(建替え・既存住宅・リフォームは対象のまま)。土地選びの際は、ハザードマップで災害レッドゾーンに該当しないか確認しておくと安心です。
買取再販住宅・リフォームは基準が別
買取再販住宅は新築住宅と同等の支援水準ですが、リフォームの場合は借入限度額2,000万円・控除期間10年が基準になります。物件のタイプによって基準が異なる点に注意してください。

国土交通省が公表した認定長期優良住宅に係る特例措置の延長、不動産取得税・固定資産税の軽減措置の説明資料

出典:国土交通省「令和8年度国土交通省税制改正概要」

住宅ローン控除とあわせて、新築住宅の固定資産税の減額措置(戸建て3年間・マンション5年間、税額を1/2に軽減)や、認定長期優良住宅に係る不動産取得税・固定資産税の特例措置も、令和8年4月1日〜令和13年3月31日まで5年間延長されています。住宅取得にかかる税負担を見る際は、住宅ローン控除だけでなくこれらの措置もあわせて確認するとよいでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q1.住宅ローン控除はいつまで延長されましたか?

令和8年度税制改正により、適用期限が5年延長され、2026年(令和8年)〜2030年(令和12年)に入居する住宅が対象になります。

Q2.子育て世帯の借入限度額はいくらまでですか?

住宅の種類によって異なります。最も上限が高い認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の新築であれば、子育て世帯等の上乗せ後で5,000万円です。ZEH水準省エネ住宅は4,500万円、省エネ基準適合住宅は3,000万円が上限になります。

Q3.「子育て世帯等」の定義は何ですか?

国土交通省の資料では「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」と定義されています。

Q4.省エネ基準適合住宅を新築で検討していますが、いつまでに動けばよいですか?

2026・2027年度は2,000万円(子育て世帯等3,000万円)×13年で適用されますが、2028年度以降は原則支援対象外になる予定です。2027年末までに建築確認を受けたもの等は2,000万円×10年の経過措置があるため、遅くとも2027年中の建築確認取得を目安に検討するとよいでしょう。

Q5.控除率と控除期間はどのくらいですか?

控除率は0.7%です。控除期間は新築住宅で原則13年(省エネ基準を満たさない既存住宅などは10年)となっています。

Q6.床面積の要件はありますか?

原則40平方メートル以上です。ただし合計所得金額が1,000万円を超える人、または子育て世帯等への上乗せ措置を利用する人は50平方メートル以上が必要です。

Q7.所得制限はありますか?

合計所得金額2,000万円以下が所得要件です。

Q8.中古住宅(既存住宅)でも同じ限度額が使えますか?

今回の改正で既存住宅の借入限度額・控除期間が拡充され、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅であれば新築と同水準(子育て世帯等の上乗せ込みで4,500万円)まで利用できます。省エネ基準適合住宅は2,000万円(子育て世帯等3,000万円)、その他住宅は2,000万円(上乗せなし)です。

まとめ

住宅ローン控除は令和8年度税制改正で2030年入居分まで5年延長され、質の高い既存住宅の借入限度額・控除期間も新築と同水準まで拡充されました。子育て世帯等(19歳未満の子がいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯)は借入限度額の上乗せが受けられ、最も高い認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の新築では5,000万円が上限です。一方で省エネ基準適合住宅の新築は2028年度以降原則対象外になる予定のため、検討中の人は建築確認のタイミングにも注意が必要です。

※本記事の内容は国土交通省・財務省が公表している令和8年度税制改正の公式資料をもとに作成しています。実際の適用可否・控除額はご自身の住宅の条件により異なるため、最新情報は国土交通省・国税庁の公式サイトでご確認ください。

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