副業の確定申告は、給与以外の「所得」が年間20万円を超えたら必要になります。所得とは「収入−経費」のこと。この記事では、よく誤解される「20万円の壁」の正しい意味、見落としがちな住民税の申告、経費にできるもの、必要書類、e-Taxやfreeeを使ったやり方まで、初心者がつまずくポイントを順に解説します。(本記事の制度・金額は2026年6月4日時点の情報です)
- 給与所得者は、副業の所得(収入−経費)が20万円超で確定申告が必要
- 所得税が不要でも住民税の申告は別途必要(20万円以下でも)
- 帳簿を付けて保存すれば、原則事業所得として扱える
- e-Taxや会計ソフト(freee等)を使えば自宅で完結できる
目次
- そもそも副業で確定申告は必要?「20万円の壁」の正体
- 所得税はセーフでも住民税の申告は必要
- 雑所得と事業所得の違い(300万円・帳簿)
- 副業の経費にできるもの・できないもの
- 確定申告の必要書類チェックリスト
- 確定申告のやり方|5ステップ
- 会計ソフトの料金比較(freeeなど)
- 2026年の注意点(税制改正・年収の壁)
- よくある質問(FAQ)
そもそも副業で確定申告は必要?「20万円の壁」の正体
会社員・パートなど給与をもらっている人の場合、給与以外の所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。ここで一番のポイントは、判定するのが「収入」ではなく「所得」だという点です。
例:副業の売上が30万円でも、経費が15万円かかっていれば所得は15万円。20万円以下なので所得税の確定申告は不要です。
逆に、売上が25万円で経費がほとんどなければ所得は20万円超となり、確定申告が必要になります。「売上が20万円を超えたら申告」ではないので注意しましょう。なお、この20万円ルールは2026年6月時点でも変更されておらず、令和7年分(2025年の所得)の申告でも同じ扱いです。
20万円ルールが使えないケース
- そもそも本業の年末調整をしていない、医療費控除など他の理由で確定申告をする場合は、20万円以下でも副業分を含めて申告が必要
- 給与所得が2か所以上ある(掛け持ちパート等)場合は、別の判定基準になる
- 配偶者控除・扶養や社会保険の扶養判定では、20万円以下でも副業収入が考慮される
所得税はセーフでも住民税の申告は必要
ここが最も見落とされがちなポイントです。「20万円ルール」は所得税の確定申告だけの話で、住民税には20万円以下を免除する規定がありません。
つまり副業の所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、原則としてお住まいの市区町村へ住民税の申告が必要です。確定申告をすれば税務署から自治体へ情報が連携されるため住民税の申告は不要ですが、確定申告をしない人は自分で役所に申告する必要があります。
住民税で副業が会社に伝わる仕組み
会社は毎年5〜6月ごろに「住民税決定通知書」を受け取り、給与から天引き(特別徴収)する税額を確認します。副業分が上乗せされると、給与に対して税額が不自然に高くなり、経理担当者に気づかれる可能性があります。
これを避けたい場合、確定申告書の第二表「住民税に関する事項」で、給与以外の所得分の住民税を「自分で納付(普通徴収)」に選ぶ方法があります。ただし注意点として、副業がアルバイトなど「給与所得」の場合は、自分で納付を選んでも本業と合算して特別徴収になりやすく、確実に分けられるとは限りません。さらに一部の自治体では普通徴収の選択を認めない運用もあるため、確実性を求めるなら事前に自治体へ確認しておくと安心です。
雑所得と事業所得の違い(300万円・帳簿)
副業の所得は主に「雑所得」か「事業所得」に区分されます。どちらに当たるかで節税の幅が変わるため重要です。
2022年(令和4年分)の国税庁の通達改正により、判定の考え方が整理されました。ポイントは「帳簿書類の保存があるか」です。
- 帳簿を付けて保存している → 収入300万円以下でも原則「事業所得」に区分できる
- 記帳・帳簿の保存がない → 基本的に「雑所得」の扱い
- 前々年の雑所得の収入が300万円を超える人は、領収書など現金預金取引等関係書類の保存が義務
事業所得に区分できれば、青色申告による特別控除(最大65万円)や赤字を給与所得と相殺する損益通算などのメリットが受けられます。ただし、社会通念上「事業」と呼べる規模・継続性があるかも判断材料になるため、副業を本格的に育てる人ほど帳簿付けが重要になります。
副業の経費にできるもの・できないもの
所得区分が事業所得・雑所得・不動産所得のいずれかであれば、収入を得るためにかかった費用を経費に計上できます。経費が増えれば所得が下がり、節税につながります。
経費にできる例
- 仕入れ代金、梱包資材、発送の送料
- 副業に使うパソコン・スマホ・周辺機器(私用と兼用なら使用割合で按分)
- 通信費・電気代の一部(家事按分)
- 取引先との打ち合わせ交通費、書籍・セミナー代
- 会計ソフトやツールの利用料、各種手数料
経費にできない・注意が必要な例
- 私生活のための支出(プライベートの食事・衣類など)
- 所得税・住民税そのもの
- 家事按分は「業務で使った割合」だけが対象。全額計上はNG
経費を正しく計上するには、領収書・レシートの保管とこまめな記帳が欠かせません。日々の経費を貯める意味では、楽天経済圏の始め方とSPU攻略やポイ活のやり方と組み合わせて支出を管理するのもおすすめです。
確定申告の必要書類チェックリスト
副業の確定申告でそろえる主な書類は次のとおりです。所得の種類によって一部異なります。
| 書類 | 内容・入手先 | 対象 |
|---|---|---|
| 本業の源泉徴収票 | 勤務先が発行(年末〜1月) | 会社員共通 |
| マイナンバー確認書類 | マイナンバーカード等 | 共通 |
| 本人確認書類 | 運転免許証など(カードがない場合) | 共通 |
| 売上がわかる書類 | 取引履歴・売上明細・通帳 | 雑/事業所得 |
| 経費がわかる書類 | 領収書・レシート・請求書 | 雑/事業所得 |
| 各種控除の証明書 | 生命保険料控除証明書・医療費明細など | 該当者 |
| 還付先の口座情報 | 本人名義の銀行口座 | 還付がある人 |
確定申告のやり方|5ステップ
令和7年分(2025年の所得)の申告期間は、2026年2月16日(月)〜3月16日(月)です。e-Taxの受付は1月5日(月)から始まる予定です。手順は次の流れです。
ステップ1:書類を集める
源泉徴収票、売上・経費の書類、控除証明書をそろえます。
ステップ2:所得と経費を集計する
副業の年間売上と経費を合計し、所得(収入−経費)を出します。会計ソフトを使うと自動集計できます。
ステップ3:申告書を作成する
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」やfreee・マネーフォワードなどの会計ソフトで、画面の質問に答えていけば申告書が完成します。
ステップ4:提出する(e-Tax推奨)
提出方法はe-Tax・郵送・税務署窓口の3つ。マイナンバーカードとスマホがあれば、マイナポータル連携で収入・控除データを取り込み、自宅から電子申告できます。青色申告特別控除の最大65万円を受けるには、複式簿記での記帳とe-Tax提出(または電子帳簿保存)が条件です。
ステップ5:納税または還付を受ける
納付がある場合は3月16日(月)までに納税。振替納税を利用する場合は、引き落とし日(2026年は4月23日予定)までに口座残高を確認しておきましょう。還付がある場合は登録口座に振り込まれます。
会計ソフトの料金比較(freeeなど)
副業の規模が大きくなったら、会計ソフトで記帳・申告を効率化するのがおすすめです。代表格のfreee会計(個人向け)の料金は以下のとおりです(2026年6月4日時点・税込表記は公式で要確認)。
| プラン | 年払い(月あたり) | 月払い | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| スターター | 980円(年11,760円) | 1,780円 | 確定申告に必要な基本機能 |
| スタンダード | 1,980円(年23,760円) | 2,980円 | 消費税申告にも対応 |
| プレミアム | 3,316円(年39,800円) | 年払いのみ | 電話サポート等を含む |
銀行口座やクレジットカードと連携して明細を自動取得できるため、手入力の手間を大幅に減らせます。副業がまだ小規模で雑所得の範囲なら、国税庁の作成コーナー(無料)で十分なことも多いので、規模に応じて選びましょう。なお、会計ソフトの利用料自体も経費に計上できます。
2026年の注意点(税制改正・年収の壁)
令和7年度税制改正で、所得税の控除が見直されました。基礎控除が引き上げられ(改正前48万円→合計所得金額が一定以下の場合は最大95万円)、給与所得控除と合わせて、いわゆる「年収の壁」が103万円から最大160万円へ広がっています。原則として令和7年12月1日施行で、令和7年分以後の所得税に適用されます。
- 20万円ルール=確定申告が必要かどうかのライン(副業)
- 160万円の壁=給与に所得税がかかるかどうかのライン
これは別々の制度で、両方が同時に存在します。なお、社会保険の負担が生じる「130万円の壁」の基準は変わっていません。
基礎控除の額は合計所得金額で判定されるため、副業収入も含めた総所得で控除額が決まる点にも注意しましょう。控除の最新の正確な金額や適用条件は、必ず国税庁の公式情報で確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 副業の所得が20万円以下なら何もしなくていい?
A. 所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は原則必要です。確定申告をしない場合は、お住まいの市区町村へ別途申告しましょう。
Q. 確定申告をしないとどうなる?
A. 申告漏れが発覚すると、本来の税額に加えて無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。期限内の申告が安全です。
Q. 赤字でも申告した方がいい?
A. 事業所得として申告できる場合は、赤字を給与所得と損益通算して所得税が戻ることがあります。帳簿を付けていることが前提です。
Q. 会社に副業がバレないようにできる?
A. 確定申告書で住民税を「自分で納付(普通徴収)」に選ぶ方法がありますが、副業が給与所得の場合や自治体の運用によっては分けられないことがあります。確実性を求めるなら自治体に確認を。
Q. レシートは捨てていい?
A. 経費の証拠になるため保管が必要です。事業所得・一定の雑所得では帳簿書類の保存義務があります。
- 副業は「所得(収入−経費)が20万円超」で所得税の確定申告が必要
- 所得税が不要でも住民税の申告は別途必要
- 帳簿を付ければ事業所得として節税の幅が広がる
- e-Taxや会計ソフトで自宅から効率的に申告できる
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※本記事の税制・金額・期限は2026年6月4日時点の情報です。制度や金額は変動するため、申告にあたっては必ず国税庁および各サービス公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務判断は税理士等の専門家にご相談ください。
最終更新日: 2026-06-04

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