せどり・物販の確定申告と経費|会社員の副業で気をつける点

会社員がせどり・物販を副業でやる場合、給与以外の所得(売上−経費)が年間20万円を超えたら所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は必要で、利益から正しく経費を引けるかどうかで納める税金が大きく変わります。この記事では、せどりの確定申告の判定基準・経費にできるもの一覧・青色申告・開業届・会社にバレない住民税の納め方までを2026年の最新ルールでまとめます。

この記事の結論(先出し)

  • 会社員の副業せどりは、所得(利益)が年20万円超で確定申告が必要
  • 20万円以下でも住民税の申告は別途必要(1円でも利益があれば)
  • 仕入れ・送料・手数料などを経費にできる。帳簿を付ければ青色申告で最大65万円控除も狙える
目次

  1. 会社員のせどりはいくらから確定申告が必要?
  2. せどりの所得(利益)の計算方法
  3. せどりで経費にできるもの一覧【2026年版】
  4. 青色申告と白色申告・開業届の関係
  5. 2026年の税制改正で押さえるポイント
  6. 住民税で会社にバレないための注意点
  7. 申告しないとどうなる?ペナルティ
  8. 確定申告の手順とおすすめツール
  9. よくある質問(FAQ)




会社員のせどりはいくらから確定申告が必要?

会社員(給与所得者)が副業でせどり・物販を行う場合の基準はシンプルです。給与・退職所得以外の所得の合計が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。ここでいう「20万円」は売上ではなく、売上から経費を引いた「所得(利益)」である点に注意してください。

たとえば年間の売上が50万円でも、仕入れや送料・手数料などの経費が35万円なら所得は15万円。この場合は所得税の確定申告は不要です(後述の住民税申告は必要)。

20万円以下でも「住民税の申告」は必要

所得20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、利益が1円でもあれば、お住まいの市区町村に住民税の申告が必要です。20万円ルールは所得税だけの特例で、住民税には適用されません。確定申告をすれば住民税の申告は自動的に行われるため不要ですが、所得税の申告をしない人は別途、自治体への住民税申告を忘れないようにしましょう。

なお副業ではなく、せどりを本業(専業)にしている場合は、基礎控除などの所得控除を超える所得があれば確定申告が必要になります。本業・副業の判定や20万円の壁の詳しい解説は、副業の確定申告のやり方|20万円の壁・経費・必要書類を解説もあわせて参考にしてください。




せどりの所得(利益)の計算方法

せどりの所得は、次の式で計算します。

所得 = 総売上(収入)− 必要経費(売上原価を含む)

最大の注意点は「売れた分だけが経費(売上原価)」

せどりで最も間違えやすいのが仕入れの扱いです。経費にできる仕入れ(売上原価)は、その年に「売れた商品」の仕入れ額だけです。仕入れたけれど年末時点で売れ残っている商品は「在庫(棚卸資産)」として翌年以降に繰り越し、売れた年の経費になります。「仕入れた金額をすべて経費にできる」と勘違いすると、所得を過少に計算してしまうので要注意です。

項目 金額 備考
総売上 40万円 プラットフォーム入金前の販売額
売上原価(売れた分の仕入れ) −20万円 売れ残りは在庫として繰越
販売手数料・送料・梱包材など −8万円 下のリストの諸経費
所得(利益) 12万円 20万円以下なので所得税の申告は不要(住民税申告は必要)

このように、売上だけを見て「20万円を超えたから申告」と判断するのではなく、経費を引いた所得で判定します。日々の入出金を記録しておくことが、正確な申告と節税の第一歩です。

せどりで経費にできるもの一覧【2026年版】

せどり・物販で経費にできる主な費用を、勘定科目とともに整理しました。「事業のために使ったかどうか」が経費の基本判定です。

勘定科目 せどりでの具体例
売上原価(仕入高) その年に売れた商品の仕入れ代金
支払手数料 フリマ・ECの販売手数料、振込手数料、決済手数料
荷造運賃 発送送料、ダンボール・封筒・緩衝材などの梱包資材
旅費交通費 店舗仕入れの電車代・ガソリン代・駐車場代
通信費 インターネット回線、スマホ料金(事業使用分のみ)
消耗品費 プリンタ用紙、ラベル、文房具、低額のPC周辺機器など
水道光熱費 自宅作業の電気代など(事業使用割合で按分)
地代家賃 在庫保管・作業スペース分の家賃(家事按分)、トランクルーム代
新聞図書費・研修費 せどり関連の書籍、有料ツール、セミナー費用

家賃・光熱費・スマホ代は「家事按分」で一部のみ

自宅でせどりをしている場合、家賃・電気代・通信費などは私生活と兼用しているため、全額は経費にできません。事業で使っている割合(面積比・使用時間比など)で按分した分だけを経費にします。たとえば家賃10万円のうち、在庫置き場と作業スペースが部屋の20%なら、月2万円を地代家賃として計上する、といった考え方です。按分の根拠(面積・時間など)は説明できるようにしておきましょう。

経費にできないもの

  • プライベートで使う飲食・私服・日用品など、事業と関係のない支出
  • 自分への給料(個人事業主は「事業主貸」となり経費にならない)
  • 所得税・住民税そのもの(経費ではない)

仕入れ・送料・手数料を抑える工夫も実質的な利益アップにつながります。仕入れ先選びは物販の仕入れ先おすすめ|国内・海外サイトと選び方2026、販売手数料の比較はフリマアプリ比較2026|メルカリ・ラクマ・Yahoo!フリマ手数料と使い分け、発送コストの最適化はメルカリの発送方法比較|最安の送り方早見表2026が参考になります。

青色申告と白色申告・開業届の関係

確定申告には「白色申告」と「青色申告」があります。節税メリットが大きいのは青色申告ですが、利用には事業所得として申告できることと、事前の手続き・帳簿付けが必要です。

控除額 主な要件
青色65万円 複式簿記+貸借対照表の添付に加え、e-Taxによる電子申告または優良な電子帳簿の保存
青色55万円 複式簿記で記帳し、貸借対照表・損益計算書を添付(紙の申告など)
青色10万円 簡易簿記(単式)でもOK。複式簿記の要件を満たさない場合
白色申告 特別控除なし。帳簿の記帳・保存は必要

※青色申告特別控除の要件は2026年6月11日時点。後述のとおり2027年(令和9年)分から見直し予定。

「事業所得」と「雑所得」の違い

青色申告(最大65万円控除・赤字の損益通算・繰越)を使えるのは、せどりが事業所得に該当する場合です。副業の規模が小さいと「雑所得」と判定され、青色申告の特典は使えません。

2022年10月に国税庁が通達を改正し、収入金額にこだわらず「帳簿書類の保存があるかどうか」を重視して事業所得か雑所得かを判定する考え方が示されました。おおむね年間の収入が300万円以下でも、帳簿を付けて保存していれば事業所得として扱われやすくなります。逆に帳簿がないと、規模が小さい副業は雑所得とされやすい点に注意しましょう(最終的には事業としての実態で総合判断されます)。

開業届と青色申告承認申請書の提出期限

  • 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書):事業開始日から1か月以内に税務署へ提出。提出は無料で、青色申告を行う前提として出しておくのが基本です。
  • 青色申告承認申請書:青色申告をしたい年の3月15日まで(その年の1月16日以後に新規開業した場合は開業日から2か月以内)に提出。この期限を過ぎると、その年は青色申告ができず白色申告になります。




2026年の税制改正で押さえるポイント

2026年に申告・準備をするうえで知っておきたい改正点です(2026年6月11日時点の情報。最新は国税庁の案内を確認してください)。

基礎控除の引き上げ(2025・2026年分の暫定措置)

令和7年度税制改正により、所得税の基礎控除が引き上げられました。合計所得金額が132万円以下なら基礎控除95万円(改正前は一律48万円)、132万円超336万円以下は88万円などと、所得に応じて変わります。これは2025年・2026年分の2年間限定の暫定措置で、2027年(令和9年)以降は所得にかかわらず一律58万円に統一される予定です。あわせて給与所得控除の最低保障額も55万円から65万円へ引き上げられています。

少額減価償却資産の特例(青色申告者)

10万円以上の備品(高性能PCや撮影機材など)は本来、減価償却で数年に分けて経費化します。ただし青色申告者は特例により、一定額未満なら購入年に全額経費にできます。取得価額の上限は、2026年3月31日までの取得は30万円未満、2026年4月1日以降の取得は40万円未満に拡充されました(この特例は2029年3月31日までの取得が対象、年間合計300万円が上限)。

青色申告特別控除の今後の見直し

令和8年度税制改正大綱では、2027年(令和9年)分から「紙で申告した場合の55万円控除」が10万円に縮小される一方、優良な電子帳簿の保存とe-Taxによる申告を満たす人向けに新たに75万円控除を設ける方針が示されています。今後はe-Tax+電子帳簿が前提になっていくため、早めに会計ソフトとe-Taxに慣れておくと安心です。

住民税で会社にバレないための注意点

副業が会社に知られる主な原因は住民税です。副業の所得が増えると住民税額も上がり、会社が給与から天引き(特別徴収)している住民税が他の社員より高いことで気づかれる、という流れです。

対策として、確定申告書の第二表「住民税・事業税に関する事項」で、住民税の徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」に丸を付ける方法があります。これにより副業分の住民税の納付書が自宅に届き(普通徴収はおおむね年4回・6月/8月/10月/翌年1月の納期)、本業の給与天引きとは切り離せます。

注意:普通徴収が必ずできるとは限らない

普通徴収への切り替えの可否は自治体によって運用が異なります。とくに副業がアルバイト・パートなど「給与所得」の場合は、原則として勤務先による特別徴収が義務付けられており、本業の会社へ通知が行く可能性が高い点に注意が必要です。せどり・物販のような事業所得・雑所得であれば普通徴収を選びやすい傾向があります。心配な場合は、お住まいの市区町村の住民税窓口に確認しましょう。

申告しないとどうなる?ペナルティ

申告が必要なのに行わなかったり、期限に遅れたりすると、本来の税金に加えてペナルティが課されます(2026年6月11日時点の税率)。

種類 内容
無申告加算税 原則、納付税額の15%(50万円を超える部分は20%、300万円を超える部分は30%)。税務調査の事前通知前に自主的に期限後申告すれば5%に軽減
延滞税 納期限の翌日から2か月以内は年2.4%、2か月を超える期間は年8.7%(令和7年中の割合)

フリマアプリやECの取引履歴は記録に残り、税務署も把握しやすくなっています。「少額だからバレない」と考えず、利益が出たら正しく申告するのが結局いちばん安全で得です。

確定申告の手順とおすすめツール

  1. 記録を集める:仕入れ・販売・手数料・送料などの明細、領収書・レシート、各プラットフォームの取引履歴をそろえる
  2. 帳簿を付ける:売上・経費・在庫(棚卸)を整理。青色申告なら複式簿記
  3. 申告書を作成:国税庁「確定申告書等作成コーナー」や会計ソフトで作成
  4. 提出:原則として翌年の2月16日〜3月15日(土日の場合は翌平日)までにe-Taxまたは税務署へ。住民税の普通徴収を選ぶなら第二表の記入を忘れずに

帳簿付けは、銀行・カード・フリマアプリと連携できる会計ソフト(freee、マネーフォワード クラウド確定申告、弥生の青色申告 など)を使うと、複式簿記の知識が浅くても青色申告にチャレンジしやすくなります。副業全体の選び方や始め方は在宅でできる副業おすすめランキング2026|スマホ・初心者OKも参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 自分の不用品を売っただけでも申告が必要?

A. 生活用動産(自分が使っていた衣類・家具・日用品など)を売った利益は、原則として非課税で申告不要です。ただし、転売目的で仕入れて売る「せどり・物販」の利益は課税対象になります。1個30万円を超える貴金属・宝石・美術品などは不用品でも課税される場合があります。

Q. 領収書をなくしました。経費にできませんか?

A. クレジットカードの明細、銀行の振込記録、プラットフォームの取引履歴などでも支出を証明できる場合があります。交通費など領収書が出ないものは、日付・経路・金額・目的を記録した出金伝票やメモで対応します。日頃から記録を残す習慣が大切です。

Q. 開業届を出すと会社にバレますか?

A. 開業届の提出自体が会社へ通知されることはありません。会社に伝わる主因は住民税なので、確定申告で「普通徴収」を選ぶなどの対策が中心になります。ただし就業規則で副業が禁止・許可制の会社もあるため、規定の確認はしておきましょう。

Q. せどりの売上は消費税やインボイスに関係しますか?

A. 課税売上が一定規模(基準期間の課税売上1,000万円超など)になると消費税の課税事業者になります。副業の小規模なせどりでは当面は免税事業者であることが多いですが、取引先からインボイス(適格請求書)を求められるケースもあります。規模が大きくなったら税理士などに相談しましょう。

まとめ

  • 会社員の副業せどりは所得(売上−経費)が年20万円超で確定申告。20万円以下でも住民税申告は必要
  • 仕入れは売れた分だけが経費。送料・手数料・梱包材・按分した家賃なども経費にできる
  • 帳簿を付けて事業所得にすれば青色申告で最大65万円控除。開業届・青色申告承認申請書の期限に注意
  • 会社バレ対策は住民税の普通徴収。無申告はペナルティが重いので必ず申告を

本記事は2026年6月11日時点で公的機関・税務関連の情報をもとに作成した一般的な解説です。税制や控除額は改正される場合があり、個別の判定は状況により異なります。実際の申告にあたっては国税庁の公式情報やお住まいの自治体、税理士など専門家に最新情報をご確認ください。

最終更新日: 2026-06-11





コメント

“せどり・物販の確定申告と経費|会社員の副業で気をつける点” への2件のフィードバック

  1. […] 副業で一定額を稼いだら確定申告も視野に入ります。経費や申告の基本はせどり・物販の確定申告と経費が参考になります。Web制作系で単価を上げたい人はWeb制作で副業を始める方法、スキルを体系的に身につけたいならプログラミングスクールおすすめ比較2026もあわせてどうぞ。コツコツ型の在宅収入ならポイントサイトおすすめ比較2026も併用候補です。 […]

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