2026年末調整で手取り増|基礎控除62万と特定親族控除の対象

2026年9月10日 公開

結論を先に

2026年分の年末調整から基礎控除が本則58万円→62万円に引き上げ(特例と合わせ最大104万円相当)、給与所得控除の最低保障額も引き上げられます。19〜23歳の子がいる人向けの「特定親族特別控除」も対象に。1〜11月の給与は今まで通りで、12月の年末調整でまとめて還付される形です。定額減税のような一律給付はありません。

2026年分年末調整で手取りが増える 基礎控除62万円と特定親族特別控除

画像出典: 本記事作成の図解(国税庁公表資料をもとに作成)




2026年の年末調整で何が変わる?

2025年(令和7年)の税制改正で決まった控除拡大が、いよいよ2026年分の所得税に本格反映されます。ポイントは大きく3つで、いずれも「税金の計算から差し引ける金額(控除)が増える=課税される所得が減る=手取りが増える」方向の変更です。

① 基礎控除の引き上げ
本則58万円→62万円。特例と合わせ、所得が低いほど最大104万円相当まで拡大
② 給与所得控除の最低保障額アップ
65万円→69万円(特例で最大74万円)
③ 特定親族特別控除の適用
19〜23歳の子などがいる人向けの新しい控除

これらにより、給与収入ベースでの課税最低限(税がかからないライン)は178万円まで引き上がるとされています。制度の詳細は年末調整2026年の変更点の解説でも確認できます。




基礎控除が62万円へ(最大104万相当)

基礎控除は、誰でも一律に所得から差し引ける控除です。2026年分は本則が58万円→62万円に上がり、さらに2026・2027年分限定の特例加算で、合計所得が低い人ほど控除額が大きくなります。

2026年分の基礎控除早見表 合計所得別104万円67万円62万円

画像出典: 本記事作成の図解(国税庁公表資料をもとに作成)

合計所得 489万円以下
基礎控除 104万円(本則62万+特例42万)
489万円超〜655万円以下
基礎控除 67万円
655万円超〜2,350万円以下
基礎控除 62万円(従来は58万円)

多くの会社員が該当する所得層でも、従来の58万円から数万円〜数十万円ぶん控除が増えるため、その分だけ課税所得が減り税負担が軽くなります。

給与所得控除の最低保障額も引き上げ

給与所得控除は、会社員の「経費」にあたる控除です。その最低保障額(収入が少ない人に保障される最低ライン)が引き上げられました。

給与所得控除の最低保障額が65万円から69万円へ引き上げ

画像出典: 本記事作成の図解(国税庁公表資料をもとに作成)

従来の65万円から本則69万円へ、さらに2026・2027年分の特例で給与190万円以下の人は74万円まで保障されます。パート・アルバイトなど給与収入が比較的少ない人ほど、この引き上げの恩恵を受けやすくなります。基礎控除の拡大と合わせて「働く壁」が広がる形です。




特定親族特別控除とは?19〜23歳の子がいる人向け

今回とくに知っておきたいのが「特定親族特別控除」です。これは19歳以上23歳未満の子など(=大学生年代の扶養親族)がいる人向けの控除です。

特定親族特別控除の対象は19歳以上23歳未満の子 控除額最大63万円

画像出典: 本記事作成の図解(国税庁公表資料をもとに作成)

子のアルバイト収入が多くても控除が残る

従来は、子のアルバイト収入が扶養の枠(いわゆる103万円の壁など)を超えると、親側の扶養控除が一気にゼロになる仕組みでした。特定親族特別控除では、子の収入が一定額を超えても、親の控除が段階的に減っていくため、「壁」を越えた瞬間に世帯の手取りが急減する現象が緩和されます。控除額は所得に応じて最大63万円です。

扶養親族の所得要件も緩和

あわせて、扶養親族として認められる合計所得の要件も58万円以下→62万円以下(給与収入の目安で136万円以下)に緩和されます。子や親を扶養に入れている人は、対象範囲が広がる点も確認しておきましょう。




いつ手取りが増える?12月にまとめて還付

ここが最大の勘違いポイントです。控除が拡大しても、毎月の給与から引かれる源泉徴収額は当面変わりません。

年末調整で手取りが増えるのは12月 改正後税額表は2027年1月から

画像出典: 本記事作成の図解(国税庁公表資料をもとに作成)

2026年1〜11月の給与
改正前の税額表で計算。毎月の手取りは基本的に変わらない
2026年12月の年末調整
拡大した控除でまとめて再計算。多くの人は還付(戻り)が増える
改正後の税額表
2027年1月以後の給与に反映

つまり「今月から手取りが増えた実感がない」のは正常で、効果が出るのは年末調整のタイミングです。定額減税のような一律のお金がもらえるわけではない点も押さえておきましょう。

年収別・手取りはいくら増える?

実際の増加額は所得や家族構成で変わりますが、考え方はシンプルです。「増えた控除額 × あなたの所得税率(+住民税分)」が、おおまかな軽減額の目安になります。

試算の考え方(会社員・基礎控除の増加分)

基礎控除が58万円→62万円で4万円増えた場合、所得税率10%の人なら所得税で約4,000円、税率20%の人なら約8,000円の軽減。特例加算でさらに控除が増える所得層や、給与所得控除・特定親族特別控除も重なる人は、還付額がより大きくなります。

大学生の子がいて、その子のバイト収入が扶養の枠を超えていた世帯では、特定親族特別控除が効くため年末調整の戻りが例年より目立って増えるケースもあります。正確な金額は勤務先の年末調整結果で確認してください。

「106万円の壁」とは別の話です

ニュースでよく聞く各種の見直しと混同されがちですが、今回の基礎控除・給与所得控除の拡大は「所得税の控除」の話で、社会保険の加入ラインである「106万円の壁」とは別軸です。

よくある勘違い

Q. 毎月の給料がすぐ増える?
A. いいえ。反映は12月の年末調整から
Q. 全員が同じ額もらえる?
A. いいえ。所得・家族構成で軽減額は異なる(定額減税ではない)
Q. 社会保険料も安くなる?
A. 今回は所得税・住民税の控除の話で、社会保険料の負担は別

やること・向かない人

会社員は基本的に、年末調整の書類(扶養控除等申告書など)を正しく提出するだけで自動的に反映されます。特別な申請は不要ですが、下記だけは注意しましょう。

やること
子の年齢・収入、扶養親族の状況を年末調整書類に正しく記入する
正直な注意点
毎月の手取りは増えないので「実感が薄い」。恩恵は年1回の還付に集約される

なお、そもそも所得税を納めていない(課税所得がない)人は、控除が増えても差し引く税金がないため直接の恩恵はほぼありません。この改正で最も得をするのは、これまで普通に所得税を納めていた層です。

Xでの反応

手取りや減税への関心は高く、年末調整での還付に期待する声の一方、毎月の負担感を訴える声も目立ちます。

「手取りを増やす政策はどうなってるの?とにかく減税してほしい」

— Xより(2026-09-09)

「物価も社会保険料も上がるなか、控除拡大でも実感が追いつかない」

— Xより(2026-09-09)

あわせて読みたい

年末調整2026の書き方|基礎控除104万円・扶養・生保の記入ポイント

まとめ

2026年分の年末調整では、基礎控除の62万円への引き上げ(特例で最大104万円相当)、給与所得控除の最低保障額アップ、19〜23歳の子がいる人向けの特定親族特別控除が反映されます。ポイントは「毎月の給与ではなく12月の年末調整でまとめて精算される」こと。定額減税のような一律の給付ではなく、これまで所得税を納めていた人ほど恩恵が大きい仕組みです。会社員は年末調整の書類を正しく出せば自動反映されるので、子の収入・扶養状況の記入だけは丁寧に確認しておきましょう。正確な軽減額は勤務先の年末調整結果や国税庁の情報で確認してください。

あわせて読みたい

参考・出典





コメント

“2026年末調整で手取り増|基礎控除62万と特定親族控除の対象” への1件のフィードバック

  1. […] 基礎控除の引き上げ分は、会社が12月の年末調整で自動計算します。申告書の金額が正しければ、払いすぎた源泉所得税が12月給与または賞与で戻ってきます。制度全体の手取りの変化は、年末調整2026の基礎控除62万円と特定親族特別控除の解説や、基礎控除改正の全体像で確認できます。 […]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です