(2026年10月8日 公開)
個人向け国債の10月募集が10月8日から始まりました。利率は変動10年が2.05%、固定5年が2.39%、固定3年が2.07%で、3タイプすべてが2%台に乗っています。同じ国債でも、買う証券会社によって受け取れる現金特典が変わり、売るタイミング次第で手取りも大きく変わります。この記事では、どのタイプをどこで買うのが得かを数字で整理します。
- 利率だけで選ぶなら、固定5年(2.39%)が3タイプ中で最も高い。
- 購入額が500万円以上なら、SMBC日興証券の現金特典が大きい。ただし特典はタイプ選びの決め手にならない(1,000万円で変動10年と固定5年の特典差は3,000円、利率差は年約3.4万円)。
- 募集は10月30日(金)まで、発行日は11月16日(月)。1年以内に使う資金は向かない。
10月募集の利率と募集期間
10月募集分の初回適用利率は次のとおりです。税引後は利子にかかる20.315%の税金を差し引いた数字です。
画像出典: マイナビニュース
3タイプとも年0.05%の最低金利保証があり、元本割れはありません。変動10年の利率は「基準金利×0.66」、固定5年は「基準金利-0.05%」、固定3年は「基準金利-0.03%」で決まります。
いつからいつまで買えるか
画像出典: SMBC日興証券
募集期間と発行日は財務省の個人向け国債の募集中ページで確認できます。月末までに申し込めば同じ利率で買えるため、開始日に急ぐ必要はありません。ただし証券会社の現金特典には期限と条件があるので、次章で確認してください。
変動10年と固定5年・3年の選び方
3タイプの違いは、利率が動くかどうかと、お金を預ける期間です。1,000万円を買った場合の年間利子を試算すると、次のようになります(初回の利率が続いた場合の概算)。
変動10年が固定5年に追いつく条件
変動10年は初回2.05%で、固定5年より0.34ポイント低い状態でスタートします。1,000万円なら年間で税引前3.4万円の差です。変動10年が5年固定を上回るには、半年ごとの適用利率が上がって、5年間の平均が2.39%を超える必要があります。利率が上がり続ける局面なら変動が有利ですが、横ばいなら固定5年が上、下がれば差はさらに開きます。
タイプ別の向き不向き
どこで買うと得か|現金特典を購入額別に比較
利率と元本は、どの金融機関で買っても同じです。買付手数料もかかりません(購入代金のみ)。差が出るのは、証券会社が独自に用意する現金やポイントの特典だけです。
SMBC日興証券|500万円以上で現金特典が大きい
画像出典: SMBC日興証券
キャンペーン期間は2026年9月3日〜10月30日で、エントリー不要の自動参加です。対象は10月募集分の変動10年(第199回)・固定5年(第187回)・固定3年(第197回)で、購入額に応じて現金がもらえます。特典の上限はありません。
画像出典: SMBC日興証券
特典を購入額に対する割合で見ると、1,000万円で変動10年が0.16%、固定5年が0.13%、固定3年が0.10%です。1回限りの上乗せなので、利率の差(固定5年と変動10年で年0.34%)と比べると小さく、特典のためにタイプを変える意味は薄いと言えます。現金の入金は10月募集分で12月中旬の予定です。
SBI証券|デビュー特典は9月募集分で終了
SBI証券の個人向け国債デビューキャンペーンは、2017年以降に個人向け国債を買っていない人が対象で、エントリーが必要です。公式ページでは9月募集分(2026年9月29日14:00)で終了と案内されています。10月募集は10月8日16:00開始と案内されていますが、10月分の特典は確認できていません。参考までに9月募集分の条件は、1,000万円で変動10年10,000円・固定5年7,000円・固定3年5,000円(種類ごとに上限25万円)でした。
楽天証券|ポイント派向け
楽天証券は現金特典ではなく、ハッピープログラムのポイントが目安になります。債券の約定金額3万円につき1ポイント程度で、1,000万円なら約333ポイント相当です。現金で16,000円もらえるSMBC日興証券に比べると小さいものの、楽天ポイントを貯めている人には使いやすい選択肢です(条件は公式ページで確認)。
購入額別のおすすめ
落とし穴と向かない人
中途換金は1年経過後で、直前2回分の利子が差し引かれる
個人向け国債は発行から1年経過すれば、1万円単位でいつでも中途換金できます。ただし換金時には「直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」の中途換金調整額が差し引かれます。利率が変わらないと仮定した1,000万円の変動10年(2.05%)では、約16.3万円です。これは1年間に受け取る税引後の利子とほぼ同じ金額なので、1年ちょうどで売ると、その1年分の利子の手取りはほぼ消える計算になります。元本は割れませんが、短期の運用には向きません。
SMBC日興証券は売却すると特典が減る
SMBC日興証券のキャンペーンでは、購入額から「売却した個人向け国債(全銘柄の合計額面)」が差し引かれて特典額が決まります。10月募集分の差引対象期間は2026年10月1日〜11月12日です。この期間に別の個人向け国債を売却すると、特典が減ったり対象外になったりします。
画像出典: SMBC日興証券
口座の種類で対象外になることがある
SMBC日興証券は、銀行など登録金融機関を通じて開設した口座を対象外としています(三井住友銀行仲介口座とインターネット支店は対象)。SBI証券も金融商品仲介業者の経由先によっては対象外です。複数口座の購入額は合算されません。
- 1年以内に使う可能性がある資金(発行から1年は中途換金できない)
- 物価上昇率を超える利回りを求める人(3タイプとも税引後は1.6〜1.9%台)
- 特典目当てで他の個人向け国債を頻繁に売買する人(売却額が差し引かれる)
買い方の手順とよくある疑問
買い方の手順
Q. 3つのタイプは併用できる?
併用できます。5年は使わない資金を固定5年に、いつか使うかもしれない資金を変動10年に分けるといった組み合わせも可能です。ただしSMBC日興証券とSBI証券の特典は、種類ごとの購入額で判定され、合算されません。
Q. 元本が減ることはある?
満期まで持てば額面どおり戻り、価格変動もありません。中途換金時も元本は割れませんが、前述の調整額が差し引かれます。
Q. 次の募集はいつ?
11月募集は11月9日〜30日の予定です。利率は募集開始日の前営業日に財務省が公表します。最新は財務省の個人向け国債ページで確認できます。
Xでの反応
10月分の利率が発表された10月7日以降、次のような声が見られました。
変動10年の初回利率が固定3年を下回る点に注目する声と、固定5年の高さを評価する声が目立ちました。
まとめ
- 10月募集は変動10年2.05%、固定5年2.39%、固定3年2.07%で、全タイプ2%台。
- 募集は10月30日まで、発行日は11月16日。
- 利率で選ぶなら固定5年。上昇に賭けるなら変動10年。
- 500万円以上ならSMBC日興証券の現金特典が有力だが、売却額が差し引かれる点に注意。
- 1年以内に使う資金は避ける。中途換金は直前2回分の利子が差し引かれる。
画像出典: 財務省
※利率・募集期間・特典条件は変更される場合があります。購入前に財務省および各証券会社の公式サイトで最新情報を確認してください。試算は初回の利率が続いた場合の概算で、実際の受取額を保証するものではありません。

コメントを残す