(2026年9月3日 公開)
日本年金機構から2026年9月1日以降、緑色の封筒に入った「年金生活者支援給付金請求書」がはがきの形で届き始めている。年金だけで生活する人向けに毎年上乗せされる給付金で、対象になるかどうかは所得基準で決まり、はがきが届いた人は提出しないと受け取れない。
結論: 2026年9月1日から基礎年金受給者のうち新規に対象となった人へ請求はがきを順次発送。老齢の場合は65歳以上・世帯全員市町村民税非課税・前年所得が826,500円以下(昭和31年4月2日以後生まれ)などが要件で、基準額は月5,620円(令和8年度・前年度比170円増)。はがきは電子申請または郵送で提出でき、2027年1月4日までに届けば2026年10月分からさかのぼって受け取れる。
目次
- ・このはがきは何?送付時期と対象者
- ・対象になる人は?所得基準を確認
- ・いくらもらえる?給付額の計算方法
- ・はがきが届いたらやること
- ・提出期限はいつまで?
- ・障害年金・遺族年金を受けている人の場合
- ・提出が遅れるといくら損する?
- ・こんな人は注意・向かないケース
- ・よくある質問
- ・まとめ
このはがきは何?送付時期と対象者
年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入やその他の所得が一定基準額以下の年金受給者の生活を支援するために、年金に上乗せして支給される制度。2019年10月に始まり、今回届くのは「令和8年度版」の請求はがき。日本年金機構は基礎年金を受給している人のうち、新たに給付金を受け取れることになった人に対して、2026年9月1日(火曜)から順次はがきを発送すると発表した。
はがきは緑色の封筒で届き、目隠しシールで個人情報を隠す仕様になっている。すでに給付金を受け取っている人には別のお知らせ(支給金額改定通知書など)が届く仕組みで、今回のはがきは新規対象者向け。
画像出典: 日本年金機構・厚生労働省「年金生活者支援給付金請求書の提出をお願いします!」リーフレット(令和8年度版)
対象になる人は?所得基準を確認
老齢年金生活者支援給付金の支給要件は次の3つをすべて満たすこと。(1)65歳以上で老齢基礎年金を受けている、(2)請求者本人を含む世帯全員の市町村民税が非課税、(3)令和7年の年金収入金額とその他の所得の合計が基準額以下であること。基準額は生年月日で分かれる。
昭和31年4月2日以後生まれの方
826,500円以下 → 老齢年金生活者支援給付金
826,500円を超え926,500円以下 → 補足的老齢年金生活者支援給付金
昭和31年4月1日以前生まれの方
824,100円以下 → 老齢年金生活者支援給付金
824,100円を超え924,100円以下 → 補足的老齢年金生活者支援給付金
障害年金・遺族年金を受けている人の所得基準は後述するが、老齢とは計算式が異なる点に注意したい。なお障害年金・遺族年金などの非課税収入は、この所得判定には含まれない。
いくらもらえる?給付額の計算方法
老齢年金生活者支援給付金の基準額は月5,620円(令和8年度・前年度の5,450円から170円、3.2%の引き上げ)。ただし全員が一律5,620円もらえるわけではなく、保険料納付済期間と保険料免除期間の組み合わせで金額が変わる。
| 期間区分 | 月額単価(昭和31年4/2以降生まれ) |
|---|---|
| 保険料納付済期間 | 5,620円 × 納付済期間/480月 |
| 保険料全額・3/4・1/2免除期間 | 11,768円 × 免除期間/480月 |
| 保険料1/4免除期間 | 5,884円 × 免除期間/480月 |
この2つの額を合算したものが老齢年金生活者支援給付金の月額になる。免除期間分の単価(11,768円)は納付済期間分(5,620円)より高いため、40年フル納付の人より、免除期間を含む人のほうが受給額が大きくなるケースがある。補足的老齢年金生活者支援給付金は、この納付済期間分の額に「(926,500円-前年の年金収入金額とその他の所得の合計)÷100,000円」で求める調整支給率を掛けて計算する。
障害年金生活者支援給付金は障害等級1級で月7,025円、2級で月5,620円。遺族年金生活者支援給付金は月5,620円で、2人以上の子が遺族基礎年金を受け取っている場合は子の人数で割った額がそれぞれに振り込まれる。
はがきが届いたらやること
手続きは4ステップ。(1)同封のはがきを切り取り線に沿って切り離し、氏名・電話番号・提出日を記入する、(2)目隠しシールを貼り、切手を貼って差出人欄を記入したうえで郵便ポストに投函する、(3)支給要件を満たしていれば支給決定通知書と振込通知書が届く(振込通知書は初回振込月の上旬)、(4)年金と同じ口座に、原則偶数月15日にその前月までの2カ月分が年金とは別に振り込まれる。
添付書類は原則不要。市町村から提供される所得情報などで支給要件を自動判定するため、はがきに記入して投函するだけでよい(所得情報を確認できない場合のみ追加書類を求められることがある)。スマートフォンとマイナンバーカードがあれば電子申請も可能で、同封のリーフレットに手順が案内されている。
画像出典: 日本年金機構・厚生労働省 年金生活者支援給付金リーフレット(令和8年度版・令和8年8月時点)
提出期限はいつまで?
はがきには個別の提出期限が印字されており、まずはその期限までの投函を目指したい。ただし期限を過ぎても手続き自体は可能で、2027年1月4日までに届けば2026年10月分までさかのぼって受け取れる。2027年1月4日までに届かなかった場合は、請求した月の翌月分からの支給となり、それより前の月分は受け取れなくなる。給付額は毎年度、物価変動に応じて改定(物価スライド改定)され、改定時は「支給金額(改定)通知書」が送られる。
障害年金・遺族年金を受けている人の場合
障害年金生活者支援給付金は、障害基礎年金を受けていて、令和7年の所得が「4,918,000円+扶養親族の数×38万円」以下であることが要件(同一生計配偶者のうち70歳以上の者・老人扶養親族は48万円、特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族は63万円で計算)。遺族年金生活者支援給付金も同じ所得基準で、遺族基礎年金を受けていることが要件になる。いずれも障害年金・遺族年金などの非課税収入は所得判定に含まれない点は老齢の場合と同じ。
支給要件を満たさなくなった場合は給付金を受け取れなくなり、その際は「年金生活者支援給付金 不該当通知書」が送られる。また日本国内に住所がない、年金が全額支給停止、刑事施設等に拘禁されている、のいずれかに該当する場合は給付金を受け取れず、届出が必要になる。
提出が遅れるといくら損する?
基準額の月5,620円をもとに試算すると、2027年1月4日の期限を過ぎてから提出した場合、2026年10月分・11月分・12月分の3カ月分(単純計算で5,620円×3=16,860円相当)がさかのぼって受け取れなくなり、実際に振り込まれるのは請求した月の翌月分からになる。はがきは家族が「よくわからない書類」として放置してしまうケースもあるため、届いたらまず氏名・電話番号・提出日の3項目だけでも早めに記入して投函するのが実質的な取りこぼし防止策になる。
もう一つの見落としがちな点は、保険料免除期間の扱い。免除期間分の月額単価(11,768円)は納付済期間分(5,620円)よりも高く設定されているため、「保険料をきちんと納めてきた人のほうが得」とは限らない。過去に免除申請をしていた期間がある人は、通知書に記載された内訳を確認しておくと、想定より受給額が多いことに気づける場合がある。
こんな人は注意・向かないケース
この給付金は「所得基準を満たす人だけ」が対象で、世帯の誰か一人でも市町村民税が課税されていれば対象外になる。年金額自体が多い人や、同居家族の課税状況によっては、年金収入が少なくても対象から外れることがあるので、「年金が少ないから当然もらえる」と思い込まず、はがきが届いていない場合は無理に電子申請ページを探して手続きしようとしない(そもそも対象外の可能性が高い)。逆に、はがきが届いたのに「怪しい書類かも」と処分してしまうと、正当な受給機会を失う。差出人が日本年金機構・厚生労働省であることをはがき自体で確認したうえで手続きすれば問題ない。
よくある質問
年金生活者支援給付金のはがきはいつ届く?
日本年金機構が基礎年金受給者のうち新たに給付金を受け取れることになった人へ、2026年9月1日(火曜)から順次発送している。
提出期限を過ぎたら受け取れない?
はがき記載の期限を過ぎても手続き自体は可能。ただし2027年1月4日までに届かなかった場合、支給は請求した月の翌月分からとなり、2026年10月分からさかのぼる権利は失われる。
給付額はいくら?
老齢は月5,620円を基準額に保険料納付済期間・免除期間で計算した額。障害年金生活者支援給付金は1級が月7,025円、2級と遺族年金生活者支援給付金は月5,620円。
添付書類は必要?
原則不要。市町村から提供される所得情報などで支給要件を判定するため、はがきに記入して投函するだけでよい。所得情報を確認できない場合のみ追加書類を求められることがある。
まとめ
2026年9月1日から届き始めた年金生活者支援給付金の請求はがきは、対象になれば老齢で月5,620円前後、障害1級で月7,025円が年金に上乗せされる。所得基準は生年月日で異なり、世帯全員の市町村民税非課税が前提条件になる。添付書類は原則不要で、電子申請または郵送で手続きでき、2027年1月4日までに届けば2026年10月分からさかのぼって受け取れる。はがきを放置すると受け取れる月数が減るため、届いたら早めの記入・投函が実質的な取りこぼし防止になる。不明点は給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)で確認できる。
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参考・出典
※本記事の給付額・所得基準は2026年9月時点の公式リーフレット(令和8年度版・令和8年8月時点)に基づきます。制度の詳細・最新情報は日本年金機構公式サイトでご確認ください。
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