子供が3人以上いる「多子世帯」は、所得制限なしで大学等の授業料・入学金が無償になる制度が拡充されています。2026年度からは、入学前に申し込む「予約採用」も新たに対象に加わりました。対象者の条件、支援額、申込み手順を文部科学省の公式資料をもとにまとめました。
目次
制度の全体像
正式名称は「高等教育の修学支援新制度」の多子世帯支援です。子供を3人以上扶養している世帯であれば、所得に関わらず(所得制限なし)、大学・短期大学・高等専門学校(4〜5年)・専門学校に通う学生の授業料・入学金が無償になります。令和7年度(2025年度)から拡充された制度で、2026年度からは入学前に申し込める「予約採用」が新たに対象に加わりました。

画像出典: 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」多子世帯支援資料
採用時には学修意欲があれば認められますが、採用後は毎年、学修意欲と成績の両方が確認される点も押さえておきましょう。
対象となる条件(ケース別)
「多子世帯」とは、扶養する子供が3人以上の世帯を指します。子供を3人以上同時に扶養している間に大学等に在学している子供は、全員が支援対象になります。逆に、第1子が卒業・就職などで扶養から外れて扶養する子供が2人になった場合は、その時点で多子世帯の要件から外れ、支援は終了します。

画像出典: 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」多子世帯支援資料
第1子が支援対象になります。
第1子・第2子の2人とも支援対象になります。
大学等に在学する子供が支援対象になります(大学院生は本制度の対象外)。
扶養する子供が2人になるため多子世帯の要件から外れ、第2・第3子は支援対象外になります(申込み時点によっては引き続き支援を受けられる場合あり)。
子供の扶養人数は、学生本人と生計維持者のマイナンバーを通じて税情報から確認され、毎年12月31日時点の情報が基準になります。
申込みの手順
申込みは在学する(進学予定の)学校を通じて日本学生支援機構(JASSO)に行います。2026年度からのポイントは、次の2つの採用区分があることです。
入学前に申し込む方式。高校3年時の4月下旬から在籍する高校を通じて申込みが始まります。
すでに大学等に在学している学生が対象。春(4月)または秋(9月)から在籍する学校を通じて申込みが始まります。
具体的な提出書類・締切日は学校ごとに案内されるため、高校または進学先の大学等の窓口で早めにスケジュールを確認しておくことをおすすめします。
支援金額の目安
支援額は学校の種類・国公立か私立かによって上限が異なります。いずれも返還不要で、学生本人に現金が支給されるのではなく、学校の入学金・授業料が減免される仕組みです。
入学金28万円・授業料54万円(4年間で最大244万円)
入学金26万円・授業料70万円(4年間で最大306万円)
入学金17万円・授業料39万円
入学金25万円・授業料62万円
入学金8万円・授業料23万円
入学金13万円・授業料70万円
入学金7万円・授業料17万円
入学金16万円・授業料59万円

画像出典: 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」多子世帯支援資料
注意点・落とし穴
扶養人数は毎年12月31日時点で判定される
扶養する子供の人数は、マイナンバーを通じた税情報により、毎年12月31日時点の情報を基準に確認されます。年の途中で第1子が就職して扶養から外れるなど状況が変わると、翌年の判定で多子世帯の要件から外れる可能性があります。
大学生年代のアルバイト年収に注意
いわゆる「103万円の壁」の見直しを踏まえ、令和8年10月分の判定から、大学生年代(19歳以上23歳未満)は年収160万円以下であれば扶養する子供としてカウントされることになりました。19歳未満・23歳以上は123万円以下が基準のままです。個人事業主(フードデリバリー配達員など)は事業所得95万円以下が基準になります。アルバイトのシフトを増やしすぎると、扶養する子供のカウントから外れて多子世帯の要件を満たせなくなる可能性があるため注意しましょう。

画像出典: 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」多子世帯支援資料
大学院生は対象外
本制度の対象は大学・短期大学・高等専門学校・専門学校の学生で、大学院生は対象に含まれません。扶養する子供としてカウントされる場合でも、大学院に進学した子供本人への支援は別制度(貸与型奨学金など)を確認する必要があります。
よくある質問
A. 扶養する子供が3人以上いる世帯の学生が対象です。所得制限はありません。対象校は大学・短期大学・高等専門学校(4〜5年)・専門学校で、学修意欲があれば採用され、採用後は学修意欲と成績を毎年確認されます。
A. 2025年度(令和7年度)はすでに在学している学生向けの「在学採用」のみが対象でしたが、2026年度からは入学前に申し込む「予約採用」も新たに対象に加わりました。予約採用は高校3年時の4月下旬から申し込みが始まります。
A. 私立大学の場合、入学金26万円・授業料70万円が上限で、4年間では入学金26万円+授業料70万円×4年=最大306万円が支援されます。国公立大学は入学金28万円・授業料54万円が上限です。短期大学・高等専門学校・専門学校はそれぞれ異なる上限額が設定されています。いずれも返還不要で、学生本人に現金が渡るのではなく学校の授業料等が減免される仕組みです。
A. 第1子の卒業・就職などで扶養する子供の数が2人以下になった場合、その時点で「多子世帯」の要件から外れ、支援は終了します。ただし申込み時点によっては引き続き第2子以降も支援を受けられる場合があるほか、多子世帯に該当しなくなっても現行制度の世帯年収に応じた支援を受けられる可能性があります。
A. 大学生年代(19歳以上23歳未満)は、いわゆる「103万円の壁」見直しを踏まえ、令和8年10月分の判定から年収160万円以下であれば扶養する子供としてカウントされます。19歳未満・23歳以上は123万円以下が基準です。個人事業主(フードデリバリー配達員など)は事業所得95万円以下が基準になります。
A. 在学する(予定の)学校を通じて日本学生支援機構(JASSO)に申し込みます。予約採用は高校3年時の4月下旬から、在学採用は春(4月)または秋(9月)から受付が始まります。具体的な提出締切は学校ごとに異なるため、在籍校(進学予定校)の窓口で早めに確認してください。
まとめ
子供3人以上の多子世帯は、所得制限なしで大学等の授業料・入学金が無償になります。2026年度からは入学前の「予約採用」も新たに対象になり、高校3年時の4月下旬から申込みが始まります。支援額は私立大学で最大306万円(4年間)。扶養人数は毎年12月31日時点で判定され、アルバイト収入や第1子の就職などで要件から外れることもあるため、在籍校・進学予定校の窓口で早めに条件と締切を確認しておきましょう。
あわせて読みたい
- 高校無償化2026年4月開始|私立45万7200円の支給額と申請方法
- 高校生等奨学給付金2026年度|対象拡大と支給額・申請方法まとめ
- 106万円の壁が2026年10月撤廃|対象者と手取りへの影響まとめ
※ 本記事の情報は2026年7月26日時点の文部科学省公表資料に基づきます。申込み締切や必要書類は学校ごとに異なるため、最新情報は在籍校(進学予定校)または文部科学省・日本学生支援機構(JASSO)の公式発表でご確認ください。

コメントを残す