2026年10月31日 公開
2025年9月に閉園した札幌市南区の「ノースサファリサッポロ」に出されていた除却命令の期限が、10月31日に来ました。園内にはまだ建物と約220頭の動物が残っています。期限を過ぎた今、何が決まっていて、何がまだ決まっていないのか。棟数の推移を時点ごとに並べ、11月2日の立入検査から先の見通しを整理します。
結論
- 札幌市が出した除却命令(37棟)の期限は10月31日。園内に建物は残り、完全撤去はできていない
- 残っている建物は25棟(市の10月9日の立入検査)。運営会社は22棟(10月30日の説明)としており、調べた主体と日が違う
- 市は11月2日に立入検査を行い、その後の対応を決める。刑事告発や行政代執行は「状況によっては検討」の段階で、決定ではない
- 園内には約220頭の動物(9月末時点)。移送先が決まっていないことが、撤去が進まない最大の理由とされている
画像出典: 作成: tinpanblog.com(札幌市の発表・HBC・HTB・UHB・STVなどの報道にもとづく)
目次
- 10月31日時点の現状
- 違法建築物の棟数の推移(時点別)
- 25棟と22棟、数字が違う理由
- 閉園から撤去期限までの流れ
- 期限後はどうなる? 11月2日以降
- 約220頭の動物の行方
- 確定していること・決まっていないこと
- この記事で分からないこと
- よくある質問
- まとめ
10月31日時点の現状
ノースサファリサッポロは、市街化調整区域で都市計画法や建築基準法の許可を得ないまま建物を建て続け、約20年営業してきた民間動物園です。2025年9月30日に閉園しました。札幌市は2026年3月23日、運営会社の「サクセス観光」に対し、獣舎や宿泊施設など37棟を10月31日までに撤去するよう除却命令を出しています。
期限当日の10月31日午前には、園内に重機が入る様子が敷地の外から確認されました。ただ、HBCの報道では多くの建物が残ったままです。運営会社は10月30日のHBCの取材に「動物関連のものが残り今すぐの撤去は難しい。年内も厳しい」と話しています。
札幌市の秋元克広市長は、除却に向けて一番ネックになっているのは動物の移送だとして、動物の移送も含めて早期に対応するよう行政指導を続ける考えを示しています(10月29日のHTB・STVの報道)。
違法建築物の棟数の推移(時点別)
棟数は、いつ・誰が数えたかで値が変わります。報道と札幌市の資料で確認できた数字を、時点つきで並べます。
| 2024年3月 | 156棟(札幌市の資料) |
| 2024年12月 | 183棟(札幌市の資料。ここが最多) |
| 2025年9月 | 122棟(閉園時点。10月3日に撤去を勧告) |
| 2026年1月 | 38棟(市の立入調査) |
| 2026年3月5日 | 37棟(3月23日の除却命令の対象) |
| 2026年7月 | 27棟(市の立入検査) |
| 2026年10月9日 | 25棟(市の立入検査。HTB・STV・UHB) |
| 2026年10月30日 | 22棟(運営会社の説明。HBC) |
2024年12月の183棟から2026年10月の25棟まで、約10か月で大きく減りました。運営会社は審査請求で「約1年で建築物は7割以上撤去している」と主張していました(UHB)。一方で、市は「20年近く指導してきた中で違法建築物の数が増えた」こと、37棟は他の事案と比べても多いことを、除却命令を出した理由に挙げています(STV)。
なお、2024年の2つの数字と2025年9月の122棟は、札幌市の資料にもとづくとしてJC-NETが整理した値です。市が公表した原資料そのものは今回確認できていません。
25棟と22棟、数字が違う理由
いま報じられている残りの棟数には、25棟と22棟の2つがあります。どちらかが誤りというより、数えた主体と日が違います。
10月9日から30日の間に3棟が撤去された可能性はありますが、そう断定できる資料はありません。市の立入検査で数えるのは「除却命令の対象となった違法建築物」ですが、運営会社の22棟がその範囲と同じかどうかも、報道からは分かりません。11月2日の立入検査の結果で、市が示す数字がはっきりします。
閉園から撤去期限までの流れ
画像出典: 作成: tinpanblog.com(札幌市の発表・HBC・HTB・UHB・STVなどの報道にもとづく)
市が期限を10月末にした理由について、開発指導課の坪田修一課長は、動物の移送は春先と秋口でないとできないと運営会社から聞いたことなどを総合的に判断した、と説明しています(3月23日・STV)。
期限後はどうなる? 11月2日以降
画像出典: 作成: tinpanblog.com(札幌市の発表・HBC・HTB・UHB・STVなどの報道にもとづく)
11月2日の立入検査
札幌市は期限後の11月2日に、旧園内への立入検査を行う予定です。残っている建物の棟数と、動物の移送の状況を確認し、そのうえで今後の対応を検討するとしています(STV・HTB・UHB)。現時点で、検査の結果を受けた対応の中身は発表されていません。
刑事告発と行政代執行
除却命令に従わない場合、都市計画法では1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められています(読売新聞)。UHB・FNNは、市が状況によっては刑事告発などを検討していると伝えています。STVは、市が強制的に撤去する行政代執行に踏み切る可能性にも触れています。
ただし、これらはいずれも「検討する」という段階で、市が実施を決めたという報道は10月31日時点ではありません。行政代執行は所定の手続きを踏んで行われ、費用は事業者に請求される仕組みです。期限を過ぎたからといって、すぐに強制撤去が始まるとは限りません。
運営会社の提訴の可能性
運営会社の代理人弁護士は、10月2日の裁決を受けて提訴を検討するとしていました。10月31日時点で、提訴が行われたという報道は見当たりません。
約220頭の動物の行方
画像出典: 作成: tinpanblog.com(札幌市の発表・HBC・HTB・UHB・STVなどの報道にもとづく)
札幌市によると、9月末時点で園内に約220頭の動物が残っています。動物の管理と飼育は、東京の投資会社が設立した新会社「北海道アニマルワールド」が引き継いでいます。HBCの取材に運営会社代表は、動物がどこへ移るのか、いつまでに移るのかは現状では伝えられないと話しています。
運営会社は、残る22棟を動物の檻や餌の保管に必要な最低限の建物だと説明しており、「年内も厳しい」と話す背景には移送先が決まらないことがあります。市は期限を10月末と判断した理由に、移送できるのは春先と秋口という運営会社側の説明を挙げています。
確定していること・決まっていないこと
画像出典: 作成: tinpanblog.com(札幌市の発表・HBC・HTB・UHB・STVなどの報道にもとづく)
この記事で分からないこと
- 11月2日の立入検査の結果(棟数・動物の頭数)は、この記事の時点では出ていません。分かり次第、更新します。
- 市が公表した原資料(棟数の一覧など)は確認できていません。数字は報道と、市の資料にもとづくとされる二次情報によります。
- ノースサファリサッポロは閉園しており、園内の見学や入園はできません。後継施設の開設日や場所も未発表です。
最新の状況を知りたい人は、下の出典に挙げた各局の報道を見てください。法的な見通しの断定や、運営会社・市のどちらかの肩を持つ記述は、この記事では行いません。
よくある質問
まとめ
除却命令の期限は10月31日に過ぎ、園内には建物と約220頭の動物が残っています。残りの棟数は市の調べで25棟(10月9日)、運営会社の説明で22棟(10月30日)です。次の節目は11月2日の市の立入検査で、刑事告発や行政代執行は「検討」の段階にとどまります。動物の移送先が決まるまで、完全な撤去は難しい状況が続いています。
同じように、観光・レジャー施設の経営や運営をめぐる話題は、ジャングリア沖縄の資金繰りをめぐる30日の会見もあわせてどうぞ。動物園の話題では、天王寺動物園のポーラーベアコーストや、東武動物公園のドズル社コラボを紹介しています。
本記事の内容は2026年10月31日時点の報道にもとづきます。最新の状況は札幌市や各報道機関の発表で確認してください。
参考・出典
- HTB北海道ニュース「【期限せまる】ノースサファリ、除却期限前日も建物や動物残る」(10月30日)
- HBCニュース「除却命令の期限迎える 運営会社「すぐの撤去は難しい。年内も厳しい」」(10月31日)
- UHB「あすに迫る撤去期限 無許可建築物の…」(10月30日)
- STVニュース北海道「ノースサファリあす撤去期限 動物220頭…どうなる?」(10月30日)
- UHB「今月末が撤去期限…運営会社の行政不服審査請求」(10月2日)
- STVニュース北海道「残された動物は200以上…除却命令の期限10月末」(3月23日)
- 読売新聞「ノースサファリに札幌市が除却命令」(3月23日)
- 読売新聞「ノースサファリの動物受け入れへ、札幌の会社が新施設計画」(10月28日)
- 北海道情報 JC-NET「除却命令、取消請求を棄却」(棟数の推移)
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