2026年7月28日に中央最低賃金審議会が全国加重平均1,176円(現行1,121円から+55円、4.9%増)の引き上げ目安を答申したのに続き、8月に入り各都道府県の地方最低賃金審議会が続々と独自の答申を出しています。宮城県・栃木県・埼玉県・千葉県・愛知県では、国の目安を上回る「上乗せ答申」が判明しました。この記事では、2026年8月7日時点で答申が公表されている都道府県別の最低賃金額と、いつから反映されるのかを整理してまとめます。
- 全国目安と、目安を上回った5県の具体的な引き上げ額
- 答申が判明した都道府県の一覧(2026年8月7日時点)
- 答申から発効(適用開始)までの流れと、実際に反映される時期
- パート・アルバイトなど雇用形態別の対象範囲
令和8年度 最低賃金改定の全体像

最低賃金は毎年、まず国の「中央最低賃金審議会」が都道府県をA〜Cランクに分けて引き上げの「目安」を示し、その目安をベースに各都道府県の「地方最低賃金審議会」が実際の金額(答申額)を決定するという2段階の仕組みで改定されます。2026年度は次の目安が示されました。
目安はあくまで「参考額」で、実際の答申額は都道府県ごとに上回ることも、目安どおりになることもあります。2026年度は8月上旬にかけて答申が順次公表されており、8月9日時点で22都道府県の金額が判明しています。
都道府県別の答申額一覧(2026年8月7日時点)
ここまでに答申が判明した都道府県のうち、目安を上回った「上乗せ答申」の5県と、目安どおりの決定となった主要県を分けて整理します。
目安を上回った5県(上乗せ答申)



目安どおりの決定となった主要都道府県

このほか、神奈川県・北海道・岐阜県・三重県・大阪府・兵庫県・香川県も、目安どおりの引き上げ額で答申が公表されています。
- 新潟県: 目安を2円上回る+58円の答申
- 群馬県: +57円の答申
- 長野県: +56円の答申(目安どおり)
- 富山県: 目安を1円上回る+57円の答申
- 石川県: 目安を3円上回る+59円の答申(1,054円→1,113円、10月3日発効予定)
- 滋賀県: 目安どおり+56円の答申(1,080円→1,136円、10月3日発効予定)
- 和歌山県: 目安どおり+56円の答申(1,045円→1,101円、10月3日発効予定)
- 鳥取県: 目安を4円上回る+60円の答申(1,030円→1,090円、10月3日発効予定・宮城県と並び引き上げ額最大)
- 岡山県: 目安を1円上回る+57円の答申(1,047円→1,104円、10月2日発効予定)
2026年8月9日時点で答申が判明したのは22都道府県。今回追加された5県のうち、和歌山県・滋賀県以外は目安を上回る「上乗せ答申」となりました。
全47都道府県の答申はまだ出そろっておらず、8月中旬にかけて残りの府県も順次公表される見込みです。お住まいの都道府県がまだ判明していない場合は、都道府県労働局の公式発表や地元紙の報道をあわせて確認してください。
対象になるのは誰?雇用形態・企業規模別の注意点
最低賃金は正社員だけでなく、次のように働き方を問わず適用されます。
対象となる働き方
- 正社員・契約社員はもちろん、パート・アルバイト・学生バイトも対象
- 勤務先の事業場が所在する都道府県の金額が適用される(在住地ではなく勤務地基準)
- 複数の都道府県に事業所を持つ会社でも、勤務する事業場ごとに金額が異なる
地域別最低賃金と特定最低賃金の優先関係
今回の答申は「地域別最低賃金」ですが、鉄鋼業・電子機器製造業など一部の産業には別途「特定最低賃金」が定められている場合があります。両方が適用される事業場では、金額が高いほうが優先されます。特定最低賃金の改定時期は地域別最低賃金とは別に決まるため、該当する業種で働く人は自分の業種の特定最低賃金も確認しておくと安心です。
中小企業向けの支援策
賃上げに対応する中小企業・小規模事業者向けには、生産性向上の設備投資などにかかった費用の一部を補助する「業務改善助成金」が用意されています。急な人件費増加が負担になる事業者は、管轄の労働局や商工会議所の窓口で相談できます。
決定から適用までの流れ

今回公表されているのはあくまで地方審議会の「答申」段階で、正式な決定ではありません。実際に金額が適用されるまでには、次の手続きが残っています。
- 1. 中央最低賃金審議会が全国目安を答申(2026年7月28日終了)
- 2. 地方最低賃金審議会が都道府県ごとに審議・答申(8月上旬にかけて順次)
- 3. 答申に対する意見公募(パブリックコメント)
- 4. 労使双方からの異議申立て手続き(異議が出た場合は再審議されることもある)
- 5. 都道府県労働局長が正式決定・官報で告示
- 6. 発効(実際の適用開始)(例年10月1日が目安だが都道府県により前後する)
異議申立てで答申額が変更されるケースは近年少ないものの、正式な確定額と発効日は官報告示を待つ必要があります。給与明細で実際に反映されているかは、発効日以降の給与で確認しましょう。
引き上げでいくら変わる?ケース別シミュレーション
時給が引き上げられると、月々の収入にどれくらいの差が出るのか、代表的な働き方でシミュレーションしました(いずれも税・社会保険料控除前の額面)。
実際の増加額は勤務時間・シフトによって変わります。自分の時給と週の勤務時間を当てはめて、大まかな増加額の目安として参考にしてください。
注意点・見落としやすいポイント
意見公募・異議申立ての手続きが残っており、正式な確定は都道府県労働局長による官報告示を待つ必要があります。
8月9日時点で判明しているのは22都道府県分です。未公表の道府県は今後の発表を確認してください。
例年10月1日が目安ですが、都道府県ごとの官報告示のタイミングにより発効日が前後することがあります。
該当する産業で働く場合は、地域別最低賃金より高い特定最低賃金が優先されることがあります。
在住する都道府県ではなく、実際に働く事業場が所在する都道府県の金額が適用されます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 最低賃金はいつから新しい金額になりますか?
都道府県労働局長による正式決定・官報告示を経て発効します。例年の目安は10月1日ですが、都道府県ごとに数日〜1週間程度前後することがあります。
Q2. 答申額が今後さらに変わることはありますか?
答申後には意見公募・異議申立ての手続きがあり、制度上は答申額から変更される可能性があります。ただし近年は答申どおりに正式決定されるケースが大半です。
Q3. パート・アルバイトも最低賃金の対象ですか?
はい。雇用形態にかかわらず、すべての労働者に最低賃金が適用されます。
Q4. 自分の働く都道府県の答申がまだ発表されていません。
全47都道府県の答申は8月中旬にかけて順次公表される見込みです。お住まいの都道府県労働局の発表や地元報道を確認してください。
Q5. なぜ都道府県によって目安を上回る答申が出るのですか?
地方最低賃金審議会は、地域の物価動向や賃金実態などを踏まえて独自に審議するため、国の目安を上回る金額で答申することがあります。2026年度は宮城・栃木・埼玉・千葉・愛知の5県で上乗せ答申が判明しています。
Q6. 最低賃金より低い時給で働かされている場合はどうすればよいですか?
最低賃金額を下回る賃金設定は労働基準法違反にあたります。まずは勤務先に確認し、改善されない場合はお近くの労働基準監督署に相談できます。
Q7. 地域別最低賃金と特定最低賃金、どちらが優先されますか?
両方が適用される場合は、金額が高いほうが優先して適用されます。
2026年度の最低賃金は、全国目安の加重平均1,176円(+55円)に対し、宮城県・栃木県・埼玉県・千葉県・愛知県で目安を上回る答申が判明しました。答申はまだ手続き途中の段階で、正式な確定額と発効日は官報告示で確認する必要があります。全都道府県の答申が出そろうまで、今後も情報の更新が続く見込みです。
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※本記事の金額は2026年8月7日時点で公表されている地方最低賃金審議会の答申額をもとにしています。正式な決定額・発効日は今後の官報告示で変更される可能性があるため、最新情報は厚生労働省や各都道府県労働局の公式発表でご確認ください。

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