サクラやウメ、モモの木を内側から食い荒らす特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」について、2026年10月24日に長期の分布拡大予測が報じられました。国の予備費から約32億円を充てる対策も10月6日に閣議決定されたばかりです。この記事では、予測の中身、予算の使い道、見分け方、見つけたときの連絡先を整理します。
2050年の分布拡大予測
秋田魁新報の10月24日付報道によると、国立環境研究所と日本工業大のチームが、クビアカツヤカミキリの将来の分布を試算しました。対策が停滞した場合、2050年までに本州と四国のほぼ全域に広がり、九州にも侵入すると見込まれています。長期の分布予測は初めてとみられると伝えられています。
試算では、成虫が自力で飛ぶ分に加えて、車などに紛れて数十キロ単位で運ばれる分散も織り込まれています。2012年に愛知県で初めて被害が見つかってから、被害が確認された都道府県は22に増えています。

予備費32億円の使い道
日経・共同・TBSの報道では、政府は10月6日の閣議で、2026年度予備費から約32億円をクビアカツヤカミキリ対策に充てることを決めました。内訳は次のとおりです。
同じ日に環境省は、特定外来生物防除等対策事業の追加公募も始めました。国の予算を使った事業は、自治体を通じて現場に届く仕組みです。
和歌山県の例:産卵防止ネットに4分の3を補助
和歌山新報によると、和歌山県は10月23日、国の補助金を使った緊急対策を発表しました。総事業費は1億1,804万6,000円で、目合い0.3ミリの産卵防止ネットに4分の3、被害調査の支援に2分の1の補助が付きます。

補助の対象や申請の窓口は都道府県・市町村ごとに異なります。果樹農家の方は、自分の自治体の案内を直接確認してください。
見分け方:成虫・フラス・脱出孔
成虫は2〜4cmほどで、胸部が赤く体は光沢のある黒です。ただ、成虫が見られるのは6〜8月が中心で、いま(10月)探すなら木の根元や幹に出る「フラス」が手がかりになります。
フラス:幼虫の糞と木くずが混ざったもの
幼虫が木の中で食べ進むと、糞と木くずが混ざったフラスが幹の穴から押し出されます。形はかりんとうのように細長く、色は赤茶色です。幹に沿って積もったり、根元に溜まったりします。



脱出孔:長さ2〜3cmの楕円形
成虫が木から出てきた跡は、長さ2〜3cmの楕円形の穴になります。幼虫は主に4〜10月に活動し、この時期にフラスを出します。

被害を受けやすいのは、サクラ、ウメ、モモ(ハナモモを含む)、スモモ、アンズです。
2. 樹皮に長さ2〜3cmの楕円形の穴がある
3. 6〜8月に、胸部が赤い黒い大型のカミキリムシがいる
見つけたときの連絡先と注意点
まず守ること
連絡先の例
ほかの都道府県は、「お住まいの都道府県名+クビアカツヤカミキリ」で自治体のページを探すか、市区町村の環境担当課に問い合わせてください。
自治体が行う防除の方法
東京都環境局の案内では、主な防除方法は次の4つです。
1年の動きと見回りの時期
東京都環境局のライフサイクル図によると、成虫と産卵は6〜8月ごろ、幼虫は2年にわたって木の中で過ごします。幼虫が活動するのは主に夏から秋と、翌年の春から秋です。冬は活動が止まります。

フラスは幼虫が活動する4〜10月に出るため、これから冬に向かうと見つけにくくなります。庭木や近所の桜並木を確認するなら、今月中が目安です。
この記事の限界
2050年の分布は、研究チームが「対策が停滞した場合」を前提に置いた試算です。32億円の対策が効けば、実際の広がりはもっと小さくなる可能性があります。年数や地域は目安として読んでください。
また、サクラ・ウメ・モモなどの木が身近になく、果樹園や公園の管理にも関わらない方にとっては、直接の被害はほぼありません。この記事がとくに役立つのは、庭に対象の樹木がある方、果樹農家、桜並木や公園の近くに住む方です。個人で駆除や伐採まで行うのは難しいので、通報して自治体に任せるのが基本です。
よくある質問
まとめ
予算額や補助の条件は変更される場合があります。最新情報は各自治体・環境省・農林水産省の公式ページで確認してください。

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