高市早苗首相は2026年10月29日、12月から2027年2月使用分の電気・ガス料金を補助すると表明しました。電気は1キロワット時あたり12月が1円、1月・2月が4.5円で、標準的な家庭で3か月あわせて「7千円程度の負担の引き下げ効果」と説明しています。この記事では、いつから・いくら・対象・申請の要否・3月以降の扱いを、報道で確認できた範囲で整理します。
(2026年9月19日公開/2026年10月29日 最終更新:首相の表明を反映)
結論(10月29日の首相表明)
対象は2026年12月〜2027年2月使用分。電気(低圧)の補助単価は12月が1円/kWh、1月・2月が4.5円/kWh。標準的な家庭で3か月計約7,000円の負担減とされています。当初は1〜3月を念頭に検討していましたが、首相は「寒さが本格化する12月に前倒しして支援を開始する」としました。
3月分は未定(「エネルギー価格の動向などを見極め検討する」)。都市ガスの単価は共同通信・東京新聞の報道に記載がなく、資源エネルギー庁の正式発表待ちです。
ただし12月分は電気1円と小さく、毎月500kWh使う家庭でも500円です。恩恵の大半は1月・2月使用分に集中します。
ここまでの経緯
10月21日に共同通信が「政府が冬の電気・ガス補助の検討に入った」と報道(1〜3月使用分が念頭)、10月22日に木原稔官房長官が「適切に対応したい」と言及。そして10月29日に首相が期間と電気の単価を表明し、12月への前倒しが決まりました。
目次
- 結論:2026年10月29日時点でわかっていること
- いつから?対象期間と補助単価
- 月別にいくら安くなる?電気の試算
- 昨冬との違いと「約7,000円」の中身
- 対象になる人・ならない人
- 申請は必要?いつの請求から安くなる?
- 3月以降はどうなる?
- 落とし穴と向かない人
- 電気ガス補助金とはどんな制度か
- 制度の対象になる世帯・事業者の範囲
- 過去の補助実績を比較する
- 今まさに電気代が急騰している理由
- これまでの経緯:10月21日の検討報道から首相表明まで
- 申請不要だからこそ注意したい落とし穴
- 補助ありなしでどれくらい差が出るか
- 使用量別の負担増はいくらになるか
- 世帯人数別:補助なしだと月いくら負担が増える?
- 今すぐできる対策は?
- まとめ
結論:2026年10月29日時点でわかっていること
- 対象期間は2026年12月〜2027年2月使用分の3か月(共同通信・東京新聞・ANN)
- 電気の補助単価は12月が1円/kWh、1月・2月が4.5円/kWh。標準的な家庭で3か月計約7,000円の負担減と首相が説明
- 2027年3月分は未定。気候やエネルギー価格の動向をみて改めて判断
- 都市ガス・LPガスの単価・扱いは今回の報道に記載なし。資源エネルギー庁の正式発表を待つ段階
- 過去の同制度は申請不要で、電力・ガス会社が請求額から自動で値引き。LPガス(プロパンガス)は過去の制度で対象外
いつから?対象期間と補助単価
首相は10月29日、官邸で記者団に、電気・ガス料金の補助を12月から2027年2月までの3か月間実施すると述べました。10月21日の時点では2027年1〜3月使用分が念頭にあるとされていましたが、「寒さが本格化する12月に前倒しして支援を開始する」と方針が変わり、3月分は外れた形です(共同通信、東京新聞)。
補助単価が「低圧」か「高圧」かは報道では明記されていませんが、4.5円/kWhは昨冬の低圧(一般家庭)と同じ水準です。一般家庭の契約は低圧にあたります。都市ガスについては、当サイトが10月29日22時ごろに確認した時点で、資源エネルギー庁の特設サイト(電気・ガス料金支援)は夏の支援の内容のままで、今冬分の単価は掲載されていませんでした。数字が公表され次第、この記事を更新します。
月別にいくら安くなる?電気の試算
報道で確認できた電気の単価(12月1円・1月2月4.5円)に使用量を掛けると、電気だけで次のようになります。毎月同じ使用量を仮定した当サイトの試算です。
画像出典: 当サイト作成(共同通信の報じた単価をもとに試算)
計算式は「使用量 × 補助単価」です。同じ使用量でも12月は1月・2月の約4分の1以下しか値引きされません。冬の電気は1月・2月がピークのため、補助の大半もこの2か月に集中する設計です。
昨冬との違いと「約7,000円」の中身
昨冬(2026年1〜3月使用分)の支援は、電気が1・2月4.5円/3月1.5円、都市ガスが1・2月18円/3月6円でした。資源エネルギー庁は、2人以上世帯の平均使用量(1月529kWh・48㎥、2月527kWh・42㎥、3月452kWh・41㎥)で計算して3か月約7,300円と試算していました(資源エネルギー庁「エネこれ」)。
画像出典: 当サイト作成(共同通信・資源エネルギー庁の公表内容をもとに作成)
今冬の「約7,000円」は、どの使用量・どのガス単価で計算したのかが報道に出ていません。参考までに当サイトで推計すると、電気だけで、12月を500kWh、1月529kWh・2月527kWh(昨冬の公式試算と同じ平均)とした場合は約5,250円です。仮に1・2月の都市ガスが昨冬と同じ18円/㎥なら、同じ平均使用量(48㎥・42㎥)で約1,620円が加わり、合計約6,870円と「7千円程度」に近い数字になります。ただしこれは推計で、実際の想定使用量やガス単価は発表されていません。
- 昨冬と同じ点:電気の1月・2月分の単価(4.5円/kWh)
- 昨冬と違う点:12月分が加わり、3月分が現時点で入っていない。12月の電気単価は1円と小さい
- 金額感:昨冬の公式試算(約7,300円)と今冬の首相説明(約7,000円)は近い水準です。内訳(ガス単価・想定使用量)は未発表です
対象になる人・ならない人
今回の発表では対象世帯の細かい条件は報道されていません。過去の同制度(「電気・ガス料金支援」)では次のとおりでした。今冬分も同様かは、正式発表で確認が必要です。
- 対象だった:一般家庭、および年間契約量1,000万㎥未満の企業などで、電気・都市ガスを利用している人(所得制限なし)
- 対象外だった:LPガス(プロパンガス)の利用者(資源エネルギー庁の夏の支援の案内に明記)
- オール電化:電気の使用量が多いため、値引き額は大きくなる
- 10月・11月使用分:今回の対象は12月使用分から。10月・11月分には遡らない
申請は必要?いつの請求から安くなる?
過去の制度では申請は不要で、契約中の電力会社・ガス会社が請求額から自動で値引きしました。今回の報道には申請手続きの記載がありませんが、同じ「電気・ガス料金支援」の枠組みなら不要の見込みです。申請を求める連絡があれば詐欺を疑ってください(後述)。
反映のタイミングは、検針日で決まります。資源エネルギー庁の夏の支援の案内では「7月使用分とは、原則として7月中の検針日から8月中の検針日までの使用に係る分」と説明されていました。同じ数え方なら、12月使用分は12月の検針日から1月の検針日までの使用分です。たとえば検針日が毎月5日の家庭は、12月5日〜1月5日の使用分が12月使用分になり、1月分の請求書で値引きが表示される計算です(今冬の扱いは正式発表で確認してください)。
3月以降はどうなる?
首相は3月分について、「エネルギー価格の動向などを見極め検討する」と述べています。ANN(テレビ朝日系)は、2027年3月以降は気候やエネルギー価格の動向を踏まえて改めて判断すると伝えました(ANN・Yahoo!ニュース)。昨冬は3月も支援が入りましたが、今冬の3月分は現時点では対象に入っていません。3月の請求が補助なしになる前提で家計を組み、延長が決まった場合に上乗せで助かる、という見方が安全です。
落とし穴と向かない人
- 12月の恩恵は小さい:12月は電気1円/kWhで、毎月260kWhなら260円、500kWhでも500円です。「12月から再開」でも、12月の請求額が目に見えて下がるわけではありません
- 1・2月に集中:7,000円の大半は1月・2月使用分で受け取る形で、実際の請求額が下がる実感は1月請求分以降になります
- 値引き前の単価が上がる可能性:10月は東京電力管内の標準家庭の電気代が過去最高水準と報じられるなど、補助が戻っても請求総額が下がるとは限りません
- LPガス利用・電気の使用量が少ない人は金額が小さい:LPガスは過去の制度で対象外でした。一人暮らしで月200kWh前後なら、電気の補助は3か月で2,000円程度です(月200kWhなら200円+900円+900円)
補助と関係なく電気代を抑えたい場合の見直しは、冬の節電プログラム2026の記事も参考になります。
電気ガス補助金とはどんな制度か
正式名称は「電気・ガス料金支援」で、経済産業省 資源エネルギー庁が実施している負担軽減策です。電気・都市ガスの使用量に応じて、契約している電力・ガス会社が請求額から自動的に値引きを行う仕組みで、利用者側からの申請手続きは必要ありません。
直近の支援内容(2026年7〜9月使用分)
2026年5月25日、高市総理大臣が「中東情勢を踏まえた令和8年度補正予算等について」の記者会見で、電気・ガス料金への支援強化を表明。使用量が増える夏場(7〜9月使用分)を対象に、以下の単価で値引きが実施されました。
※電気「高圧」(主に企業向け契約)は低圧より単価が低く設定されています(7・9月分1.8円/kWh、8月分2.3円/kWh)。
制度の対象になる世帯・事業者の範囲
- 対象:一般家庭および年間契約量1,000万㎥未満の企業等で、電気・都市ガスを利用している人
- 対象外:プロパンガス(LPガス)利用者(今回の制度では値引き対象になりません)
- 手続き:申請不要。利用している電力・ガス会社が自動で値引きを行うため、契約者側で行うことは基本的にありません
過去の補助実績を比較する
この補助金は2023年以降、断続的に実施・終了を繰り返してきました。直近2回分の家庭向け実施内容を比べると、次のようになります。
※公表された値引き単価に使用量を掛けて当サイトで計算した目安です。使用量や契約プランによって実際の値引き額は変動します。正確な金額は検針票の使用量に単価を掛けて確認してください。
今まさに電気代が急騰している理由
報道によると、東京電力管内での10月使用分の電気代は、標準的な家庭で1か月あたり9,307円となり、9月から1,032円の値上がりで過去最高水準になったとされています。これは中東情勢の悪化による燃料調達コストの上昇に加え、9月使用分で終了した政府の値引き(補助金)の効果がなくなったことが主な要因とされ、ロシアによるウクライナ侵攻後の高騰以来、約4年ぶりの高水準という指摘もあります。
つまり、10月以降の電気代の請求書は「補助が乗っていない金額」であり、体感的な値上がり幅が大きく見えるのは、単価上昇と補助終了が重なったタイミングだからです。
これまでの経緯:10月21日の検討報道から首相表明まで
10月21日、共同通信が「政府は冬の電気・ガス料金を補助する方向で検討に入った」と報じ、対象は2027年1〜3月使用分が念頭、12月使用分への前倒しも検討とされました。10月22日には木原官房長官が「予備費の活用も含め、必要な時にはタイミングを逸することなく、与党をはじめ、さまざまな声を聞きながら適切に対応したい」と述べました。背景には、10月8日の参院代表質問で首相が「冬を迎える家計への追加支援については、エネルギー価格の変動が与える影響を注視した上で適切に対応する」と答弁していたこと、自民党の萩生田光一幹事長代行が10月18日のNHK番組で光熱費の検討に言及していたことがあります。
10月29日の表明で、検討段階から期間(12月〜2月)と電気の単価が確定しました。財源(予備費か補正予算か)の詳細や、都市ガスの単価は、今回の報道では確認できていません。
申請不要だからこそ注意したい落とし穴
この制度は申請が一切不要ですが、それを逆手に取った詐欺的な勧誘も報告されています。資源エネルギー庁は公式サイト上で、次のように注意喚起しています。
こんな連絡は詐欺の可能性大
- 値引きのために生年月日・住所・家族構成などの個人情報を求める電話
- 値引きの手続きとして手数料の支払いを求める電話やメール
- 経済産業省・資源エネルギー庁をかたる不審なメール
値引きを受けるために契約者側から行う手続きは一切なく、個人情報や手数料を求められることもありません。不審な電話・メールを受けた場合は対応せず、下記の公式窓口に相談してください。
補助ありなしでどれくらい差が出るか
上記の計算では、直近2回分(2026年1〜3月使用分と7〜9月使用分)で、電気260kWh・都市ガス30㎥を毎月使う家庭の値引きは合計約8,360円(3,990円+4,370円)になります。10月以降は補助が無い状態のため、これまで補助で相殺されていた分がそのまま請求額に上乗せされる形になります。特に電気の使用量が増える冬場(暖房需要)は影響が大きくなりやすいため、契約プランの見直しや省エネの工夫と合わせて、今後の補助再開の有無をこまめにチェックしておくと安心です。
あわせて読みたい
使用量別の負担増はいくらになるか
(2026年9月23日追記)
補助終了による値引き分の消失を、経済産業省・資源エネルギー庁の公表単価(9月使用分は電気3.5円/kWh、都市ガス14.0円/㎥)をもとに世帯の使用量別に単純計算すると、月あたりの負担増は次のようになる。
電気と都市ガスを併用しているオール電化以外の一般世帯では、電気約910円+都市ガス約420円で月あわせて約1,330円、年間では1万5,000円超の負担増になる計算だ。この金額は8月使用分(電気4.5円/kWh・都市ガス18.0円/㎥)の値引き幅よりも小さい単価をもとにした試算のため、8月並みの使用量だった月と比べると実際の値上がり感はさらに大きく感じられることもある。
世帯人数別:補助なしだと月いくら負担が増える?
(2026年10月21日追記)
電気料金比較サイトのセレクトラは、値引き単価(電気3.5円/kWh・都市ガス14円/㎥)をもとに、世帯人数別の月額負担増を次のように試算しています(2026年10月13日更新分)。
電気・ガスの金額を単価で割り戻すと、想定使用量は一人暮らしで電気180kWh・ガス15㎥、2〜3人世帯で電気350kWh・ガス30㎥、4人以上で電気500kWh・ガス50㎥です。自宅の検針票の使用量に「電気×3.5円」「ガス×14円」を掛ければ、自分の家庭の実質負担増を出せます。
補助が決まっても取り戻せない分がある
この負担増は「値引き単価が7〜9月と同じだった場合」の試算で、冬の補助の単価は未定です。また、従来の仕組みでは値引きは使用月の翌月の検針分に反映されます。この仕組みを当てはめると、仮に12月使用分から前倒しされた場合でも反映は1月請求分から、1〜3月使用分なら2〜4月請求分になります。報道で対象に挙がっているのは12月使用分以降で、10月使用分(11月請求)・11月使用分(12月請求)に遡る話は出ていません。つまり、この2か月分の負担増は補助が決まっても戻らない公算が高く、冬の電気・ガスは暖房で使用量が増える分、負担感は大きくなりがちです。
この試算が当てはまらない人
LPガス(プロパンガス)は今回の制度の対象外なので、ガスの負担増の列は関係ありません。また、オール電化など電気の使用量が多い世帯は、上の4人以上世帯の想定(月500kWh)を超えることがあり、本記事の「使用量別」の表(月600kWhで約2,100円)のほうが実態に近くなります。
関連記事:電気・ガス11月請求はいくら?託送料金の各社反映額 / 電気ガス補助金9月で終了|10月以降の家計負担 / 2026年11月から変わるお金の総まとめ
出典:セレクトラ「【2026年10月】電気・ガス補助金が終了」、共同通信「電気ガス1〜3月補助検討」(2026年10月21日)
今すぐできる対策は?
冬の補助再開が未定な以上、家計側でできる対策を先に打っておきたい。
- 電力・ガス会社の料金プランを見直す。新電力やセット割の有無で年間数千円〜1万円以上の差が出ることがある
- 契約アンペア数が実際の使用量に対して大きすぎないか確認する(基本料金の見直しにつながる)
- クレジットカード会社やキャリアが実施している公共料金の還元キャンペーンを活用する
- 申請不要の制度であることを踏まえ、「補助金の手続き代行」「還付金がある」等をうたう不審な電話・メールには応じない
電力・ガス会社の乗り換えは即効性があるとは限らず、解約金や契約期間の縛りがある場合もあるため、乗り換え前に現在の契約内容を確認しておく必要がある。
まとめ
- ・2026年12月〜2027年2月使用分の電気・ガス料金を補助(10月29日、首相表明)
- ・電気は12月1円/kWh、1・2月4.5円/kWh。標準家庭で3か月約7,000円の負担減(首相の説明)
- ・3月分は未定、都市ガス・LPガスの単価・扱いは報道に記載なし。正式発表を待つ
- ・申請は過去の制度で不要。個人情報・手数料を求める連絡は詐欺を疑う
- ・12月の電気の補助は小さく、恩恵は1月・2月使用分に集中する
参考・出典
- 12月から電気ガス7千円負担減 ガソリン補助金は縮小、首相表明(共同通信・Yahoo!ニュース、2026年10月29日)
- 12月から電気ガス7千円負担減 ガソリン補助金は縮小、首相表明(東京新聞)
- 電気・ガス支援とガソリン補助の見直し(ANN・Yahoo!ニュース、2026年10月29日)
- 2026年1〜3月の電気・ガス料金支援のQ&A(資源エネルギー庁「エネこれ」)
- 電気・ガス料金支援 特設サイト(経済産業省 資源エネルギー庁)
- 政府、電気・ガス補助の再開検討 来年1~3月 官房長官「タイミング逸することなく」(ANN・KSB)
- 木原官房長官 冬の電気・ガス支援“原油価格注視し適切対応”(NHK)
- 2026年1月、2月及び3月使用分の電気・ガス料金支援の実施について(経済産業省)
- 国による電気・ガス料金支援について(東京電力エナジーパートナー)
※本記事の制度内容・金額は2026年10月29日時点の報道に基づきます。試算は当サイトによるもので、実際の値引き額は契約内容や検針日により異なります。最新の実施状況や金額は、経済産業省 資源エネルギー庁の公式サイトなどで最新情報をご確認ください。

コメントを残す