消費者庁は10月28日、飯田グループホールディングスの子会社4社に、景品表示法に基づく課徴金納付命令を出しました。広告の「注文住宅No.1」という表示が、実際より著しく優良だと誤認させるものだったとされています。家づくりを検討中の人は、自分の契約に影響があるのか気になるところです。この記事では、消費者庁の資料をもとに、金額と違反の中身を整理します。
(2026年10月28日 公開)
・課徴金は4社で合計4億4,116万円。住宅情報館1億6,703万円、一建設1億2,439万円、アーネストワン1億1,283万円、飯田産業3,691万円
・違反とされたのは、「顧客満足度No.1」などの表示の根拠となった調査。利用経験を確認せず、サイトの印象を聞いただけだった
・命令は広告表示に関するもの。住宅の品質や契約の有効性について、消費者庁が判断したものではない
・納付期限は2027年5月31日
目次
- 何が起きたのか
- 4社の課徴金額
- 何が違反とされたのか
- 課徴金はどう計算されたのか
- 経緯と過去の措置命令
- 家づくりを検討中の人への影響
- 「No.1」表示を見るときの確認点
- この記事が向く人・向かない人
- よくある質問
- まとめ
何が起きたのか
消費者庁は2026年10月28日、注文住宅の建築請負を行う4社に対し、景品表示法8条1項に基づく課徴金納付命令を出しました。4社は、それぞれ飯田グループホールディングスと共同して注文住宅を供給する立場で、広告に「土地情報が豊富」「高品質なのにローコスト」「初めて住宅を建てる方におすすめ」の3項目でNo.1と表示していました。
消費者庁は、この表示を、実際に利用した人や知見のある人への調査で、飯田グループが1位になったかのように示すものだと認定しました。しかし、根拠の調査は客観的なものではなかったとされています。
画像出典: 消費者庁の報道資料(別紙1-1)の一部を切り出し
上の画像は、報道資料に添付された住宅情報館のチラシの一部です。欄外の小さな注記には「インターネット調査」「2022年1月 サイトのイメージ調査」と書かれていました。大きな「No.1」の見出しに対し、調査の中身は注記の部分に小さく書かれていた形です。
4社の課徴金額
画像出典: 当サイトが消費者庁の報道資料をもとに作成
4社の合計は4億4,116万円です。時事通信や共同通信は「約4億4,100万円」と伝えています。
何が違反とされたのか
消費者庁の資料によると、飯田グループホールディングスが調査会社に委託した調査は、次の点で客観的なものではありませんでした。
画像出典: 当サイトが消費者庁の報道資料をもとに作成
また、4社は調査結果が客観的なものか、表示と調査結果が対応しているかを十分に確認していませんでした。このため、「違反を知らなかった」という例外は認められていません。
課徴金はどう計算されたのか
優良誤認表示の課徴金は、対象となる役務の売上額に3%をかけて計算します。消費者庁の資料にある売上額で確認すると、命令額と一致します。
画像出典: 当サイトが消費者庁の報道資料をもとに作成
4社の対象売上額は、住宅情報館が約55.7億円、一建設が約41.5億円、アーネストワンが約37.6億円、飯田産業が約12.3億円で、合計は約147億円です。この3%が、合計約4.4億円にあたります。
ここでいう売上額は、表示をしていた期間だけではありません。表示をやめた日から6か月後までに契約した分が対象になります。今回は、住宅情報館が2022年9月26日まで、一建設・飯田産業・アーネストワンが2024年3月中旬までです。
経緯と過去の措置命令
画像出典: 当サイトが消費者庁・時事通信をもとに作成
時事通信によると、消費者庁は2024年2月に、飯田グループホールディングスを含む5社に、再発防止を求める措置命令を出していました。今回の課徴金は、その表示について金銭的な負担を課すものです。
時事通信によると、飯田グループホールディングス側は「多大な迷惑と心配をおかけし深くおわびする。命令を真摯に受け止め、法令順守の徹底と再発防止策に取り組む」とコメントしています。
家づくりを検討中の人への影響
今回の命令は、広告の表示が景品表示法に違反したというものです。すでに契約した住宅の品質や、契約の有効性について、消費者庁が判断したものではありません。当サイトで確認した範囲では、契約済みの人への返金や対応についての発表は、確認できていません。
契約内容や保証について不安がある人は、契約書の確認と、契約した会社への問い合わせが先です。消費生活センターに相談する方法もあります。
これから検討する人は、「No.1」だけで会社を選ばず、見積もり、標準仕様、保証、施工事例を複数社で比べることをおすすめします。補助金や税制の条件は、みらいエコ住宅2026事業や住宅ローン控除2026年度の記事も参考にしてください。
「No.1」表示を見るときの確認点
画像出典: 当サイトが整理した、一般的な見方
チラシや広告のNo.1は、小さな注記を見ると、調査の中身が分かります。今回のチラシにも、調査方法や時期が欄外に書かれていました。確認する点は次の4つです。
ただし、注記が書かれていても、調査が客観的とは限りません。今回のように、注記と見出しの内容がずれている場合もあります。No.1は判断材料の一つにとどめるのが安心です。
この記事が向く人・向かない人
向く人: 家づくりを検討中で、ニュースの内容を知りたい人。広告の「No.1」表示の見方を知りたい人にも向きます。
向かない人: 飯田グループの住宅をすでに契約している人で、契約上の権利や補償を確認したい人です。命令の詳細は消費者庁の資料で、契約の相談は契約書の内容と消費生活センターなどで確認してください。
同じ消費者庁の動きとして、SNOWのステマ措置命令や、ダークパターン規制の記事もあわせてどうぞ。
よくある質問
飯田グループの住宅は買わない方がいいですか?
今回の命令は広告表示に関するもので、住宅の品質が悪いと判断されたものではありません。検討する場合は、No.1などの広告表示だけでなく、見積もり、仕様、保証を他社と比べて判断してください。
課徴金を払うのは飯田グループホールディングスですか?
命令を受けたのは住宅情報館、一建設、飯田産業、アーネストワンの4社です。各社が、それぞれの金額を、2027年5月31日までに国庫に納付します。
「飯田グループ」とはどの会社を指しますか?
消費者庁の資料では、飯田グループホールディングスとその子会社を「飯田グループ」としています。今回の4社は、そのグループの注文住宅の事業者です。
課徴金と措置命令は何が違いますか?
措置命令は、表示の取りやめや再発防止を命じるものです。課徴金は、違反した表示にかかる売上額の3%を国に納めさせるもので、金銭的な負担が生じます。
まとめ
・違反の中身は、「No.1」表示の根拠の調査が、利用経験を確認せず、サイトの印象を聞いたものだったこと
・計算は売上額の3%。4社の対象売上額は約147億円
・広告表示に関する命令で、住宅の品質を判断したものではない
・No.1表示は注記を確認し、見積もりや保証で比べる
参考・出典
- 消費者庁「注文住宅の建築請負に係る役務の提供事業者4社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について」(2026年10月28日)
- 時事ドットコム「飯田GHD子会社に課徴金4億円超命令 広告に「注文住宅No.1」」
- オルタナ「飯田GHD子会社、客観的裏付けなく「注文住宅No.1」と広告」
※本記事は2026年10月28日時点の情報です。命令の詳細や各社の対応は変更される場合があります。最新の情報は消費者庁の公式サイトでご確認ください。
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