Apple「PICO」発表|AI画像圧縮で容量3分の1に2026

Appleが機械学習を使った新しい画像圧縮コーデック「PICO(Perceptual Image Codec)」を2026年5月25日に発表した。従来のAV1やHEICと比べ、最大3分の1のデータ量で同等の画質を実現できるという。iPhone 17 Pro Maxでの実機テストでも実用的な速度が確認されており、今後のAppleデバイスやアプリへの組み込みが注目されている。

この記事でわかること

  • PICOとは何か・どんな技術か
  • 従来コーデック(HEIC/AV1/JPEG)との性能比較
  • iPhone 17での動作速度・実用性
  • 今後の活用シーンと影響




「PICO」とは何か|知覚型AI画像コーデックの概要

PICOは「Perceptual Image Codec(知覚画像コーデック)」の略で、Appleの研究チームが開発した機械学習ベースの画像圧縮技術だ。従来の圧縮技術(JPEGやHEICなど)が数学的なアルゴリズムによって画像データを削減するのに対し、PICOは「人間の目がどこを重要と感じるか」をニューラルネットワークに学習させることでデータ削減の精度を大幅に向上させている。

具体的には、以下の複数の評価関数を組み合わせて学習している。

  • 知覚品質評価(人間の視覚モデルに基づく)
  • GAN(敵対的生成ネットワーク)ベースの損失関数
  • テキスト文字やタイル境界の劣化を防ぐ専用制御
Apple PICOと従来コーデックの比較デモ

画像出典: GIGAZINE

GAN(敵対的生成ネットワーク)とは、2つのAIが互いに競い合いながら画像の生成精度を高めていく仕組みのこと。PICOではこれを圧縮に応用し、「圧縮後も見た目が変わらないか」を別のAIが検証し続けることで品質を担保している。




従来コーデックとの性能比較|最大3分の1のデータ量

Appleの発表によると、PICOは以下の主要コーデックを上回る圧縮効率を持つとしている。

コーデック 種類 PICOとの比較
JPEG 従来型 大幅に小さいデータ量
HEIC (iPhone標準) 従来型 大幅に小さいデータ量
AV1 次世代型 2.3〜3倍小さいデータ量
AV2 / VVC / ECM 最新世代型 2.3〜3倍小さいデータ量
JPEG-AI / 既存学習型 学習型 20〜40%ビットレート削減

従来のiPhone標準フォーマットであるHEICと比べても、PICOではさらに大幅な圧縮が見込める。この数字は理論値ではなく、CLIC 2020テストや610人の評価者による7万4925件の主観評価から導き出されたものだ。

PICOの圧縮性能グラフ

画像出典: GIGAZINE




iPhone 17 Pro Maxでの実機動作|速度と実用性

学習型コーデックの弱点として「処理が遅い」という点がある。理論上は優れていても実機で使い物にならないケースが多かった。Appleはこの課題に正面から取り組み、iPhone 17 Pro Maxでの実用的な速度を実証している。

iPhone 17 Pro Maxでの処理速度(12MP画像の場合)

  • 符号化(圧縮):230ミリ秒
  • 復号化(展開):150ミリ秒

230ミリ秒という数字は1枚の写真撮影・保存のタイムラグとしては許容範囲内であり、SNSへの投稿やクラウド同期での活用も現実的だ。ただし、従来型のHEICなどと比べると処理時間は長く、リアルタイム動画圧縮などへの応用はまだ限られる。

また、PICOは端末間の互換性を保つため「浮動小数点演算の誤差」を防ぐ設計が施されており、異なるデバイス間でも同じ画像を正確に再現できるよう設計されている。なお、漫画やアニメ調の合成画像では従来コーデックより高いビットレートが必要になるケースも確認されており、全ての画像に万能ではない点は留意が必要だ。

Apple PICO spotlight figure

画像出典: GIGAZINE

PICOが実装されると何が変わるか|活用シーン予測

PICOは現時点でAppleの研究論文・公式プロジェクトページとして公開された段階であり、iOSやmacOSへの正式実装時期はまだ発表されていない。ただし、実機テストが公表されていることを考えると、近い将来のOSアップデートでの採用が現実的なシナリオだ。

具体的に影響が出ると考えられるシーンは以下のとおりだ。

  • iCloudフォトライブラリ:同じ容量でより多くの写真を保存可能に
  • SNS・メッセージアプリ:送信画質を落とさず通信量を大幅削減
  • ProRAW・写真編集:プロ用途での高品質なデータ圧縮
  • Safari・Web閲覧:ウェブ上の画像表示速度が向上

日本ではApple Sports日本上陸など、2026年に入ってApple関連の新機能や新サービスが立て続けに展開されている。PICOもその流れの中で、写真ストレージや通信コストの観点から日本のユーザーにとっても恩恵が大きい技術だ。

Xでの反応

発表を受けてXでも注目を集めており、技術系アカウントを中心に「100MBの写真データが30〜43MBに圧縮できる」「人間の目が気づかない部分を優先的に削る設計」といった解説ポストが拡散した。

特に「HEICでもかなり圧縮できていると思っていたのにさらに3分の1になるのか」という驚きの声や、「漫画や合成画像が苦手なのはGANの学習データ次第で改善できそう」といった技術的考察も見られた。一般ユーザーからも「iCloudの容量問題がこれで解決してくれたら嬉しい」という期待の声が上がっている。




まとめ

  • AppleがAI学習型画像圧縮コーデック「PICO」を2026年5月25日に発表
  • AV1やVVCなど最新コーデック比で最大3分の1のデータ量・同等画質を実現
  • iPhone 17 Pro Maxで12MP画像を230ms符号化・150ms復号と実用水準
  • 漫画・合成画像への適用は要注意。既存学習型コーデックより20〜40%改善
  • iOSへの正式実装時期は未発表だが、近い将来の組み込みが現実的

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※本記事の情報は2026年5月26日時点のものです。PICOの詳細仕様や今後の実装スケジュールについてはAppleの公式発表でご確認ください。





コメント

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