警察庁は2026年10月26日付の報道で、チャイルドシート(ジュニアシートを含む)の使用基準の拡大に向けて本格的な検討に入ったと伝えられました。いまの道路交通法は6歳未満の幼児に使用を義務づけていますが、身長が低い13歳未満の児童まで広げる案が想定されています。この記事では、現行ルール、検討の中身、JAFの150cm目安、6歳以上の子を持つ家庭が今日確認できることを整理します。

結論|義務は今も6歳未満、拡大は検討段階
- 現行の義務は6歳未満のまま。13歳未満への拡大は「検討に入った」段階で、法改正の時期や基準は決まっていない
- 法改正には道路交通法の改正が必要で、警察庁は大学教授や医師らによる有識者検討会を近く設置する方針
- JAFは法律とは別に、身長150cm未満の子にチャイルドシートかジュニアシートの使用を推奨している
- 6歳以上の子でも、シートベルトが首や腹部にかかるなら、法改正を待たずにジュニアシートを使う価値がある
つまり「来月から13歳未満が義務になる」という話ではありません。一方で、安全面の根拠はすでに出そろっており、6歳を過ぎた子のシートを外す判断は、年齢ではなく体格で見直すのが現実的です。
警察庁が検討に入った内容
読売新聞オンラインの報道(10月26日配信、Yahoo!ニュース掲載)によると、警察庁は重大な交通事故から子供の命を守るため、チャイルドシートを使う基準の拡大に向けた検討に入りました。
「13歳未満」という線引きは報道上「想定される」とされた段階の話で、年齢で区切るのか、身長を併用するのかといった中身は示されていません。検討会での議論を待つ必要があります。
福岡の事故とJAF基準の引き上げ
検討のきっかけの一つとして報じられているのが、2024年8月に福岡市早良区で起きた事故です。軽乗用車と路線バスが衝突し、軽乗用車に乗っていた当時7歳と5歳の女児2人が、腹部付近にかかったシートベルトに腹部を圧迫されるなどして亡くなりました。
2人とも身長は1メートル40センチ未満で、チャイルドシートもジュニアシートも使っていませんでした。事故当時、JAFはチャイルドシートの使用が推奨される身長の目安を「1メートル40センチ未満」と周知していました。JAFは事故後の2024年9月、この目安を「1メートル50センチ未満」に引き上げています。

警察庁もこれまで、シートベルトを適切に着用できない児童には6歳以上でもチャイルドシートを使うよう注意喚起してきましたが、国会では「基準の拡大が必要」との指摘が出ていたとされています。
使用率84.0%の内訳と5歳の落ち込み
JAFと警察庁は2026年5月9日から31日まで、全国99か所で6歳未満の子どもの使用状況を調べました(JAFの発表)。結果は次のとおりです。
- 6歳未満全体の使用率は84.0%(前回比1.6ポイント増)で過去最高
- 年齢別では1歳未満94.8%、1〜4歳86.9%に対し、5歳は65.7%まで下がる
- 取り付け状況の調査では、取扱説明書どおりに正しく取り付けられていたのは77.6%で、22.4%は何らかの問題があった
- 着座状況の調査では、41.3%が正しく座れていなかった

注目したいのは5歳です。使用率は前年の66.7%から1.0ポイント下がって65.7%で、6歳未満の中で最も低い年齢でした。義務が終わる6歳が近づくにつれ、「もう大きいから」と外してしまう家庭が増えていることがうかがえます。

チャイルドシート着用の84.0%以外の内訳は、車両シートにそのまま着座が6.5%、大人用シートベルト着用が4.2%、チャイルドシートにそのまま着座が3.4%、保護者の抱っこが1.9%です。法律上の義務がある6歳未満でも、約6人に1人は守られていません。
使うと死亡重傷率はどれだけ下がるか
JAFの完全ガイドは、2013〜2022年の自動車乗車中の事故を使用の有無で比べたデータを掲載しています。5〜12歳を含む学童用でも、使わなかった場合の死亡重傷率は使った場合の約2.4倍でした。

警察庁も、昨年までの過去5年間に幼児が同乗していた車の事故を分析し、チャイルドシートを使っていなかった幼児の致死率は、適正に使っていた幼児の約5倍だったとしています。数字の取り方は調査ごとに異なるため、倍率そのものを単純に比べるのではなく「どの年齢でも使わない側のリスクが高い」と読むのが妥当です。
6歳以上の子は何を見て判断するか
法律の線引きを待たずに、いまの子どもにジュニアシートが必要かを判断する材料はJAFが出しています(JAFのチャイルドシート完全ガイド)。
目安は身長150cm、確認のポイントはベルトの位置
JAFは身長150cm未満の子どもにチャイルドシートかジュニアシート(背もたれ付き、またはブースタータイプ)の使用を推奨しています。ただし150cmはあくまで目安で、確認の決め手は「シートベルトが首や腹部にかからず、適切な位置で着けられているか」です。大人の体格であれば、ベルトは鎖骨の中央付近と腰骨にかかります。

今日できる3つの確認
- 子どもを普段の姿勢で座らせ、肩ベルトが首ではなく鎖骨の中央付近にかかっているかを見る
- 腰ベルトが柔らかい腹部ではなく、腰骨の位置に低くかかっているかを見る
- どちらかが外れていたら、ジュニアシートを使った状態で同じ2点をもう一度確認する
JAFの例では、身長140cmでも145cmでも、ジュニアシートなしだとベルトが首やお腹にかかり、ジュニアシートを使うと肩と腰骨にかかる様子が示されています。年齢だけで判断すると、体格の小さい子ほど外すのが早すぎることになります。
拡大の対象外になりそうな子と、まだ決まっていないこと
このルールの対象外になりそうな子
報道では対象は「身長が低い」13歳未満とされており、身長が十分に高い子まで一律に義務づける内容とは限りません。すでにベルトが肩と腰骨に正しくかかる体格の子は、今回の議論で影響を受けない可能性があります。ジュニアシートを一律に買い足す必要があるかどうかは、基準が出てから判断すれば間に合います。
デメリットと注意点
- 背もたれ付きのジュニアシートは、車種や座席の構造によっては取り付けられないことがある。その場合、JAFはシートベルトが首にかからないようブースタータイプを使うよう案内している
- 義務の拡大が決まった場合でも、施行時期や経過措置は未定。いまの時点で買い替えの期限は存在しない
- 現行法でも6歳未満の使用義務違反には、行政処分の基礎点数1点が付く(JAF)。6歳以上は法律上の義務はない
まだ決まっていないこと
- 対象を年齢で区切るのか、身長を併用するのか
- 13歳という上限が最終的な案になるのか
- 法改正の時期、施行日、猶予期間
- 違反した場合の扱い(点数や反則金)
検討会の設置や議論の内容は、警察庁の発表や報道で順次明らかになるとみられます。
よくある質問
Q. 今すぐ6歳以上の子にもジュニアシートが義務になりますか?
いいえ。義務は現行法のまま6歳未満です。13歳未満への拡大は、警察庁が検討に入った段階で、法改正が必要です。
Q. 身長が150cmを超えていれば安心ですか?
150cmはJAFが示す目安です。車種やシートの形でベルトの位置は変わるため、肩ベルトが首にかからず、腰ベルトが腰骨にかかっているかを実際に確認してください。
Q. 後部座席なら大丈夫ですか?
座席の位置とは別の問題です。体格に合わないままシートベルトを使うと、後部座席でも首や腹部に食い込むことがあります。JAFのデータでも、使わなかった場合の死亡重傷率は年齢を問わず高くなっています。
Q. 使っているチャイルドシートが正しく付いているか不安です
JAFの調査では、取り付けが不適切だったものが22.4%、着座が不適切だったものが41.3%ありました。腰ベルトの締め付け不足、サポートレッグの調整不良、ハーネスの締め付け不適正などが確認されています。取扱説明書とJAFの完全ガイドで、固定と着座の両方を見直してください。
まとめ
- 現行の義務は6歳未満。警察庁は13歳未満への拡大を想定して検討に入ったが、法改正の中身と時期は未定
- JAFの目安は身長150cm未満。決め手はシートベルトが首や腹部にかからないか
- 6歳未満の使用率は84.0%、5歳は65.7%。取り付けと着座の不備も多い
- 法改正を待たず、肩と腰骨にベルトが来ているかを今日確認する
すぐに買い替えを迫られる話ではありませんが、お子さんの体格に合っているかの確認は今日から始められます。検討会の動きに合わせて、続報が出たらこの記事に追記します。
参考: 読売新聞オンライン(Yahoo!ニュース)、JAFニュースリリース(2026年9月15日)、JAFクルマ何でも質問箱、JAFチャイルドシート完全ガイド。
法改正の内容は今後変わる可能性があります。最新の情報は警察庁とJAFの公式発表でご確認ください。最終更新: 2026年10月26日。
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