(2026年7月21日 公開)
2026年10月、火災保険・自動車保険の保険料が相次いで改定される。損保ジャパンは個人向け火災保険を平均3%、東京海上日動は自動車保険を平均6.5%引き上げる方針を明らかにしており、家計への影響は小さくない。ここでは各社が公表している改定内容と、契約者が見直しをいつまでに検討すべきかを整理する。
画像出典: テレ東BIZ(News Morning Satellite)報道より
2026年10月に何が変わるのか
2026年10月1日以降に契約・更新する火災保険・自動車保険の保険料が、複数の大手損害保険会社で引き上げられる。損保ジャパンは10月から個人向け火災保険を平均3%、企業向け火災保険を平均1.2%引き上げると発表しており、前回改定(2024年10月・約1割の引き上げ)から2年ぶりの改定になる。あわせて東京海上日動火災保険も10月から自動車保険料を平均6.5%引き上げる方針を明らかにしている。いずれも新規契約と満期更新の契約者に適用され、現在契約中でも満期日を迎えるまでは現行の保険料が維持される。
損保ジャパン(火災保険)
個人向け平均3%・企業向け平均1.2%引き上げ/2026年10月1日以降始期契約から適用
東京海上日動(自動車保険)
平均6.5%引き上げ/2024年1月以降4回目の値上げで過去2番目の上げ幅
火災保険はいくら上がる?損保ジャパンの改定内容
日本経済新聞の報道によると、損保ジャパンは持続的なインフレで住宅や工場などの修理費が上昇していることを受け、収支改善のため2026年10月に個人用火災保険を平均3%、企業向け保険を平均1.2%引き上げる。改定率は建物の構造や種類によって差があり、一戸建てなど木造建物は最大1割程度上がる一方、マンションなど耐火性の高い集合住宅は最大3割程度下がるケースもあると報じられている。つまり「全員が一律に値上げ」ではなく、建物のリスク区分によって上げ幅・下げ幅が大きく異なる点が今回の改定の特徴だ。
火災保険はこれまでも2019年5月・2021年1月・2022年10月・2024年10月と複数回にわたり改定が続いており、契約可能な最長期間も2021年までの36年から、2022年10月以降は10年、2024年10月以降は5年へと段階的に短縮されてきた。値上げの背景には、台風・豪雨など自然災害の頻発による保険金支払いの増加や、資材費・工賃の上昇による修理費の高騰がある。なお、一部の保険比較メディアでは業界全体で10~15%程度の改定になるとの見方も出ているが、これは各社の公式発表に基づく確定値ではなく、現時点で公式に確認できるのは損保ジャパンの平均3%(個人向け)・1.2%(企業向け)という数字である。
ソニー損保が発表した具体的な改定内容
大手損保各社が保険料の引き上げ幅を発表する一方、ソニー損保は2026年5月25日、2026年10月1日以降を保険始期日とする契約を対象にした火災保険の商品改定内容を公式サイトで公表した。今回の改定は保険料の見直しだけでなく、補償の対象そのものが変わる点が特徴で、更新を控えている契約者は金額だけでなく補償範囲の変化も確認しておきたい。
破損・汚損損害等補償特約は対象が縮小
近年、破損・汚損損害等補償特約の保険金支払いが増加傾向にあり、なかでもテレビ等の破損事故が保険料水準の引き上げにつながっていたという。これを受け、2026年10月1日以降始期の契約からは、テレビ、ディスプレイ、デスクトップ型パソコン、ディスプレイ一体型パソコンおよびこれらの付属品に生じた損害が補償対象外となる。自宅で子どもがテレビを倒してしまった、といった事故はこれまで対象だったが、改定後は自己負担になる点に注意したい。
個人賠償責任補償特約は対象が拡大(その分は値上げ)
一方で範囲が広がる補償もある。個人賠償責任補償特約では、他人から預かったものに損害を与えた場合や盗まれた場合にも保険金を受け取れるよう改定される。ソニー損保が例に挙げるのは「友人から借りたカメラを旅行先で落として壊した」「学校から貸与されたタブレットを自宅で破損した」「サブスクで借りているバッグを盗まれた」といったケースで、これまで対象外だった身近なトラブルをカバーできるようになる。ただし補償拡大に伴い保険料も引き上げられるため、無条件で得になるわけではない。
建物の評価基準も見直し
建築費や物価の上昇を踏まえ、建物の評価基準そのものも改定される。長期契約を更新するタイミングで、建物の評価額(=保険金額の上限)が変わる場合があるため、更新案内が届いたら保険金額の欄も併せて確認しておくとよい。
ソニー損保以外の各社も、2026年10月1日以降を始期とする契約から順次新料率・新基準へ移行するとみられるが、補償内容の具体的な変更点まで公表しているのは本記事執筆時点ではソニー損保が中心で、他社は今後個別に発表するケースが多い。自分の契約先の公式サイトで改定案内が出ていないか、更新前に確認しておきたい。
自動車保険はいくら上がる?東京海上日動と大手3社
自動車保険はすでに2026年1月の時点で、損保ジャパン(約7.5%)・三井住友海上火災保険(約7%)・あいおいニッセイ同和損害保険(約6%)の大手3社が保険料を引き上げており、各社にとって過去最大の値上げ幅だった。これに続き東京海上日動火災保険も、10月から自動車保険料を平均6.5%引き上げる方針を明らかにしている。同社にとっては2024年1月以降4回目の値上げで、過去2番目の上げ幅になるという。値上げの理由として、部品代・工賃の上昇に伴う修理費の増加、事故対応コストの高止まり、賃金水準の上昇などが挙げられている。
2026年1月改定(実施済み)
損保ジャパン約7.5%/三井住友海上約7%/あいおいニッセイ同和約6%
2026年10月改定(予定)
東京海上日動 平均6.5%引き上げ/新規・更新契約に適用
実際の引き上げ幅は、等級(無事故割引の段階)や付帯している特約の内容によって契約者ごとに異なる。更新時の見積もりで自分の契約がどの程度変わるかは、契約中の保険会社・代理店に確認するのが確実だ。
なぜ値上げが続くのか
火災保険・自動車保険がともに値上げ傾向にある背景には、共通する3つの要因がある。1つ目は自然災害の増加で、台風・豪雨・大雪などによる保険金の支払いが年々増加していること。2つ目は物価・賃金の上昇で、住宅の修繕費や自動車の部品代・整備工賃が上がり続けていること。3つ目は、金融庁の指導もあり損害保険各社が将来の大規模災害に備える「異常危険準備金」の積立率を引き上げていることだ。これらのコスト増を保険料に反映させる形で、各社が改定を繰り返している構図になっている。
見直しはいつまでにすべき?
火災保険・自動車保険とも、新しい保険料が適用されるのは「10月1日以降に契約する新規契約」と「満期を迎えて更新する契約」だ。逆に言えば、現在の契約期間中(満期前)であれば保険料はそのまま変わらない。したがって見直しを検討するタイミングは、直近の契約満期日が10月以降に来る人が最優先になる。特に火災保険は最長契約期間が5年まで短縮されているため、次回更新のタイミングで保険料が跳ね上がりやすい。満期通知が届いたら「そのまま自動更新にしない」で、内容を確認してから更新するのが基本だ。
自動車保険は多くが1年契約のため、直近の満期(契約更新月)が値上げ後の10月以降になる人は、更新前に他社の見積もりを比較する時間的余裕を持っておきたい。等級を引き継いで他社に乗り換える(等級継承)ことも可能なので、値上げ幅が大きいと感じた場合は代理店に相談するとよい。
保険料を抑える具体的な対策
火災保険の場合
建物の構造(耐火性能)によって保険料区分が変わるため、マンションなど耐火性の高い建物では今回の改定でむしろ下がるケースもある。補償内容を見直し、水災・盗難など発生リスクが低い補償を外す、免責金額(自己負担額)を設定して保険料を下げる、複数年契約でまとめて割引を受けるといった方法が一般的な対策になる。
自動車保険の場合
走行距離やゴールド免許割引、複数の保険会社の見積もりを比較する「一括見積もり」の活用、ドライブレコーダー連動型の割引特約の利用などが保険料を抑える方法として挙げられる。等級が上がるほど割引率も大きくなるため、無事故を継続することが最も基本的な節約策になる。
Xでの反応
「業務用の火災保険、以前は5年契約でできたけど、去年から毎年更新の1年契約しかできなくなった…来年は確実に値上げされてくるね(多分10月頃値上げ)」
— X投稿(2026-07-15)
「投資用アパートの火災保険はどんどん値上げしてます。逆に自宅マンションの火災保険は5年で8,000円。安すぎてびっくりしました」
— X投稿(2026-07-18)
契約している建物の構造・用途によって値上げ・値下げの感じ方が大きく分かれていることが、実際の契約者の声からもうかがえる。
よくある質問
今契約中の保険もすぐ値上げされる?
いいえ。新しい保険料が適用されるのは10月1日以降の新規契約と、満期を迎えて更新する契約のみ。契約期間中であれば保険料は変わらない。
火災保険は必ず値上がりする?
建物の構造によって異なる。損保ジャパンの改定では、一戸建てなど木造建物は最大1割程度上がる一方、マンションなど耐火性の高い建物は最大3割程度下がる可能性があると報じられている。
自動車保険はどのくらい上がる?
東京海上日動は10月に平均6.5%引き上げる方針。ただし実際の値上げ幅は等級や特約の内容によって契約者ごとに異なる。
まとめ
2026年10月、損保ジャパンの火災保険(個人向け平均3%・企業向け平均1.2%)と東京海上日動の自動車保険(平均6.5%)が改定される。すでに2026年1月には損保ジャパン・三井住友海上・あいおいニッセイ同和の大手3社が自動車保険を6~7.5%引き上げ済みで、値上げは今年に入ってから複数回にわたっている。契約者本人への影響は満期・更新のタイミングで生じるため、直近の満期日が10月以降にあたる人は、更新前に補償内容や他社の見積もりを確認しておきたい。正式な改定率・適用条件は各保険会社の公式サイトで最新情報を確認してほしい。
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参考・出典
- 損保ジャパン公式 火災保険改定のご案内
- 東京海上、自動車保険を値上げ 10月に平均6.5%(共同通信/Yahoo!ニュース)
- 大手3損保、2026年1月に自動車保険を過去最大の値上げ(日本自動車会議所)
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