東京メトロが、2029年3月の運賃値上げを目指すと2026年10月30日に発表しました。ただし、現時点で決まっているのは「時期」だけです。いくら上がるのか、定期券や通学定期はどうなるのかは、まだ明らかになっていません。この記事では、決まっていることと未定のことを分けて整理します。
結論
- 決まっているのは「2029年3月を目指す」という時期。消費税・バリアフリー料金を除くと1995年以来、民営化後では初の全面見直し
- 値上げ幅は「今後検討」で、金額は未定。定期券・通学定期の扱いも発表されていない
- 2026年4月の「28年3月以降」から、「29年3月」に時期が絞られた
- 今すぐ必要な行動はない。申請の段階で金額案が出てから、通勤・通学費を見直せば間に合う
公開日: 2026年10月31日(NHK・日本経済新聞・Yahoo!ニュースの報道にもとづく)
画像出典: 当サイト作成(NHK・日本経済新聞などの報道にもとづく)
目次
- 決まっていること/未定のこと
- 28年3月以降から29年3月へ
- 値上げの理由と設備投資
- いくら上がる?定期券は?
- 認可までの流れと過去の例
- 今できること
- 注意点と向かない人
- まとめ
決まっていること/未定のこと
発表は、東京メトロの決算説明の場で、財務部長の坂田香奈執行役員が説明しました。NHKなどの報道によると、運賃の値上げは2029年3月を目指し、値上げ幅は今後検討するとされています。
「目指す」という言い方のとおり、実施には国の認可が必要です。認可が出なければ、予定どおりにならない可能性もあります。
28年3月以降から29年3月へ
画像出典: 当サイト作成(NHK・日本経済新聞などの報道にもとづく)
2026年4月の日本経済新聞の報道では、小坂彰洋社長が「27年3月は無理で、最速でも28年3月もしくはそれ以降」と話していました。このときは、時期の幅が広い状態でした。
10月30日の発表で、時期が2029年3月と明示されました。4月に挙げられた最速案の2028年3月からは、約1年後ろにずれたことになります。一方で、値上げ幅や定期券の扱いは、4月にも10月にも示されていません。
値上げの理由と設備投資
東京メトロは、物価が上がり人件費も高くなる局面でも、利便性と安全性の向上につながる設備投資を積極的に行う、と説明しています。報道では、浸水対策などの設備投資が理由として挙げられています。
画像出典: 当サイト作成(NHK・日本経済新聞などの報道にもとづく)
参考になるのが、2025年4月に報じられた中期経営計画です。2025〜27年度の設備投資は3年で約4,000億円で、そのうち安全・浸水対策などが約1,430億円とされています。ただし、この4,000億円には有楽町線・南北線の延伸(約500億円)やホテル事業(約1,070億円)も含まれています。
つまり、「4,000億円がすべて値上げの対象」というわけではありません。今回の値上げ分を何に使うのかの内訳は、現時点で発表されていません。
いくら上がる?定期券は?
結論から言うと、金額は分かりません。当サイトでも、推測で金額を示すことはしません。判断の材料になるのは、次の3点です。
現在の運賃は、東京メトロ公式サイトの運賃表で確認できます。ICカードと切符で運賃が異なる区間があるため、日ごろ使う区間を調べておくと、後で比べやすくなります。
認可までの流れと過去の例
画像出典: 当サイト作成(NHK・日本経済新聞などの報道にもとづく)
鉄道運賃の値上げは、会社が国土交通省へ申請し、国が審査して認可する流れです。具体的な運賃案が見えるのは、一般には申請のタイミングです。
画像出典: 当サイト作成(NHK・日本経済新聞などの報道にもとづく)
過去の例を見ると、東京メトロのバリアフリー料金は2022年4月25日に申請して2023年3月18日に実施でした。JR東日本の運賃改定は、2024年12月6日の申請から2026年3月14日の実施までに約15か月かかっています。
これらにならえば、今回の申請は2027年末〜2028年ごろになる可能性があります。ただし、これは当サイトの推測です。東京メトロは申請時期を明らかにしていません。JR東日本の値上げについてはJR東日本2026年3月値上げの記事で整理しています。
今できること
2029年3月は、まだ先です。今すぐ定期券を買いだめするなどの行動は必要ありません。次の3つを押さえておくと十分です。
- 日ごろ使う区間の現行運賃と定期代を、メモしておく
- 会社員の人は、通勤手当の支給ルール(定期代の実費か上限か)を確認しておく
- 申請の時期に出るニュースで、金額案と定期券の扱いをチェックする
東京メトロでは、2028年度にQR乗車券を順次販売し、磁気きっぷの販売は2029年度末ごろに終了する予定です。定期券はICカードのまま続くため、値上げ時に定期券の買い方が大きく変わる心配は、今のところありません。くわしくは東京メトロQR乗車券の記事と、QR乗車券を導入する鉄道7社の記事で解説しています。
注意点と向かない人
- この記事では、値上げ幅の金額は示せません。「いくら上がるか」を今すぐ知りたい人には物足りない内容です
- 「2029年3月」はあくまで目指す時期で、認可の結果によって変わる可能性があります
- 定期券・通学定期の扱いは未定です。今の時点で「定期は上がらない」「大きく上がる」とは言えません
- 東京メトロの公式発表文は、本記事の執筆時点で直接確認できておらず、NHK・日本経済新聞などの報道が情報源です
ほかの交通費の値上げでは、のぞみの指定席料金の値上げ(2027年7月)も決まっています。通勤・出張で使う人は、あわせて確認しておくと安心です。
まとめ
東京メトロは、2029年3月の運賃値上げを目指すと発表しました。消費税・バリアフリー料金を除くと1995年以来、民営化後では初の全面見直しです。一方、値上げ幅と定期券・通学定期の扱いは未定で、国への申請時期も明らかになっていません。まずは日ごろの区間の運賃を確認し、申請時に出る金額案を待つのが現実的です。
運賃や制度の内容は変更される場合があります。最新の情報は、東京メトロの公式サイトで確認してください。
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参考・出典
- NHKニュース「東京メトロ 2029年3月に運賃値上げへ “値上げ幅は今後検討”」(2026年10月30日)
- 日本経済新聞「東京メトロ、29年3月に運賃値上げへ 全面見直しは民営化後初」(2026年10月30日)
- Yahoo!ニュース「東京メトロ 29年3月値上げ目指す」
- 日本経済新聞「東京メトロ、28年3月以降の値上げ検討 全面見直しは95年以来」(2026年4月28日)
- 日本経済新聞「東京メトロの新中計、設備投資に3年計4000億円」(2025年4月28日)
- 東京地下鉄「東京メトロにおけるQR乗車券の導入について」(PR TIMES)
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