熊本地震の余震はいつまで続く?長崎・福岡が揺れた理由と備え

7月28日に発生した「令和8年熊本地震」から、揺れが収まりません。7月30日22時47分には熊本県天草・芦北地方を震源とする地震で長崎県雲仙市が震度4を観測し、福岡県や鹿児島県でも震度3の揺れがありました。「熊本の地震なのに、なぜ長崎や福岡まで揺れるの?」「余震はいつまで続くの?」と不安に感じている人も多いはずです。

この記事では、気象庁が7月30日16時に発表した最新の資料をもとに、これまでの地震回数、今後の見通しとして示された「1週間程度」という目安、揺れが九州北部まで広がっている背景、そして猛暑のなかで今すぐできる備えを整理します。

7月30日22時47分に発生した地震の震度分布図。長崎県で震度4、熊本県や福岡県で震度3を観測
7月30日22時47分の地震の震度分布。揺れは熊本県だけでなく長崎県・福岡県まで広がった(出典:tenki.jp)

この記事でわかること




7月30日夜も震度4 長崎・福岡まで揺れた最新の地震

7月30日22時47分の地震の概要

気象庁の発表によると、7月30日22時47分ごろに熊本県天草・芦北地方を震源とする地震が発生しました。この地震による津波の心配はありません。

発生日時

2026年7月30日 22時47分ごろ

震源地

熊本県天草・芦北地方

地震の規模

マグニチュード4.8

震源の深さ

約20km

最大震度

震度4(長崎県雲仙市)

津波

この地震による津波の心配なし

注目したいのは、最大震度4を観測したのが震源のある熊本県ではなく、海を挟んだ長崎県雲仙市だったという点です。震源が天草・芦北地方の海寄りにあり、島原半島側に揺れが伝わりやすい位置関係だったためとみられます。

震度3以上を観測した主な市町村

この地震で震度3以上を観測したのは、熊本県だけでなく4県にまたがりました。

震度4

長崎県:雲仙市

震度3(福岡県)

久留米市/八女市/みやま市

震度3(長崎県)

島原市/南島原市/諫早市

震度3(熊本県)

熊本市の5区/八代市/南阿蘇村ほか多数

震度3(鹿児島県)

長島町

さらに震度2は山口県山陽小野田市、福岡県大牟田市、佐賀県、長崎市、大分県日田市・九重町、宮崎県、鹿児島県まで及び、震度1は福岡市・北九州市・佐世保市・大分市・鹿児島市など、九州のほぼ全域と中国地方の一部で観測されました。「熊本の地震」というより、九州全体で揺れを感じる規模の地震活動が続いているのが現状です。

7月30日5時16分に発生したマグニチュード4.6の地震の震度分布図
同じ7月30日の早朝5時16分にも震度4を観測する地震が起きている(出典:tenki.jp)

7月30日は早朝5時16分ごろにも震度4を観測する地震が発生しており、1日のうちに複数回、体に感じる強い揺れが起きています。

本震そのものの情報や津波・交通の初動については、熊本で震度7の地震|津波情報と新幹線運転再開はいつ?備えまとめで詳しくまとめています。




余震はいつまで続く?気象庁が示した「1週間程度」の目安

気象庁の今後の見通し

気象庁が7月30日16時に発表した報道発表資料では、今後の見通しについて次のように示されています。

この地域では過去に、大地震発生から1週間程度の間に同程度の地震が続発した事例があることから、揺れの強かった地域では、地震発生から1週間程度、最大震度7程度の地震に注意してください。特に地震発生から2〜3日程度は、強い揺れをもたらす地震が発生することが多くあります。

ここでいう「地震発生から1週間程度」は、最大震度7を観測した本震(7月28日16時27分)を起点とした期間です。つまり8月4日ごろまでが、気象庁が特に注意を呼びかけている期間にあたります。

気象庁が発表した令和8年熊本地震の今後の見通しに関する資料ページ
気象庁の報道発表資料に記載された今後の見通し(出典:気象庁)

「本震より強く揺れる場合がある」という注意点

同じ資料には、見落とせない注意書きも添えられています。

  • 今回の地震活動域は広範囲に広がっており、地震が発生する場所や規模によっては、今回の地震(M7.1)による揺れよりも強く揺れる場合がある
  • 海底で規模の大きな地震が発生した場合、津波に注意する必要がある
  • 揺れの強かった地域では家屋の倒壊や土砂災害の危険性が高まっている

「最初の大きな揺れをしのいだからもう大丈夫」とは言い切れない、というのが公式の見解です。特に一度大きく揺れた建物は、次に同じ程度の揺れが来たときに耐えられない可能性があります。ひび割れや傾きが気になる家屋には、余震が落ち着くまで戻らない判断も必要です。

「余震」という言葉について

気象庁は現在、一連の地震活動について「余震」という表現ではなく「地震活動」という言い方を使っています。最初の地震より大きな地震が後から発生する可能性があり、「余震だから小さい」という誤解を避けるためです。

これまでの地震回数は270回 日ごとの推移

震度別の回数(7月30日15時現在)

気象庁のまとめによると、7月28日16時27分の地震以降、7月30日15時00分までに震度1以上を観測した地震は270回にのぼります。

震度5弱

4回

震度4

14回

震度3

39回

震度2

78回

震度1

135回

気象庁が公表した令和8年熊本地震の震度別・日別の地震回数の一覧表
震度別・日別の地震回数(出典:気象庁)

日ごとの回数は減っていない

日別に見ると、本震当日の7月28日(16時以降)が108回、7月29日が123回と、2日目のほうがむしろ回数が多くなっています。7月30日は15時までで40回でした。

震度5弱以上を観測した主な地震は次のとおりです。

7月28日 16時29分

熊本県熊本地方 M4.8/震度5弱

7月28日 17時08分

熊本県天草・芦北地方 M6.1/震度5弱

7月28日 19時03分

熊本県熊本地方 M4.2/震度5弱

7月29日 22時19分

熊本県天草・芦北地方 M5.8/震度5弱

本震から丸1日以上が経った7月29日夜にもM5.8・震度5弱の地震が起きており、時間の経過とともに単純に小さくなっているわけではないことがわかります。

令和8年熊本地震と過去の内陸地震のマグニチュード3.5以上の積算回数を比較したグラフ
M3.5以上の積算回数を過去の内陸地震と比較したグラフ(出典:気象庁)

M3.5以上の地震の積算回数は、7月30日14時00分の時点で93回。気象庁はこれを過去の内陸で起きた大きな地震と比較したグラフも公表しており、今回の活動が決して低調ではないことが読み取れます。なお本震では、熊本県熊本で長周期地震動階級4も観測されました。




なぜ長崎・福岡でも揺れるのか 断層帯との関係

震源域が広範囲に広がっている

今回の地震活動が長崎県や福岡県まで揺れを及ぼしている最大の理由は、地震が起きている範囲そのものが広いことにあります。震源は「熊本県熊本地方」と「熊本県天草・芦北地方」の2つの領域にまたがって分布しており、天草・芦北側で起きた地震は島原半島(長崎県)に近いため、長崎県側で強く揺れることになります。

気象庁が公表した令和8年熊本地震の震央分布図と地震活動の時空間分布図
震央分布図。熊本地方から天草・芦北地方にかけて広範囲に地震が分布している(出典:気象庁)

日奈久断層帯との関係

政府の地震調査委員会が7月29日に公表した見解では、マグニチュード7.1の地震の震源断層について、日奈久断層帯の日奈久区間の北東部および高野-白旗区間の一部に及んでいるとされ、断層の長さは約30kmと評価されています。この一帯は布田川断層帯・日奈久断層帯という長大な断層帯が走っている地域です。

断層帯に沿って地震活動域が細長く伸びているため、震源が北東側に寄れば福岡県側で、南西側や海側に寄れば長崎県・鹿児島県側で揺れが大きくなる、という形になります。

土砂災害の基準引き下げは熊本・長崎・鹿児島の3県

影響が熊本県だけにとどまっていないことは、防災上の運用にも表れています。気象庁は地震後、土砂災害に関する警報・注意報などの発表基準を引き下げて運用していますが、その対象は熊本県だけでなく長崎県・鹿児島県も含まれています。

これは、地震の揺れで地盤が緩んだ地域では、通常なら警報が出ない程度の雨でも土砂災害が起きる恐れがあるためです。長崎県・鹿児島県にお住まいの人も、雨が降り出したら普段より早めに避難情報を確認してください。

気象庁が公表した令和8年熊本地震の地震の概要をまとめた資料ページ
本震(7月28日16時27分・M7.1・最大震度7)の概要(出典:気象庁)

猛暑と台風のなかで今すぐできる備え

揺れが続く間の生活面の注意

気象庁の資料によると、熊本県は7月30日から8月6日にかけて概ね晴れる見込みで、最高気温35度以上の日が続くとされ、熱中症への注意が呼びかけられています。屋外での片付け作業や、車中泊・避難所での生活は体力を奪われやすい状況です。

  • 就寝時は枕元に靴・懐中電灯・スマホを置き、暗闇でも避難できるようにしておく
  • 家具の転倒防止や、頭上の落下物の撤去を優先する(一度緩んだ固定はもう一度確認する)
  • ひび割れ・傾きが出ている建物には、安全確認が済むまで戻らない
  • 飲料水は1人1日3リットルが目安。猛暑下ではそれ以上を見込む
  • スマホの充電は常に満タンに保ち、モバイルバッテリーも確保しておく
気象庁が公表した熊本県の今後の気象の見通しと台風13号の情報
熊本県の気象の見通しと台風13号に関する資料(出典:気象庁)

台風13号の動きも要注意

あわせて注意が必要なのが台風13号(ドルフィン)です。7月30日9時の時点で中心気圧910hPa、最大風速55m/sという非常に強い勢力で、来週にかけて日本付近に影響する可能性があると示されています。

地震で地盤が緩んでいるところに大雨が重なると、土砂災害のリスクは一段と高まります。進路が定まる前の段階でも、ハザードマップで自宅周辺の土砂災害警戒区域を確認しておくことをおすすめします。

断水・道路・支援の情報はこちら

生活インフラの状況については、以下の記事でそれぞれ詳しくまとめています。

よくある質問

熊本地震の余震はいつまで続きますか?

気象庁は、本震が発生した7月28日16時27分から1週間程度、揺れの強かった地域では最大震度7程度の地震に注意するよう呼びかけています。目安としては8月4日ごろまでが特に注意が必要な期間です。ただしこれは「1週間で完全に収まる」という意味ではなく、規模の小さい地震はその後も続くのが一般的です。

これまでに何回の地震が起きていますか?

気象庁のまとめでは、7月28日16時27分から7月30日15時00分までに震度1以上を観測した地震は270回です。内訳は震度5弱が4回、震度4が14回、震度3が39回、震度2が78回、震度1が135回となっています。

なぜ長崎県や福岡県でも揺れるのですか?

地震活動域が「熊本県熊本地方」から「熊本県天草・芦北地方」まで広範囲に広がっているためです。天草・芦北地方を震源とする地震は島原半島に近く、7月30日22時47分の地震では長崎県雲仙市が最大震度4を観測しました。震源が北東寄りになれば福岡県側で揺れが大きくなります。

本震より大きな地震が来る可能性はありますか?

気象庁は「地震が発生する場所や規模によっては、今回の地震(M7.1)による揺れよりも強く揺れる場合がある」と明記しています。また海底で規模の大きな地震が発生した場合は津波にも注意が必要としています。

熊本県以外で備えるべきことはありますか?

土砂災害に関する警報・注意報などの発表基準の引き下げは、熊本県だけでなく長崎県・鹿児島県でも運用されています。これらの県では、通常より少ない雨量でも土砂災害が起きる恐れがあるため、雨が降り出したら早めに避難情報を確認してください。




【2026-08-02更新】8月1日時点の状況

  • 熊本県内の死者は35人に増加(8月1日、熊本県発表・熊本日日新聞)。
  • 余震回数は200回以上(震度1以上)に達し、震度4以上の揺れも複数回観測。
  • 九州電力は「熊本の停電、全域で解消」と発表(復電作業ほぼ完了)。
  • ソニー熊本工場は8月4日から操業再開、ホンダ熊本工場は8月7日まで営業停止延長を決定。

※余震は本震から1週間程度は特に警戒が必要ですが、それ以降も規模の大きい地震が続く可能性があります。気象庁の発表を最新の目安として確認してください。

まとめ

  • 7月30日22時47分の地震(M4.8・深さ約20km)で長崎県雲仙市が震度4、福岡県・鹿児島県でも震度3を観測
  • 気象庁は本震(7月28日16時27分)から1週間程度、最大震度7程度の地震に注意するよう呼びかけ
  • 震度1以上の地震は7月30日15時までに270回。7月29日は123回と本震当日より多い
  • 震源域は熊本地方〜天草・芦北地方に広がり、日奈久断層帯の一部が動いたとみられる
  • 土砂災害の警報基準引き下げは熊本・長崎・鹿児島の3県で運用中
  • 猛暑と台風13号の接近も重なるため、水の確保とハザードマップの確認を

地震活動の状況は刻々と変わります。避難や行動の判断にあたっては、必ず気象庁の特設ページやお住まいの自治体が発表する最新情報を確認してください。この記事の内容は2026年7月31日時点で公表されている情報にもとづいています。





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