【パーソナルトレーニング】契約トラブル急増!解約料で損しない確認点は?

国民生活センターは2026年10月7日、「パーソナルトレーニングに関する契約トラブル」について注意喚起を発表しました。全国の消費生活センターには、無料体験に行ったら高額なコースを勧められて契約したものの、あとから解約したくなり、高額な解約料がかかると言われた、といった相談が寄せられています。相談件数は2025年度に1,457件と、前年度の約1.6倍に増えました。この記事では、国民生活センターの発表をもとに、相談の傾向と事例、契約前に確認したい点を整理します。

結論(11月4日時点)
・相談件数は2025年度が1,457件で、2024年度の885件から増えました。2026年度は8月31日までで537件です。
・問題点は、長時間の勧誘、個別の提案による断りにくさ、エステなど関連商品の勧誘、解約時の精算、予約の取りにくさの5つです。
・契約前に、契約総額・期間・回数・自動更新・中途解約の精算・解約料・返金・割引の扱いを確認し、その場で決めずに持ち帰ることが大切です。
・困ったときは、消費者ホットライン「188(いやや!)」で最寄りの消費生活センターにつながります。

公開日: 2026年11月4日 / 数値は国民生活センターの発表資料(2026年10月7日)に基づきます

パーソナルトレーニングの契約トラブル。国民生活センターが10月7日に注意喚起、相談は2025年度に1,457件
画像: 当サイト作成(出典: 国民生活センター報道発表資料)




目次

  • 1. 結論 何が起きているのか
  • 2. 相談件数はどれくらい増えたのか
  • 3. どんな人が、いくらの契約で相談しているのか
  • 4. 相談事例6つのポイント
  • 5. 相談から見える5つの問題点
  • 6. 契約前の確認チェックリスト(解約料で損しないために)
  • 7. 困ったときの相談先
  • 8. よくある質問
  • まとめ
  • 参考・出典




1. 結論 何が起きているのか

国民生活センターの発表(国民生活センター)では、パーソナルトレーニングの契約トラブルは、スポーツジム等で以前から見られた「解約料が高額」「契約を急がされる」といった問題と同じ形で起きていると説明しています。一方で、パーソナルトレーニングには、身体の状態や生活習慣、目標をヒアリングしたうえで、一人ひとりに合わせたコースを提案するという特徴があります。

この特徴のため、「あなたの場合は何回必要」「この期間は続けた方がいい」「痩せたいならエステも」と個別に提案され、サービス内容や料金、解約条件を十分に確認しないまま契約したり、必要性を検討しないまま関連商品まで契約したりするケースがあるといいます。スポーツジム等とは異なる契約上の注意点があるとして、事例の紹介と注意喚起を行いました。

なお、この発表でいう「パーソナルトレーニング」は、痩身や体型管理といった美容目的等で、トレーナーから1対1などの少人数で指導を受けながら筋肉のトレーニング等を行うものです。スポーツの技能向上を目的にした個別指導は含みません。

2. 相談件数はどれくらい増えたのか

パーソナルトレーニングの相談件数の推移。2021年度495件、2025年度1,457件、2026年度は8月31日までで537件
画像: 当サイト作成(出典: 国民生活センター報道発表資料(PIO-NET))

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された相談件数は、2021年度の495件から、2022年度722件、2023年度861件、2024年度885件と増え、2025年度は1,457件になりました。2024年度から2025年度への増加は、当サイトの計算で約65%です。2026年度は8月31日までの登録分で537件で、前年度の同じ期間(468件)を上回っています。

件数は、パーソナルトレーニングを主に契約したと判断された相談に限った集計で、消費生活センター等からの経由相談は含まれません。実際のトラブルの総数ではない点に注意してください。

3. どんな人が、いくらの契約で相談しているのか

パーソナルトレーニング相談者の属性。女性85.2%、平均年齢36.7歳、給与生活者72.5%
画像: 当サイト作成(出典: 国民生活センター報道発表資料(PIO-NET))
  • 性別: 女性が1,229件(85.2%)、男性が214件(14.8%)。
  • 年齢: 平均は36.7歳で、20歳代以下が36.2%と最も多い。
  • 職業: 給与生活者が1,005件(72.5%)、無職が106件(7.6%)。
パーソナルトレーニングの契約購入金額の内訳。10万円以上50万円未満が428件で43.2%、50万円以上が115件で11.6%
画像: 当サイト作成(出典: 国民生活センター報道発表資料(PIO-NET))

契約購入金額が分かる991件の内訳は、1万円未満が44件(4.4%)、1万円以上5万円未満が224件(22.6%)、5万円以上10万円未満が180件(18.2%)、10万円以上50万円未満が428件(43.2%)、50万円以上が115件(11.6%)です。10万円以上は合計543件で、当サイトの計算では約55%にあたります。数字はいずれも2025年度のデータから算出されたものです。

4. 相談事例6つのポイント

国民生活センターは6つの事例を紹介しています。ここでは、要点だけを整理します。

事例1 SNS広告から無料体験、約2時間の勧誘(30歳代女性)
体験後に約2時間勧誘され、「この金額で入会できるのは今日だけ」と言われて、月2回・月額1万円のコースを契約。翌日に解約を申し出ると、解約には応じたものの、入会手数料と月会費1万円の支払いを求められた。
事例2 約50万円のプランを断り切れず契約(10歳代女性)
体重や体脂肪などの測定後、食事管理付きの約50万円のプランを勧められ、一度は断った。「家に帰ったら絶対契約しない」と勧誘が続き、狭い店舗で担当者と二人きりで怖くなり、契約すると言ってしまった。
事例3 エステやサプリも併せて約12万円(40歳代女性)
「入会金無料」のサイトを見て体験に行き、「当日申し込みなら月額約3万円」と説明を受けて契約。続けて食事指導は無料でも、サプリメントやエステは今日なら特別価格と勧められ、総額約12万円に。タブレットで契約内容を確認しないままサインした。
事例4 1年契約を途中解約し、入会金も請求(30歳代女性)
「1年分まとめると安くなる」と1年契約。途中解約を伝えると、割引がなくなり通常料金との差額を請求すると説明された。ところが、請求書には約2万円の入会金を含む約8万5,000円とあり、契約書面に入会金の記載は見当たらなかった。
事例5 解約申請書がなかなかもらえない(20歳代女性)
契約終了日の30日前までに所定の書類を出す条件だった。メッセージアプリで問い合わせても「契約書と規約を確認して」と返されるだけで、申請書を受け取れず、受理が契約終了日を過ぎてしまった。契約が更新されたことになるのかが分からない。
事例6 予約が取れず、返金もされない(50歳代男性)
10回コース3万円を一括払いして3回通ったが、その後は予約が取れなくなった。解約と未利用分の返金は了承されたものの、トレーナーと連絡がつかず、返金されていない。

5. 相談から見える5つの問題点

パーソナルトレーニングの契約トラブルの5つの問題点。長時間の勧誘、個別の提案、関連商品、解約手続、予約の取りにくさ
画像: 当サイト作成(出典: 国民生活センター報道発表資料)

1. 長時間の勧誘や、強引な勧誘がある

無料体験の広告から来店し、体験後のカウンセリングで長時間勧誘される、「今日契約すれば割引」とその場の契約を勧められる、といったケースです。契約を急かされ、内容を十分に確認できないまま契約に至る例も挙げられています。

2. 「自分に合ったトレーニング」と「自分に合った契約」は別

勧められたコースが、自分の予算や通える頻度に合っているとは限りません。「○kg痩せる」と言われたのに痩せなかったという相談もありますが、効果には個人差があり、「痩せられる」「結果が出る」と説明されても、期待する効果が契約上保証されているとは限らないと説明されています。

3. エステやサプリなど、関連商品も勧められる

「痩せるにはエステも必要」「初回は皆さんにエステを契約してもらっています」といった説明で、必要なものだと受け止めて申し込んでしまうケースです。

4. 中途解約の手続と精算が複雑になりやすい

退会しようとしたら来店を促された、必要な書類が交付されなかった、というケースがあります。また、複数回分のまとめ契約や、一定期間の継続を前提にした契約では、入会金、月会費、オプション料金、未利用分、キャンペーンの割引、解約料など様々な費用が関係し、精算が複雑になりがちです。解約になって初めて高額な請求を受けたり、請求額の計算が分からなかったりする例もあります。

5. 契約後に実際に利用できるか、事前に確認しづらい

特定のトレーナーや日時を予約して利用するため、希望する日時に予約が取れない、担当トレーナーと合わない、変更になる、といった事情が契約後に分かる場合があります。契約前に見極めるのは必ずしも容易ではないと整理されています。

6. 契約前の確認チェックリスト(解約料で損しないために)

パーソナルトレーニングの契約前の確認チェックリスト。契約総額、期間、解約料、精算方法、関連商品、予約条件
画像: 当サイト作成(出典: 国民生活センター報道発表資料)

国民生活センターのアドバイスから、契約前に確認したい点を整理します。

その場で判断できないときは、持ち帰る

「今日契約すれば割引になる」と言われても、契約書面や利用規約をよく読み、契約期間、料金、解約条件を理解して納得してから契約するよう勧めています。個別に勧められても、その場で判断できなければ、いったん持ち帰り、経済状況や生活スタイルを踏まえ、無理なく通えるかを考えましょう。

契約条件の確認項目

  • 契約総額、契約期間・回数
  • 自動更新の有無
  • 中途解約の可否と、精算の方法
  • 解約料や違約金の有無、解約手続の方法
  • 未利用分の返金
  • キャンペーン等の割引が、解約時にどう扱われるか
  • 長期契約の場合は、「途中でやめたらいくら返金されるか」「いつまでに申し出ればよいか」

関連商品・サービスは、本当に必要か

エステやサプリメントなどは、必要性、料金、解約条件を確認し、疑問があれば持ち帰って検討し、不要ならきっぱり断ることが大切だとされています。なお、関連サービスのうち、特定商取引法上の特定継続的役務提供に該当する契約をしている場合には、クーリング・オフを主張できる可能性があるとも説明されています。該当するかどうかは、契約書面や消費生活センターで確認してください。

予約の取りやすさや、トレーナー変更の可否

予約方法、予約の変更・キャンセルの条件、利用期限、予約が取れない場合の対応、担当トレーナーの変更の可否も、契約前に確認しておきましょう。

契約した内容の控えは、必ず受け取って保管してください。事例5では、契約書の控えがなく、契約終了日の確認が遅れました。ほかの契約トラブルの注意点は、【iPhone実質24円】楽天モバイルの条件|返却と手数料3,300円の罠のような、手数料が絡む契約の記事も参考になります。

7. 困ったときの相談先

消費者ホットライン「188(いやや!)」
お住まいの地域の消費生活センター等を案内する、全国共通の3桁の電話番号です。不安に思ったときや、トラブルが生じたときは、すぐに相談するよう呼びかけています。
消費者トラブル解決ナビ
国民生活センターは、「消費者トラブル解決ナビ」のFAQページでも、解決に向けた情報を提供しています(消費者トラブル解決ナビ)。

スポーツジム等の契約については、国民生活センターが2018年10月と2024年1月にも注意喚起をしています(2018年10月の発表、2024年1月の発表)。ほかの消費者トラブルの記事は、【飯田グループ】課徴金4.4億円とは?注文住宅No.1表示の何が違反かや【e-Tax 不審メール】相談2000件超の日も|偽メールの見分け方と対処も参考になります。

8. よくある質問

Q. 無料体験に行くだけで契約になりますか?
体験だけで契約になるとは限りませんが、事例では体験後の勧誘で契約に至っています。その場で決めず、持ち帰る姿勢が大切です。
Q. 高額な解約料を請求されたらどうすればよいですか?
契約書面や利用規約を確認し、請求額の計算方法を問い合わせたうえで、納得できない場合は消費者ホットライン188に相談してください。
Q. クーリング・オフはできますか?
関連サービスのうち、特定商取引法上の特定継続的役務提供に該当する契約では、主張できる可能性があると説明されています。契約ごとに異なるため、消費生活センターで確認してください。
Q. 「痩せなかったら返金」と言われたら信じてよいですか?
発表では、効果の説明があっても、期待する効果が契約上保証されているとは限らないとされています。返金の条件が書面に書かれているかを確認しましょう。
Q. 相談件数が多いのは、悪質な事業者が多いからですか?
発表は、相談が増加傾向にあるとしているだけで、事業者の良し悪しを評価していません。件数も、相談が登録されたものに限られます。

まとめ

・国民生活センターは10月7日、パーソナルトレーニングの契約トラブルに注意喚起しました。相談は2025年度に1,457件でした。
・問題点は、長時間の勧誘、個別の提案、関連商品の勧誘、解約時の精算、予約の取りにくさの5つです。
・契約前に、総額、期間、自動更新、中途解約の精算、解約料、返金、割引の扱いを確認し、その場で決めずに持ち帰りましょう。
・困ったときは、消費者ホットライン「188」に相談してください。

制度や数値は更新される場合があります。最新の情報は、国民生活センターの公式サイトで確認してください。

参考・出典

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