【EV補助金】2027年1月から減額|上限75万円と駆け込みの損得

(2026年10月26日 公開)

経済産業省は2026年10月21日、EVなどの購入を支える国のCEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)の補助額を、2027年1月1日以降に新規登録する車から引き下げると発表しました。EVの上限は現行の125万円から75万円になります。補助金の打ち切りではなく、現行予算を長持ちさせるための「減額しての継続」です。

結論
・減額が始まるのは2027年1月1日以降に新車として登録(届出)された車。注文日や納車日ではなく登録日で決まる。
・上限は EV 125→75万円、軽EV 55→44万円、PHEV 80→48万円、FCV 145→87万円(得点130以上の最高額)。
・登録日が12月31日以前か1月1日以降かで、EVなら最大で約50万円の差が出る。
・ただし現行予算の申請受付は12月上旬〜下旬に終了する見込み。年内に登録しても申請が間に合うとは限らない。
目次
1. 何がいつから変わる?(上限額の一覧)
2. 減額の対象は「いつ登録した車」?
3. 駆け込み登録の損得はいくら?
4. 人気車種の補助額はいくら変わる?
5. 受付終了はいつ?日程を整理
6. 駆け込みが向かない人・注意点
7. 購入予定の人が今やること
8. よくある質問
9. まとめ




何がいつから変わる?上限額は?

今回見直されるのは、令和7年度補正予算のCEV補助金です。経産省は、足元の申請状況を踏まえると、受付期間の最終期限である2027年2月12日よりも早く予算が尽きる見込みになったと説明しています。「同事業が2027年1月以降も継続する場合に、現行予算の範囲内でできるだけ長く補助を続けるため」に、補助額そのものを下げる形です。

CEV補助金の補助額見直し内容を示す経済産業省の資料(EV上限125万円から75万円)

画像出典: 経済産業省「令和7年度補正CEV補助金の補助額の見直しについて」(Car Watch掲載)

車両区分ごとの最高額(メーカーの取り組みを総合評価した「得点」が130以上の場合)は次のとおりです。

CEV補助金の区分別上限額 EV125万円から75万円・軽EV55万円から44万円

画像出典: 経済産業省資料をもとに作成

EV
125万円 → 75万円
軽EV
55万円 → 44万円
PHEV
80万円 → 48万円
FCV(燃料電池車)
145万円 → 87万円

EVは得点帯によって額が変わります。経産省の資料にある見直し前後は次のとおりです。

得点 EVの補助額(前→後)
130以上 125万円 → 75万円
115〜129 95万円 → 57万円
100〜114 65万円 → 39万円
85〜99 45万円 → 27万円
70〜84 35万円 → 21万円
55〜69 25万円 → 15万円
54以下 15万円 → 9万円

もう1つの変更が「加算額」です。環境負荷の低減やGX推進に向けた鋼材の導入に取り組むメーカーを評価する加算は、最大5万円から最大3万円へ(軽EVは最大3万円から最大1.8万円へ)縮みます。基本額の上限に加算の上限を足すと、EVは130万円→78万円、軽EVは58万円→45.8万円、PHEVは85万円→51万円、FCVは150万円→90万円になる計算です(当ブログ計算)。なお、車種ごとの補助額をメーカーの取り組みで総合評価して決める方式そのものは、これまでどおり維持されます。




減額の対象は「いつ登録した車」?注文日・納車日との違い

補助額を分けるのは新車の新規登録(届出)日です。次世代自動車振興センターの補助対象車両一覧(別表)には、「登録日:2026年4月1日〜12月31日」と「登録日:2027年1月1日以降」の2つの金額が並んで載っています。

現行額が適用される
2026年12月31日までに新車として登録(届出)された車
減額後の額が適用される
2027年1月1日以降に新車として登録(届出)された車
基準にならないもの
契約日・注文日・支払い日。納車が登録より遅れる場合は登録日を販売店に確認する

たとえば10月に契約しても、納車の都合で登録が1月にずれ込めば減額後の額です。逆に、納期に余裕があって11月中に登録できる見込みなら、現行額が使えます。見積書に載っている補助額がどの登録日を前提にしているかは、必ず販売店に確認してください。

駆け込み登録の損得はいくら?年内登録の差額を試算

次世代自動車振興センターの補助対象車両一覧(最上位グレード・自家用)から、登録日による差額を計算しました。差額がそのまま自己負担の増加になります。

年内登録と2027年1月以降登録の補助額の差 リーフ51.6万円・テスラ50.8万円

画像出典: 次世代自動車振興センター補助対象車両一覧から当ブログ算出

普通車EV(リーフ・bZ4X・Super-ONE・テスラ モデル3/Y)
差額は約50〜52万円。リーフ129→77.4万円、bZ4XとSuper-ONEは130→78万円、テスラ モデル3/モデルYは127→76.2万円
PHEV(アルファード Z)
85→51万円で差額34万円
軽EV(サクラ・N-ONE e:)
58→45.8万円で差額12.2万円。普通車EVに比べると差は小さい
輸入小型EV(BYD DOLPHIN)
15→9万円で差額6万円。もともとの補助額が小さい

つまり駆け込みの効果が大きいのは普通車EVです。1月以降の登録になると、同じ車でも補助額は約4割減ります。ただし上の試算は「申請が受け付けられた場合」の話で、次の項目のとおり、年内登録なら必ず現行額をもらえるわけではありません。

落とし穴: 12月登録は受付終了と競争になる
次世代自動車振興センターは10月9日、現行予算の申請受付終了見込みを「12月上旬〜12月下旬目処」と公表しました。申請書は事務局への到着日による先着順で、予算額に達した場合は、達した日の前日(営業日)で受付が終了します。12月31日までに登録しても、申請書が間に合わなければ現行額は受け取れません。

目安として、現行額を確実に狙うなら、受付終了が前倒しされる可能性も踏まえて11月中の登録・申請が現実的なラインです。12月に入ると、いつ受付が止まってもおかしくありません。また、申請が先に到着していても、添付書類の不足などの不備が解消されなければ交付されません(センターの注意書き)。直前の申請ほど、不備を直す時間が短くなります。

人気車種の補助額はいくら変わる?

補助対象車両一覧(別表1)に載っている金額を、車種ごとに並べました。左が2026年12月31日までの登録、右が2027年1月1日以降の登録です。いずれも最上位グレードの自家用の額で、グレードや使い方によって異なる場合があります。

人気EVの補助額 登録日別 日産リーフ・テスラ・トヨタbZ4X・ホンダSuper-ONE・サクラ

画像出典: 次世代自動車振興センター補助対象車両一覧から当ブログ作成

日産 リーフ(B5・B7・AUTECH・NISMO等)
129万円 → 77.4万円
テスラ モデル3・モデルY
127万円 → 76.2万円
トヨタ bZ4X
130万円 → 78万円
ホンダ Super-ONE
130万円 → 78万円
日産 サクラ / ホンダ N-ONE e:
58万円 → 45.8万円
トヨタ アルファード(PHEV)Z
85万円 → 51万円(Executive Lounge・Spacious Loungeは68万円 → 40.8万円)
BYD DOLPHIN・ATTO 3・RACCO等
15万円 → 9万円

同じEVでも、補助額はメーカーの取り組みの評価で決まるため、車種によって大きく違います。たとえばBYDの各車は現行でも15万円と小さく、減額幅も6万円にとどまります。一方、リーフやbZ4Xのように満額に近い車種は、1月以降は50万円超の減額です。




受付はいつまで?補助金の日程を整理

EV補助金の日程 12月受付終了見込み・2027年1月1日減額・2月12日申請期限

画像出典: 経済産業省・次世代自動車振興センターの公表内容をもとに作成

2026年10月21日
経産省が補助額の見直しを発表
2026年12月上旬〜下旬(見込み)
現行予算の申請受付が終了する見込み。申請状況により前後する
2026年12月31日
現行額が適用される登録日の最終日
2027年1月1日
減額後の補助額を適用開始
2027年2月1日
補助対象となる初度登録(届出)の最終日
2027年2月12日
交付申請書の受付最終日(必着)

ここで混同しやすいのが、「2月12日まで申請できる」という表記です。これは制度上の最終期限で、予算が先に尽きればその前に受付は終わります。経産省自身が、2月12日より早く予算が尽きる見込みだと述べているため、年明けの登録分に補助が出るかどうかは、その時点の予算の残り次第です。経産省の発表も、事業が1月以降も続く場合の措置という言い方です。

駆け込みが向かない人・注意点

駆け込み登録は、誰にとってもお得とは限りません。次のような人は、慌てて契約しないほうがよいでしょう。

納期が読めない車を契約済み・検討中の人
年内登録が確実でない車で補助額を目当てに急ぐと、希望と違うグレードや色で妥協することになりかねない。納期は販売店に書面などで確認する
軽EV・小型輸入EVが対象の人
差額は12.2万円(サクラ・N-ONE e:)や6万円(BYD DOLPHIN)と小さい。補助額だけを理由に購入時期を前倒しする価値は低い
自治体の補助を組み合わせる人
国の補助とは別に、自治体の補助は条件・予算・申請期限が別。国の補助だけを見て決めない

また、補助額が減っても、EV購入の損得そのものが逆転するわけではありません。減る約50万円は、車両価格・電気代とガソリン代の差・保有年数と合わせて考える金額です。補助額のために本来の希望と違う車を買うのは避けましょう。今回の見直しは令和7年度補正予算の範囲内の措置で、2027年4月以降の制度については今回の発表では触れられていません。

購入予定の人が今やること

契約済みの人も、これから検討する人も、次の順で確認すると失敗しにくくなります。

1. 予定登録日を確認
契約済みなら、いつ登録できる見込みか。1月にずれる可能性があるか
2. 見積書の補助額の前提を確認
現行額(〜12月31日登録)で計算されているか、減額後の額か
3. 申請書類がそろう日を確認
登録後に交付申請する仕組み。先着順なので、書類を急いでそろえてもらう
4. 車種別の正式額を確認
次世代自動車振興センターの補助対象車両一覧(令和8年4月1日以降の登録分)で、登録日別の金額を見る

申請は登録後に行う仕組みで、注文や契約だけで補助枠を確保したことにはなりません。申請書が事務局に到着した順に処理されるため、登録後はできるだけ早く書類をそろえて出すことが、予算切れへの最大の対策です。詳細は次世代自動車振興センターの公式お知らせと、CEV補助金の公式ページで確認してください。

よくある質問

Q. EV補助金は2027年1月でなくなる?

なくなりません。経産省は、現行予算の範囲内で補助を続けるために額を下げるとしています。ただし、1月以降に補助を受けられるかは、その時点の予算の残りで決まります。

Q. 12月に注文すれば現行額になる?

なりません。基準は登録日で、注文日・契約日ではありません。12月31日までに登録される必要があり、さらに申請受付が終わる前に申請書が事務局に届く必要があります。

Q. 現在補助金を申請中の人は減額される?

減額後の額が適用されるのは、2027年1月1日以降に新車として新規登録された車です。それ以前に登録された車は、現行の補助額が基準です。

Q. 軽EVも急いで登録したほうがいい?

差額は12.2万円(サクラ・N-ONE e:)で、普通車EVの約50万円に比べて小さいため、納期や条件が合うなら、無理に急ぐ必要性は低めです。

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まとめ

・2027年1月1日以降に新規登録する車から、CEV補助金は減額。EVの上限は125万円→75万円、軽EVは55万円→44万円、PHEVは80万円→48万円、FCVは145万円→87万円。
・基準は登録日。年内に登録できれば、リーフやbZ4Xなどの普通車EVで約50万円多く受け取れる計算。
・ただし現行予算の申請受付は12月上旬〜下旬に終了見込み。現行額を確実に狙うなら、11月中の登録・申請が目安。
・軽EVやBYDなど差額が小さい車は、補助額のために急ぐ必要性は低い。

補助額や受付状況は変わる可能性があります。申請前に、必ず次世代自動車振興センターと経済産業省の公式情報で最新の内容を確認してください。

参考・出典





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