第51回衆院選2026|自民単独300議席超の歴史的圧勝か

BREAKING NEWS — 2026.02.08 21:57 JST

第51回衆院選|自民単独300議席超の歴史的圧勝
中道改革連合は壊滅的大敗

戦後最短16日間の選挙戦 — 高市旋風が日本政治を塗り替えた

2026年2月8日に投開票が行われた第51回衆議院議員総選挙は、高市早苗首相率いる自民党の歴史的圧勝という結果となった。JNN(TBS系)の出口調査に基づく午後8時時点の議席予測では、自民党が単独321議席と、過半数233を大きく上回る数字を叩き出している。連立パートナーの日本維新の会と合わせた与党全体では356議席に達し、憲法改正の発議に必要な3分の2(310議席)すら超える勢いだ。

一方、立憲民主党と公明党が衆院限定で結成した新党「中道改革連合」は、公示前の172議席からわずか50議席前後と、文字通りの壊滅的敗北。小沢一郎、安住淳、馬淵澄夫、海江田万里、米山隆一といった野党の重鎮・有力議員が次々と小選挙区で敗れる「ジャイアントキリング」が全国で発生し、選挙史に残る一夜となっている。

本記事では、21時57分時点の速報データをもとに、各党の獲得議席予測、注目選挙区の結果、そしてこの歴史的な結果がもたらされた背景を分析する。

各党議席予測一覧(JNN 20:00時点)

以下は、JNN(TBS系)が出口調査などをもとにまとめた午後8時時点の予測議席数である。FNN(フジ系)の予測も併記した。開票が進むにつれ数字は変動する可能性があるが、大勢は変わらない見通しだ。

注目ライン:過半数233 / 安定多数244 / 絶対安定多数261 / 3分の2=310議席。与党は310を超え、参院で否決された法案の再可決や憲法改正の発議が可能となる数字に達する見込みだ。

衝撃のジャイアントキリング — 落選した重鎮たち

今回の衆院選で最も注目を集めたのが、中道改革連合の重鎮議員が次々と小選挙区で敗れた「ジャイアントキリング」の連鎖だ。いずれも当選回数を重ねたベテランが、無名あるいは格下と見られていた候補者に敗北しており、高市自民党の追い風と中道改革連合への逆風がいかに強烈だったかを物語っている。

岩手3区|小沢一郎(83歳)— 57年間の政治人生に幕

「剛腕」の異名で知られ、自民党幹事長、新進党党首、民主党政権の立役者として日本政治の中心にあり続けた小沢一郎氏が、20期目の当選を目指した岩手3区で敗北確実となった。初当選は1969年、27歳の時。以来連続19期当選、実に57年間にわたり国政の第一線に立ち続けた「最後の昭和政治家」の退場は、一つの時代の終わりを象徴している。

勝利したのは自民党の藤原崇氏(42歳)。小沢氏とは41歳差の世代交代を有権者が選んだ形だ。

宮城4区|安住淳(中道共同幹事長)— 10連勝ストップ

中道改革連合の共同幹事長として党運営の中枢を担った安住淳氏が、地盤としてきた宮城4区で敗北確実。10回連続当選の記録がここで途切れた。

安住氏を破ったのは、自民党の森下千里氏。元グラビアアイドルから政治の世界に転身し、過去の選挙では苦杯をなめてきた森下氏にとって念願の初当選となった。党の選挙実務を担う幹事長自身が落選するという事態は、中道改革連合の苦境を最も端的に表す結果と言える。

奈良1区|馬淵澄夫(64歳)— 高市首相の”因縁の地”で完敗

中道改革連合の共同選対委員長を務めた馬淵澄夫氏が、奈良1区で敗北。8期にわたり当選を重ね、国土交通大臣も務めたベテランが、自民党の小林茂樹氏に敗れた。

奈良1区は高市早苗首相の地盤でもある。2003年に区割り変更で馬淵氏と高市氏(当時)が同じ選挙区で激突した因縁の土地だ。馬淵氏は敗北後の取材に対し「完敗だ」と一言述べた。選対のトップ自らが落選する事態は、組織戦の機能不全を如実に示している。

東京1区|海江田万里(前副議長)— 閣僚経験者もまたも苦杯

元経済産業大臣で、民主党代表も務めた海江田万里氏が東京1区で敗北確実。前衆議院副議長という要職にあった人物ですら、自民党の圧倒的な追い風の前には太刀打ちできなかった。

新潟4区|米山隆一(58歳)— 支持基盤の分裂と妻不在の誤算

元新潟県知事で、2021年・2024年と連続当選を果たしてきた米山隆一氏が、新潟4区で敗北した。2024年には約2万票差で圧勝していた選挙区での逆転劇である。

勝利したのは自民党の鷲尾英一郎氏(49歳)。外務副大臣を務めた経歴を持つ鷲尾氏が返り咲いた。

米山氏の敗因は複合的だ。最大の要因は支持基盤の分裂にある。連合新潟は中道の米山氏だけでなく、国民民主党の野村泰樹氏(27歳)も支援するという異例の「二股」態勢をとった。結果的に野党票が割れ、共倒れとなった。また、妻で作家の室井佑月氏が手術のため選挙戦に参加できなかったことも響いたと見られる。米山氏は敗北を受け「いかんともしがたいという以上のものではなく、もう言葉がない」とコメントした。

大阪5区「三つ巴の激戦」— 杉田水脈 vs 大石晃子の行方

全国で最も注目された選挙区の一つが大阪5区だ。維新の梅村聡氏(50歳)、自民党の杉田水脈氏(58歳)、れいわ新選組共同代表の大石晃子氏(48歳)という強烈な個性がぶつかり合う三つ巴の構図となった。

大阪5区はもともと公明党の牙城であり、自民党の公認候補が立つのは実に約30年ぶりという異例の選挙区だ。公明党が中道改革連合に合流したことで、この空白区に自民・維新・れいわがなだれ込んだ形となった。

杉田水脈氏 — 裏金問題からの復活戦

杉田氏は2018年から2022年にかけて計1564万円の政治資金収支報告書への不記載が発覚し、2024年4月に党の役職停止6か月の処分を受けた。2024年の衆院選には出馬せず、2025年7月の参院選比例でも落選。今回が政治生命をかけた復活戦だった。選挙戦では高市首相の等身大パネルを掲げ、首相との近さをアピールする戦略をとった。

大石晃子氏 — れいわ存亡をかけた戦い

山本太郎代表の無期限活動休止を受けて代表代行に就任した大石氏。2期連続当選の実績があり、大阪を拠点に存在感を示してきた。選挙戦では杉田氏を「裏金議員」と激しく批判し、自ら「きっついオバハン対決」と表現するほど攻撃的なキャンペーンを展開。最終盤には山本太郎氏も応援に駆けつけたが、形勢を逆転するには至らなかった模様だ。

NHKの情勢分析では梅村氏が優勢で、杉田氏と大石氏はいずれも比例復活を目指す展開となっている。れいわ新選組全体が0議席予測という厳しい状況の中、大石氏の比例復活が叶わなければ、同党は国政政党としての存続に関わる事態となる。

東京24区 — 萩生田光一と創価学会票の行方

もう一つの注目区が東京24区だ。自民党の幹事長代行を務める萩生田光一氏は、2024年の衆院選で政治資金問題により党の公認を得られず無所属で出馬し、それでも勝利していた。今回は政治倫理審査会への出席を経て公認を回復し、満を持しての出陣だった。

この選挙区が注目された最大の理由は、創価学会票の行方にある。東京24区は約30年間にわたり公明党の牙城だった。今回公明党が中道改革連合に合流したことで、長年の学会票がどこに流れるかが焦点になった。報道では「公明票の6割が萩生田氏に流れる」との分析もあり、旧公明支持者の中には中道ではなく、かつての協力関係があった自民に投票する動きが広がった模様だ。

NHKの21時57分時点の分析では、萩生田氏が「きわめて優勢」と報じられている。中道の細貝悠氏(新人)、国民民主の細屋椋氏(新人)はいずれも苦戦している。

躍進する新勢力 — チームみらい・参政党

チームみらい — 衆院初議席の歴史的快挙

AI企業家の安野貴博氏(35歳、元ボストン・コンサルティング・グループ)率いるチームみらいが、衆議院で初めて議席を獲得する見通しだ。JNN予測で8議席、FNN予測で8~13議席と、新党としては異例の躍進である。

2024年の東京都知事選で注目を集めた安野氏の知名度に加え、テクノロジーと政治の融合を掲げる新しい政治スタイルが、既存政党に飽き足らない若年層を中心に支持を集めた。複数の比例ブロックで議席を獲得する見込みで、今後の国政における存在感が注目される。

参政党 — 2議席から二桁へ

前回衆院選で2議席だった参政党が、JNN予測で11議席、FNN予測で10~16議席と大幅な躍進を見せている。比例を中心に支持を伸ばし、保守層の受け皿として一定のポジションを確立しつつある。一方で、選挙区では苦戦が続いており、全国的な組織力の構築が今後の課題となりそうだ。

なぜ中道改革連合は壊滅したのか

172議席から50議席前後への転落 — 中道改革連合がここまでの惨敗を喫した背景には、複数の構造的要因がある。

1. 「選挙目当て」と見透かされた新党結成

1月16日の結党から投開票日までわずか23日。しかも衆院議員だけが参加し、参院議員と地方議員は元の立憲民主党・公明党に残るという異例の「衆院限定新党」だった。有権者からは「選挙のための数合わせ」と見抜かれ、FNNの分析でも「新党を結成したのが選挙目当てとみられてしまっている」と指摘された。

2. 無党派層の取り込みに失敗

選挙の勝敗を左右する無党派層の比例投票先で、自民党が約4割を獲得したのに対し、中道はわずか約1割にとどまった。野党勝利の方程式とされる「自党支持層9割・無党派6割・与党支持層3割」の法則が完全に崩壊し、FNNの高田政治部長が「9・6・3の法則が崩壊しつつある」と解説したほどだ。

3. 政策の不整合と曖昧さ

立憲民主党と公明党という、安全保障やエネルギー政策で根本的に異なる立場の二党が合流したことで、政策の方向性が不透明になった。原発政策、安保法制への態度、消費税の扱いなど、核心的な政策について明確なメッセージを打ち出せなかったことが、有権者の不信感を増幅させたと見られる。

4. 「サナ活」に象徴される高市人気

高市早苗首相の個人的な人気は「#サナ活」というハッシュタグがSNSでトレンド入りするほどだった。内閣支持率は高水準を維持し、その波及効果が全国の自民党候補に広がった。中道側には、この高市人気を打ち消すだけのカウンターナラティブがなかった。

5. 大雪と低投票率

投票日当日は全国的に大雪に見舞われ、午後7時半時点の投票率は28.18%と、前回(2024年)から3.31ポイント低下した。低投票率は一般的に組織票を持つ与党に有利に働く。中道が頼りにしていた浮動票が天候によって抑制されたことも、敗北の一因となった可能性が高い。

まとめ — 高市政権の今後と憲法改正の行方

戦後最短となる16日間の選挙戦は、高市自民党の歴史的圧勝で幕を閉じようとしている。以下に、本記事のポイントを整理する。

  • 自民党が単独300議席超の見通し。与党(自民+維新)で3分の2の310議席を超える勢い。
  • 中道改革連合は172→50議席前後と壊滅的敗北。選挙直前の「衆院限定新党」は有権者に響かなかった。
  • 重鎮の連続落選:小沢一郎(57年の政治人生に幕)、安住淳(幹事長が落選)、馬淵澄夫(選対委員長が完敗)、海江田万里、米山隆一など。
  • 新勢力の台頭:チームみらい(0→8議席)、参政党(2→11議席)が躍進。れいわ新選組は0議席の危機。
  • 憲法改正の発議が現実味:与党で3分の2を超えれば、参院で否決された法案の再可決に加え、憲法改正の国民投票発議が可能になる。

高市首相にとって、この圧勝は政権基盤の盤石化を意味する。しかし、巨大与党の誕生は同時に、権力の監視機能の弱体化という課題も突きつける。参議院では依然として過半数に達しておらず、今後は2027年の参院選に向けた政権運営が焦点となる。

一方、壊滅的な敗北を喫した中道改革連合は、存続そのものが問われる局面だ。結党からわずか1か月足らずでの大敗は、野党再編の議論を改めて活性化させるだろう。日本の政党政治は、今夜を境に大きな転換点を迎えた。

注意事項

  • 本記事の議席数はJNN・FNNの出口調査に基づく「予測値」であり、最終確定値ではありません。開票の進行に伴い数値が変動する可能性があります。最新の確定情報は各報道機関および総務省の公式発表をご確認ください。
  • 記事内の各候補者の当選・落選情報は、NHK・各報道機関の「当選確実」報道に基づいています(2026年2月8日 21:57 JST時点)。

最終更新:2026年2月8日 21:57 JST


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