ローソンでステーブルコイン決済|KDDI・HashPortが8月実証

ブロックチェーン企業のHashPort(東京都港区)は2026年7月13日、KDDI、ローソンとともに、実店舗でのステーブルコイン決済に向けた技術実証を8月に始めると発表した。「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」を舞台に、日本円ステーブルコインをレジでの支払いに使えるかどうかを検証する取り組みで、3社は7月10日にすでに基本合意書を結んでいる。

ローソン店舗外観

目次




実証の概要

今回の技術実証は「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」で8月に実施される。対象となるのはHashPort、ローソン、KDDIの3社の関係者に限られ、一般の来店客が参加することはない。確かめるのは、POSとのシステム連携要件やレジでの運用、決済にかかる時間、ウォレットの操作性などだ。あくまで一般公開前の技術検証段階であり、すぐに一般客が店頭でステーブルコイン払いを利用できるようになるわけではない点には注意したい。

ローソン店舗での日本円ステーブルコイン決済 技術実証イメージ




決済の仕組みとフロー

実証では、来店客役のユーザーがHashPort製のウォレットアプリ「HashPort Wallet」で代金を支払う。具体的な流れは次のとおりだ。

1. バーコード表示

ユーザーがアプリに決済バーコードを表示する

2. POSで読み取り

店員がバーコードをPOSレジで読み取る

3. 金額確認・送金

ユーザーがアプリ上で金額を確認し、署名して送金する

4. 着金確認・決済完了

ブロックチェーン上で着金を確認するとPOSに連携し、決済が完了する

HashPort Walletは、事業者が資産を預からずユーザー自身がスマホ内で資産を管理する「ノンカストディアル型」を採用している。一方、店舗側はHashPortの企業・店舗向けサービス「HashPort Wallet for Biz」を使うことで、独自にウォレットを開設・管理する手間をかけず、普段のPOSレジのままステーブルコイン決済を受け付けられる仕組みになっている。

日本円ステーブルコインでのコンビニ決済フロー図

3社それぞれの役割

企業 主な役割
ローソン 店舗運営とPOSシステムのノウハウ提供
HashPort ステーブルコイン決済基盤技術の提供
KDDI 金融・決済基盤との連携に関する知見の提供




なぜ今、ステーブルコイン決済なのか

背景には、円建てステーブルコインの制度環境の整備がある。日本では2023年6月の改正資金決済法施行以後、円建てステーブルコインの発行・流通環境が整いつつある。ステーブルコインは価格変動の大きい一般の暗号資産(仮想通貨)と違い、価値が法定通貨と連動して安定するため、決済での活用が期待されている分野だ。すでにWeb3スタートアップのJPYCが国内初の資金移動業者登録を取得するなど、円建てステーブルコインを取り扱う事業者は徐々に増えており、大手コンビニチェーンでの実証は、実際の店頭決済への応用が現実味を帯びてきたことを示す動きといえる。

今後の展開

HashPortは今後、AIエージェントが人に代わって支払いを済ませる「Agentic Payment」という仕組みの導入も視野に入れている。今回の実証で得た知見をもとに、企業・店舗向けサービスの「HashPort Wallet for Biz」へ組み込み、企業や店舗が日々行う送金・決済・精算といったお金まわりの業務を自動化することを検討するとしている。実証はあくまで社内関係者向けの技術検証にとどまるが、うまくいけば将来的に一般客向けのサービスへと発展する可能性もある分野であり、今後の続報にも注目したい。

コンビニ決済にステーブルコインを使う意味

コンビニのような小売店の決済は、これまでクレジットカードや電子マネー、QRコード決済など複数の手段が乱立し、事業者側は決済会社ごとに手数料や精算のタイミングが異なる状態が続いてきた。ステーブルコインをブロックチェーン上でやり取りする仕組みが実用化されれば、決済会社を介さず店舗と顧客が直接価値をやり取りできるようになり、将来的には決済手数料の圧縮や、着金確認から売上精算までのスピードアップにつながる可能性がある。今回の実証でHashPortが検証するとしている「決済にかかる時間」も、こうした実用面でのハードルを見極める狙いがあるとみられる。

また、ステーブルコイン決済はスマートフォンひとつで完結する点も特徴だ。HashPort Walletのような「ノンカストディアル型」のウォレットであれば、ユーザーは資産を自分のスマホ内で管理し、店舗側もウォレットを新たに開設・管理する手間なく普段のPOSレジのまま対応できるとされており、店舗・利用者双方の導入負担を抑えられる設計になっている点も、大手チェーンでの実証入りを後押しした要因のひとつと考えられる。

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よくある質問

Q. 一般客も8月からステーブルコイン払いを使える?

A. 使えない。今回の実証は3社の関係者のみを対象とした技術検証であり、一般来店客は参加しない。

Q. 実証店舗はどこ?

A. 「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」で8月に実施される予定。

Q. ステーブルコインとは何が違う?

A. 価格変動の大きい一般の暗号資産と異なり、価値が法定通貨(この場合は日本円)と連動して安定するように設計された暗号資産の一種。

まとめ

HashPort、KDDI、ローソンの3社は、実店舗での日本円ステーブルコイン決済に向けた技術実証を8月に「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」で実施する。対象は3社の関係者に限られる技術検証段階だが、円建てステーブルコインの制度環境整備が進むなかで、大手コンビニチェーンでの実証開始は決済インフラの今後を占ううえで注目のニュースといえる。詳細や続報は各社の公式発表で確認したい。

※本記事の内容は記事執筆時点の発表情報に基づきます。最新情報は各社の公式発表でご確認ください。





コメント

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