2026年7月2日(日本時間7月3日)に行われたFIFAワールドカップ2026・北中米大会のラウンド32、ポルトガル対クロアチア戦で、クロアチアが後半アディショナルタイムに決めた「幻の同点弾」が大きな波紋を呼んでいます。一度はネットを揺らして同点かと思われたゴールが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のチェックを経てオフサイドで取り消され、試合はポルトガルが2-1で勝利。クロアチアはベスト16を目前に敗退しました。この記事では、何が起きたのか、なぜゴールが取り消されたのか、そして議論の中身を、大手報道をもとに時系列で整理します。
画像出典: ゲキサカ
この記事のポイント
- 試合はポルトガルが2-1でクロアチアに逆転勝利(ラウンド32)
- 後半アディショナルタイムのクロアチアの同点弾がVARでオフサイド判定→取り消し
- 公式球のセンサーを使ったギリギリの接触判定が是非を巡り議論に
何が起きたのか(試合の流れ)
舞台はFIFAワールドカップ2026の決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)。40歳のルカ・モドリッチを擁するクロアチアと、41歳のクリスティアーノ・ロナウドを擁するポルトガルという「レジェンド対決」として、大会屈指の注目カードでした。
試合はクロアチアが先手を取ります。後半53分、右サイドからのクロスにイヴァン・ペリシッチが合わせてクロアチアが先制。しかし68分、ポルトガルはクリスティアーノ・ロナウドがPKを沈めて同点に追いつきます。ロナウドにとっては今大会の決勝トーナメント初ゴールとなりました。
勝負は終盤にもつれ込みます。後半アディショナルタイム90+4分、途中出場のゴンサロ・ラモスがクロスに頭で合わせてポルトガルが勝ち越し。2-1とリードを奪いました。追う展開となったクロアチアは、試合終了間際に劇的な同点弾かと思われる場面を作り出します。ここで大きな議論が生まれました。
問題の場面と取り消し理由
画像出典: フットボールチャンネル(Getty Images)
問題の場面は後半アディショナルタイム90+13分(103分台)。ペリシッチのクロスからゴール前で混戦となり、こぼれ球をヨシュコ・グヴァルディオルが押し込んでネットを揺らしました。クロアチアの選手・ファンは同点を確信し、スタジアムは沸きます。しかし、ゴールはすぐには認められず、VARチェックに入りました。
主審はオンフィールドレビュー(OFR)でモニターを確認。判定の焦点となったのは、クロスに対してイゴル・マタノヴィッチが頭で触れていたかどうかでした。報道によると、マタノヴィッチが頭でボールに触れたと判定され、その接触のタイミングでマリオ・パシャリッチがオフサイドポジションにいたため、得点は取り消されました。つまり「グヴァルディオルの得点そのもの」がオフサイドだったのではなく、その前のプレーでボールに触れた味方(マタノヴィッチ)の接触点を起点にオフサイドが成立した、という判定です。
この「頭に触れたかどうか」という極めて微妙なチェックに、大会の公式球に内蔵されたセンサー(コネクテッドボール・テクノロジー)が用いられたとみられています。中継では、ボールへの接触音とセンサーの反応をもとに接触の有無・タイミングが検証されたと伝えられました。判定に時間を要し、アディショナルタイムは大幅に延び、クロアチア側の抗議も続きました。
試合結果への影響
同点弾が取り消されたことで、スコアは2-1のまま試合終了。ポルトガルがベスト16へ進出し、クロアチアはラウンド32で大会を去ることになりました。もしゴールが認められていれば試合は2-2となり、延長戦(さらにはPK戦)にもつれ込む可能性がありました。1つの判定が両チームの明暗を大きく分けた格好です。
クロアチアにとっては、2018年ロシア大会準優勝、2022年カタール大会3位という近年の実績を持つ強豪だけに、早期敗退は痛手となりました。とりわけ主将のモドリッチは自身5回目のW杯で、大会後に現役を引退する見通しと報じられており、このVAR判定が「ラストダンス」の結末を分けるシーンとなりました。試合後、モドリッチら選手が呆然と立ち尽くす様子も伝えられています。
試合結果
ポルトガル 2-1 クロアチア(FIFAワールドカップ2026 ラウンド32)
得点経過
53分 ペリシッチ(クロアチア)/68分 C.ロナウド・PK(ポルトガル)/90+4分 G.ラモス(ポルトガル)
取り消されたゴール
90+13分 グヴァルディオル(クロアチア)/VARでオフサイド判定により取り消し
選手・監督・ファンの反応
終了間際の劇的な取り消しに、スタジアムは騒然となりました。報道によると、観客席からペットボトルなどがピッチに投げ込まれ、試合が一時中断する場面もありました。判定の是非を巡ってSNS上でも意見が真っ二つに割れています。
「クロアチアかわいそう。まさに天国から地獄」
— X上の反応(2026-07-03)
「テクノロジーすごすぎる。ここまで正確に取れるのか」
— X上の反応(2026-07-03)
「VARやセンサーのチェックで、試合の面白さが削がれる気もする」
— X上の反応(2026-07-03)
「これはキツイ」「完全にゴールを奪われた」と判定の厳しさに不満を示す声がある一方で、「ルール上は正しい判定」「精密な技術で正確に裁いた結果」と冷静に受け止める声もあります。取り消し自体はルールに則った処理であり、判定そのものの是非は断定できませんが、勝敗を左右する終盤の局面でミリ単位の接触が問われたことが、大きな議論を呼んでいます。
ルール上の解説(なぜ取り消される?)
今回のようなケースを理解するには、オフサイドの基本と、それを支える技術を押さえる必要があります。以下、初めての方向けに噛み砕いて解説します。
オフサイドの基本
オフサイドは、味方がボールを触った(プレーした)瞬間に、相手陣内で「後ろから2人目の相手選手」よりゴールに近い位置にいる攻撃側選手が、そのプレーに関与すると反則になるルールです。判定の基準になるのは「味方がボールに触れた瞬間」の位置関係。だからこそ、誰がいつボールに触れたかが決定的に重要になります。
半自動オフサイド技術(SAOT)とコネクテッドボール
半自動オフサイド技術(SAOT=Semi-Automated Offside Technology)は、複数のカメラで選手の身体の位置を追跡し、オフサイドラインを自動的に割り出す仕組みです。さらに近年は、公式球の内部にセンサー(チップ)を内蔵し、ボールが蹴られたり触れられたりした「正確な瞬間」を検知するコネクテッドボール・テクノロジーが導入されています。今回はこのセンサーが、マタノヴィッチが頭でボールに触れたタイミングを捉え、その瞬間の位置関係からオフサイドが確定したとみられます。人間の目では判別が難しい「触れたか触れていないか」を機械が拾うため、従来なら見逃されていたかもしれない接触まで判定に反映されるのが特徴です。
「正確さ」と「面白さ」の議論
技術の進化で判定精度は飛躍的に高まりましたが、その一方で「ミリ単位・一瞬の接触で劇的なゴールが消えるのは興ざめ」という声も根強くあります。今回の取り消しがまさにその象徴で、ルール上は正しくても、観る側の感情としては割り切れないという反応が広がりました。正確性を追求するほど機械的になる——サッカーが技術とどう付き合うかという、大会をまたいで続くテーマが改めて浮き彫りになった一戦でした。
よくある質問(FAQ)
Q. クロアチアのゴールはなぜ取り消されたの?
A. 後半アディショナルタイム90+13分、グヴァルディオルが押し込んだ同点弾が、VARチェックの結果オフサイドと判定されました。クロスに頭で触れたマタノヴィッチの接触タイミングで、パシャリッチがオフサイドポジションにいたためです。
Q. 試合の最終結果は?
A. ポルトガルが2-1でクロアチアに勝利し、ラウンド32を突破してベスト16へ進みました。
Q. 判定に使われた技術は何?
A. 半自動オフサイド技術(SAOT)と、公式球に内蔵されたセンサー(コネクテッドボール・テクノロジー)です。ボールへの接触の瞬間を検知し、オフサイドの判定に用いられたとみられます。
Q. この判定は誤審だったの?
A. 取り消し自体はルールに則った処理で、公式に覆されたわけではありません。ただし勝敗を左右する終盤の微妙な判定だったため、是非を巡って議論が続いています。
あわせて読みたい
- ウナイ・シモン W杯無失点519分の世界記録|内容と歴代比較
- ロナウド 代表引退いつ?W杯後の去就と報道内容を慎重にまとめ
- 日本代表1-2ブラジル|W杯2026ラウンド32敗退の結果・得点者
- 日本代表 世界の反応|FIFA会長も称賛したブラジル戦、海外評価まとめ
まとめ
2026年7月2日(日本時間3日)のW杯ラウンド32、ポルトガル対クロアチアで生まれた「幻の同点弾」は、後半アディショナルタイム90+13分にグヴァルディオルが決めながら、VARのオフサイド判定で取り消されました。焦点はマタノヴィッチが頭でボールに触れた一瞬で、公式球のセンサーを用いた精密な検証が判定を左右しています。
結果はポルトガルの2-1勝利。モドリッチにとって最後になるとみられるW杯は、この判定とともに幕を閉じました。技術の正確さと観戦の面白さをどう両立させるか——今大会でも大きなテーマとなりそうです。判定の是非は視点によって分かれるところで、公式な見解や続報は今後の報道で確認するのが確実です。
※本記事の試合内容・判定に関する情報は執筆時点の各種報道に基づきます。最新の情報は公式発表・大手報道でご確認ください。
コメントを残す