2025年10月から始まったふるさと納税の「ポータルサイト経由ポイント付与禁止」。話題はそこで終わりませんでした。総務省は次の一手として、自治体が募集にかける経費の上限を現行5割から段階的に4割へ引き下げる方針を打ち出しています。SNSでは「ポイント禁止で勢いを止めた仲介サイトに、追い打ちで手数料カットが来た」と話題になっており、寄附者だけでなく仲介各社・自治体の収益構造にも大きな影響が出る見込みです。本記事では、2026年以降のふるさと納税制度改正の全体像と、楽天をはじめとする大手サイトの動向を整理します。
- 2025年10月1日から仲介サイト経由のポイント付与が全面禁止
- 総務省告示で募集経費上限を5割→4割へ段階的に引下げ予定
- 2026年10月からは現行比2.5%の上限引下げが各自治体へ通知
- 2029年までに最大4割へ移行するロードマップ
- 楽天カードのカード決済ポイントは引き続き付与対象
ポイント禁止の経緯と狙い
2024年6月の総務省告示改正により、2025年10月1日以降、ふるさと納税ポータルサイトが寄附行為に対して独自ポイントを付与することが禁止されました。楽天ふるさと納税の場合、楽天市場の通常ポイント、スーパーSALEや買いまわりなどキャンペーンポイント、SPU倍率の上乗せといった「サイト負担分」がすべて対象外となっています。一方で、楽天カードなどのカード会社から付与される決済ポイントは「決済手段としての還元」として残されました。
禁止の狙いは、自治体が仲介サイトに支払う手数料を圧縮し、本来の寄附金を地域事業に回すことです。ポイント還元競争が激化した結果、仲介サイトに対する委託料が寄附額の数割に達するケースも報告され、制度本来の趣旨から外れているとの批判が長く続いていました。
2026年からの「募集経費5割→4割」段階引下げ
2025年6月24日に公表された「ふるさと納税の指定基準の見直し等」に関する総務省の発表では、自治体が寄附の募集にかけられる経費(仲介サイト手数料・送料・返礼品費用を含む合計)の上限割合を、現在の最大5割から2029年までに段階的に最大4割へ引下げる方針が示されました。2026年4月には各自治体宛てに、2026年10月から現行比で2.5%上限を引下げる旨の通知が出ています。
| 時期 | 主な制度変更 | 寄附者への影響 |
|---|---|---|
| 2025年10月 | サイト独自ポイント付与禁止 | 楽天ポイント上乗せが消滅、実質還元率低下 |
| 2026年10月(予定) | 募集経費上限を2.5%引下げ | 高還元返礼品の縮小・量目調整の可能性 |
| 2027〜2028年(予定) | 経費上限の追加引下げ | 地場産品基準のさらなる厳格化と並行 |
| 2029年(目標) | 募集経費上限を最大4割へ | 返礼品の市場価格上昇/自治体直販シフト |
経費上限47.5%はどれくらい厳しいのか|自治体の半数が新基準を超過
一般社団法人自治体DX推進協議会が総務省告示公表を受けてまとめた分析によると、全国自治体の経費率(寄附額に対する募集経費の割合)の中央値はすでに48.5%に達しており、2026年10月から適用される新基準47.5%を半数の自治体が上回っている状況です。返礼品の調達費(上限30%は据え置き)を除いた仲介サイト手数料・広告費・事務費・委託費などの合計が寄附額の約20%を占める自治体が多く、この部分に削減圧力が集中する見通しです。
2025年6月24日に公表された総務省の指定基準見直しは、大きく3つの柱で構成されています。
楽天など大手仲介サイトへの影響
ポイント禁止以降、楽天・さとふる・ふるなびなどの大手仲介サイトはポイント還元に代えて「キャンペーンクーポン」「○%OFF」「対象寄附で楽天カード分の還元のみ」を打ち出していますが、SNS上では「以前ほどのうま味がなくなった」との声が多く見られます。報道では、総務省の告示が出ても大手サイトは自治体への手数料を大きく下げない方針との指摘もあり、結果として返礼品の量目縮小や送料込み価格見直しなど、利用者側にしわ寄せが及ぶ可能性が高い状況です。
2026年後半に駆け込み寄附は意味があるか
「2026年10月の経費上限引下げ前に駆け込みで寄附しておくべき」という議論も出ていますが、ふるさと納税は基本的に年間の控除上限額の範囲で行うものです。上限を超えて寄附しても自己負担となるため、無理な前倒しは推奨できません。一方、現行ルールで還元率の高い返礼品(米・肉・果物など)は秋以降に量目が縮小する可能性があり、欲しい返礼品が決まっている人は早めに動く価値があると言えます。
特に影響が出やすいのは、区域外で製造された加工食品・家電・体験型の金券・セット品など、地場産品基準の厳格化が直撃するジャンルです。これらは自治体側が2025年10月〜2026年9月の調達・配布実績を示せない場合、新基準施行後に掲載終了や内容変更となる可能性があります。すでに気になっている返礼品がある場合は、各ふるさと納税サイトの商品ページに「新基準対象」「掲載終了予定」等の表示が出ていないか確認しておくと安心です。対象となる具体的な品目は自治体・返礼品ごとに異なるため、断定はできません。
9月末までにやることチェックリスト
ふるさと納税ユーザーが今押さえるべきポイント
- サイトポイントはもう戻らない。比較軸は「返礼品の還元率・カード還元・キャンペーンクーポン」の3点
- 楽天カード決済分のポイント(1%前後)は今後も維持される
- 2026年10月以降は返礼品の量目縮小・送料込み価格化が進む見込み
- 控除上限額シミュレーターで自身の枠を必ず確認
- ワンストップ特例とe-Tax確定申告の使い分けは従来通り
よくある質問
経費上限はいつから何%に変わる?
2026年10月から、自治体が寄附の募集にかけられる経費(仲介サイト手数料・広告費・事務費・委託費など)の上限が現行の50%から47.5%に引き下げられます。2029年までに段階的に40%を目指す方針です。
地場産品基準はどう厳しくなる?
区域外で製造された加工品などは、価値の過半が区域内工程で生じたことの証明が必須になります。対象品は2025年10月〜2026年9月の間に自治体が実際に調達・配布した実績が求められるケースがあります。
9月末までに寄付すれば影響を避けられる?
現行基準で選べる返礼品を確保できる可能性はありますが、ふるさと納税は年間の控除上限額の範囲で行うのが基本です。上限を超えた寄附は自己負担になるため、無理な前倒しは推奨されません。
どんな返礼品が影響を受けやすい?
区域外で製造された加工食品・家電・体験型の金券・セット品などが対象になりやすいとされています。ただし具体的な品目は自治体・返礼品ごとに異なるため、各サイトで個別に確認する必要があります。
楽天ふるさと納税のポイントはどうなる?
2025年10月からポータルサイト独自のポイント付与は禁止されています。楽天カードなどカード会社から付与される決済ポイントは、決済手段としての還元として今後も付与対象です。
経費上限が段階的に40%になるのはいつ?
2029年を目標に、2026年10月の47.5%を皮切りに段階的に引き下げられる予定です。詳細な年次スケジュールは今後の総務省告示・通知で確定していきます。
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まとめ
ふるさと納税は「お得な節税」から「地域応援+α」に性格を戻す制度改正フェーズに入っています。ポイント禁止に続く募集経費の引下げで、寄附者の体感メリットは段階的に薄まる可能性が高い一方、返礼品自体の品質や地場産品基準は強化されていく見通しです。2026年は「お得な寄附の最終駆け込み年」と捉える人もいれば、「年間枠内で本当に欲しい返礼品を選ぶ年」と割り切る人もいます。自分の控除上限と必要量を見極め、無理のない範囲で利用するのが賢い向き合い方と言えるでしょう。
※本記事は2026年5月26日公開、2026年7月25日に自治体の経費率調査データ等を追記して更新しています。総務省告示・大手ポータルサイトのアナウンス・関連報道をもとに編集部で再構成しています。制度の最新情報・控除上限額・対象返礼品の詳細は、必ず総務省ふるさと納税ポータルおよび各仲介サイトの公式ページでご確認ください。
参考・出典
- 一般社団法人自治体DX推進協議会「自治体の半数、ふるさと納税の経費率がすでに新基準47.5%を上回る水準」(PR TIMES)
- ふるさとチョイス「2026年10月の制度変更に伴うお礼の品への影響と再確認のお願い」
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