2026年5月17日、神奈川県海老名市に33年間にわたって地域の映画文化を牽引してきた「イオンシネマ海老名」が閉館した。日本初の本格的な郊外型マルチプレックスシネマとして1993年に開業し、THX認定サウンドシステムで全国の映画ファンから「スター・ウォーズの聖地」と呼ばれた名劇場が、ついにその幕を下ろした。
日本映画館史に刻まれた33年
イオンシネマ海老名の前身は「ワーナー・マイカル・シネマズ 海老名」。1993年4月、海老名サティ(現・イオン海老名店)内に開業した。日本国内で初めて本格的な郊外型マルチプレックスシネマとして誕生し、シネコンという新しい映画鑑賞スタイルを日本全国に広めたパイオニア的存在だった。
単なるシネコンの先駆けにとどまらず、国内の一般客向け劇場として最初にTHX認定サウンドシステムを導入。THXはルーカスフィルムが開発した高品質音響認証規格で、「スター・ウォーズ」をはじめとするハリウッド大作の音響を最高の環境で体験できることを保証するものだ。
「スター・ウォーズの聖地」として全国区の知名度
THXサウンドシステムの導入により、海老名は全国の映画ファンから特別な場所として認識されるようになった。ルーカスフィルムのTHX部門との深い関係から、スター・ウォーズシリーズは長年にわたり7番スクリーンで上映され続け、「聖地巡礼」を目的に遠方から訪れるファンも後を絶たなかった。
最終上映作品が「スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還」だったことも、その関係性の深さを物語っている。これ以上ないほどドラマチックなフィナーレで、長年のファンへの敬意が感じられる選曲だ。
閉館の理由と経緯
閉館の直接的な理由は、入居する商業施設「イオン海老名店」が2026年5月中旬より一時休業に入ることだ。施設の都合に伴う閉館であり、映画館単体の経営問題ではないが、結果的に33年間の歴史に終止符が打たれることになった。
閉館式典と総支配人のメッセージ
閉館当日は大勢のファンが詰めかけ、スター・ウォーズのコスプレをしたファンやアニメ作品のファンなど、さまざまな映画ファンが感謝の思いを伝えるために来場した。33年間という長い歴史の中で培われた地域の映画文化の厚みが、この日の人出にも表れていた。
加藤曉司総支配人は閉館にあたって次のようなメッセージを残した。
“映画を映画館で観ることを続けていただきたい。映画にはたくさんの方の思いが詰まっています。大きなスクリーン、大きな音、映画鑑賞は映画館でぜひ楽しんでください”
— 加藤曉司 総支配人
また総支配人は、将来的な新館開設への期待も込めたコメントを発表しており、海老名という地での映画文化の継続に対する強い思いが伝わってくる。
マルチプレックスシネマが変えた日本の映画鑑賞文化
イオンシネマ海老名(旧ワーナー・マイカル)の登場は、日本の映画館文化を根本から変えた。それ以前の映画館は単館または2〜3スクリーン規模が主流だったが、郊外型ショッピングセンター内に多数のスクリーンを持つマルチプレックスというモデルが広まることで、複数の作品を同じ施設内で楽しめる現在の映画鑑賞スタイルが確立された。
駐車場完備の郊外型立地という特性は、それまで交通の便が良い都市部の映画館に頼らざるを得なかった地方在住ファンにとっても大きな恩恵だった。イオンシネマ海老名はその先駆けとして、現在も日本各地にあるシネコンの礎を築いた存在といえる。
イオンシネマ海老名の歩み
- 1993年4月: ワーナー・マイカル・シネマズ 海老名として開業。日本初の本格的郊外型マルチプレックスシネマ
- 開業当初: 国内一般向け劇場として初のTHX認定サウンドシステム装備
- 長年: スター・ウォーズシリーズを7番スクリーンで継続上映、「聖地」として全国区の知名度に
- 後年: イオンシネマとして運営継続
- 2026年5月17日: 33年間の歴史に幕。最終上映は「スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還」
まとめ
- イオンシネマ海老名が2026年5月17日に33年間の歴史に幕
- 日本初の本格的郊外型マルチプレックスシネマとして日本の映画文化を変えた存在
- THX認定サウンドシステムで「スター・ウォーズの聖地」として全国から愛された
- 最終上映はスター・ウォーズ エピソード6、将来の新館開設に期待
※本記事の情報は映画ナタリー等の報道および公式発表をもとに作成しています(2026年5月18日現在)。施設の今後の動向については最新情報を公式サイトでご確認ください。

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