ハワイ大学キッカーの松澤寛政(27)が、NFLのラスベガス・レイダーズとドラフト外契約を締結した。日本人としてNFLの53人ロースター入りを果たせば、北米4大プロスポーツ(NFL・MLB・NBA・NHL)で唯一日本人選手のいなかったNFLに歴史を刻むことになる。サッカー少年から独学でキッカーに転向した異色の経歴にも注目が集まっている。
画像出典: NFL JAPAN / AP通信
この記事でわかること
- 松澤寛政のレイダーズ契約の詳細(年俸・契約年数)
- サッカー少年からNFLキッカーに至るまでの経歴
- 2025年シーズンの圧倒的な成績
- 今後のスケジュールとロースター入りへの道
レイダーズとの契約内容
2026年4月25日(日本時間26日)、松澤寛政はNFLドラフト全7巡での指名を逃したものの、直後にラスベガス・レイダーズとドラフト外ルーキーフリーエージェント(UDFA)として契約を締結した。
| 契約チーム | ラスベガス・レイダーズ |
| 契約種別 | ドラフト外FA契約(UDFA) |
| 契約期間 | 3年 |
| 年俸(初年度) | 88万5,000ドル(約1億4,000万円)※ロースター入り時 |
| 保証額 | 契約金のみ |
| ポジション | キッカー(K) |
ハワイ大学の公式Xも「おめでとう、松澤選手」と祝福メッセージを投稿している。レイダーズはスーパーボウル3度制覇の名門で、2020年からラスベガスを本拠地としている。
サッカー少年からNFLへ ── 松澤寛政の異色の経歴
松澤の歩みは、一般的なNFL選手の経歴とは大きく異なる。
幼少期~高校時代:サッカーに打ち込んだ日々
千葉県市川市出身。幼少期からサッカーに親しみ、千葉県立幕張総合高校ではフォワードとしてプレーした。県大会ベスト8まで進出するも、全国大会出場はかなわなかった。
人生の転機:NFLとの出会い
大学受験に2度失敗し、先の見えない日々を過ごしていた松澤に転機が訪れたのは2018年。父親から渡された米国行きの航空券だった。サンフランシスコでNFLの開幕戦を観戦し、その迫力と一体感に衝撃を受ける。「すぐにコレだなと思いました」と本人が振り返るように、このとき20歳でアメフトへの転向を決意した。
サッカーのキック力を活かせるキッカーが最適なポジションだと気づき、YouTubeの動画で楕円形ボールの蹴り方を独学。東京のステーキハウスで3年間アルバイトをして渡米資金を貯めた。
渡米からハワイ大学へ
自身のキック動画を全米の大学に送り、唯一オファーをくれたオハイオ州のホッキング大学(短大)に進学。その後、NCAA1部のハワイ大学に編入を果たした。2023年シーズンは試合出場なし。2024年シーズンから全試合に出場し、フルスカラシップ(奨学金)を獲得するまでに成長した。
2025年シーズンの圧倒的な成績
松澤は2025年シーズンで全米トップクラスの成績を残し、NFLスカウトの注目を集めた。
| 項目 | 成績 |
| フィールドゴール(FG) | 27/29成功(成功率93.1%) |
| エクストラポイント(PAT) | 40/40成功(成功率100%) |
| 総得点 | 121点(マウンテン・ウェスト得点王) |
| 連続FG成功 | 25回(FBSタイ記録) |
| 個人賞 | 満場一致オールアメリカン選出 / ルー・グローザ賞ファイナリスト |
FG成功率は全米1位の96.2%(シーズン通算ベース)を記録。ハワイ大学史上初の満場一致オールアメリカンに輝き、「The Tokyo Toe」のニックネームで全米のカレッジフットボールファンに知られる存在となった。
さらに、NFLが設ける国際選手育成プログラム「IPP(International Player Pathway)」にも選出され、ドラフト会場のあるピッツバーグに招待されていた。
レイダーズとは? チームの概要
松澤が契約したラスベガス・レイダーズは、NFL屈指の名門フランチャイズだ。
- 創設: 1960年(AFL創設メンバー)
- スーパーボウル制覇: 3回(XI、XV、XVIII)
- 本拠地: アレジアント・スタジアム(ラスベガス、2020年~)
- カンファレンス: AFC西地区
今後のスケジュールとロースター入りへの壁
契約はゴールではなく、ここからが本当の勝負だ。ドラフト外契約の選手が開幕ロースター(53人枠)に残る確率は決して高くない。松澤が正式にNFL選手となるためには、以下のステップをクリアする必要がある。
| 時期 | イベント |
| 4月末 | 新人ミニキャンプ合流 |
| 5月4日~ | オフシーズン・トレーニングプログラム(OTA) |
| 7月下旬 | トレーニングキャンプ |
| 8月 | プレシーズンゲーム(実戦テスト) |
| 9月初旬 | 53人ロースター確定(最終カット) |
NFLでは各チームのキッカー枠は通常1名のみ。チーム内の既存キッカーとの競争に勝ち抜く必要があるが、松澤のカレッジでの実績はドラフト外としては異例の高さであり、チャンスは十分にある。
なぜ「日本人初」なのか
北米4大プロスポーツのうち、MLB(野球)・NBA(バスケ)・NHL(アイスホッケー)にはすでに日本人選手が在籍した実績がある。しかしNFLだけは、過去に正式にプレーした日本人選手が一人もいない。松澤が開幕ロースターに残れば、文字通り歴史を変えることになる。
まとめ
- 松澤寛政(27)がNFLラスベガス・レイダーズとドラフト外3年契約を締結
- 日本人初のNFL選手誕生に向け、最大の関門は9月の53人ロースター入り
- サッカー少年→大学受験失敗→独学でキッカー転向という異色の経歴
- 2025年シーズンはFG成功率全米1位、25回連続成功のFBSタイ記録
- 今週末の新人ミニキャンプから本格的な競争が始まる
※本記事の情報は2026年4月26日時点のものです。契約条件やロースター状況は今後変動する可能性があります。最新情報はNFL公式サイトおよびレイダーズ公式サイトでご確認ください。
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